【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー波乱ー23

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 和也と望は雄介の病室まで来るとノックして病室内へと入って行く。

 するとベッドの上でまったりとしていた雄介だったのだが、ゆっくりと半身を起こして、

「やっと、来たみたいやな」
「まぁ、今はちょっと色々とあるんだよ」
「ま、今日はその色々っていうんを話してもらおうと思うとるしな。 俺が知らんうちに色々とあったみたいやけど……?」
「ああ……まぁ、ちょっとな」

 望はそう口にすると和也にも椅子を渡し椅子へと腰を下ろす。

 だが今日の和也は乗る気がないのか浮かない表情をしているようだ。

 そして望に椅子を渡されたのだから、そこへと腰を下ろす和也。

「珍しいなぁ、和也が浮かない顔をしとるのはな」

 雄介は今日、望の方ではなく和也の方が気になるようで和也の顔を覗き込むようにして見つめる。

「ん?」

 それに気付いた和也は顔を上げてきたようだ。 そして雄介の方へと何故か笑顔を向けていた。

 そんな和也に気付いたのか雄介は、

「ええよ……無理せんでも。 きっと、和也は俺に話したくないんやろうしな。 やっぱ、そこは、プライドみたいなのがあるんやろうし」

 雄介は腕を組みながらベッドの背もたれへと背中を預ける。

「でも……!」
「望……ちょっと、待ってくれへんか? まぁ、望は和也の事で色々と知っておるんかもしれへんのやけど……ここは、俺と和也の問題やし。 そうそう、和也とは確かに友達やって思うておったんやけど、何やろ? 和也っていうのか、俺もなんやと思うねんけどな。 見えない壁っていうのか、なんかこう踏み込んではいけないような所があるっていうんか? そんなのがあるような気がして仕方なかったしな。 こうなんていうのか? 敵対心っていうんかな? ライバル心? そこのところはよく分からないのやけど、なんかこう俺と和也の前にはそんなものがあるような気がして仕方なかったんや。 この機会にその壁というのか、殻というのか、それを壊す事が出来たらいいのかな? って思うとるんやけどな」

 雄介はそう前から思っていた事を口に出して言うのだ。

 きっと和也みたいな性格の場合、自分が持っているジョーカーみたいなのを出さないと、そういうところは口にしてこないだろう。 と思ったからなのかもしれない。

「……ったく。 雄介にそこまで言われたら、言うしかなくなっちまうよな?」

 和也はため息を吐くと覚悟したように雄介の方に顔を上げて、

「雄介が入院している間に本当に色々とあったんだよ。 まぁ、正確にはスキーの話の前からだったんだけどさ。 さっきさ、回診の時に新城颯斗って奴が来ただろ?」
「あ、ああ、確かに居ったな」

 雄介は和也の話を真剣に聞こうと思っているのか和也の言葉に相槌を打つのだ。
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