811 / 2,140
ー波乱ー18
しおりを挟む
「私……いつも貴方を見る度にドキドキしてました。 多分、貴方みたいな人なら、恋人の一人や二人いるのかもしれませんが、もし、いないのであれば、私と付き合っていただけないでしょうか?」
その女性からは完全に告白とこ取れるような言葉に和也も望も体を固まらせてしまっている。
しかも和也の方はもう裕実という恋人がいる訳でフリーの状態でもなければ、もう女性に興味はない状態の和也。 しかし女性にしかも入院患者さんに告られると本当に断り難い。
上手く断る事の出来ない和也は困ったような焦ったような表情をしていた。
「いきなりの事でお困りですよね? でも、私は何度も梅沢さんの事見てたんです! 検温の時に私にだけ笑顔を見せて下さったり、梅沢さんは私の担当でもないのに、私がまだ上手く立てない時に、廊下でお声を掛けて下さった事もあったりして、手を差し伸べて下さったりして、その暖かいお言葉等の温もりを今でも忘れていません。 私の方は貴方無しではもう生きていられないかもしれません。 それくらい、私は貴方の事が好きだという事なんです……」
きっと、この女性は思い悩んで和也に告白してきたのであろう。
だが和也には恋人がいるのだから、ここでハッキリと断らなければならないのかもしれない。
和也はその女性の言葉に頭を俯け考えていたのだが顔を急に上げると、
「すいません!」
と頭を下げて、
「しばらくの間、おまちいただけないでしょうか? 確かに、貴方は私の事を知っておられるのかもしれませんが、僕は貴方の事を知りません。 だから、暫くの間、私が貴方の事を見させていただけないでしょうか? 今すぐにお答えをお求めなら、私の方からお断りさせていただきます」
「ですよね。 分かりました……。 暫くの間、私は貴方からの答えをお待ちする事にします。 いいお返事待っていますね」
そう言ってその女性は暫くの間掴んでいた和也の手を離すのだ。
「失礼ですが……お名前の方は?」
「あらー? 私ってば、名乗らずに言ってしまっていたのね。 私の名前は永田ヒロミです」
その名前に体をピタリと止めてしまう和也と望。
その女性からは完全に告白とこ取れるような言葉に和也も望も体を固まらせてしまっている。
しかも和也の方はもう裕実という恋人がいる訳でフリーの状態でもなければ、もう女性に興味はない状態の和也。 しかし女性にしかも入院患者さんに告られると本当に断り難い。
上手く断る事の出来ない和也は困ったような焦ったような表情をしていた。
「いきなりの事でお困りですよね? でも、私は何度も梅沢さんの事見てたんです! 検温の時に私にだけ笑顔を見せて下さったり、梅沢さんは私の担当でもないのに、私がまだ上手く立てない時に、廊下でお声を掛けて下さった事もあったりして、手を差し伸べて下さったりして、その暖かいお言葉等の温もりを今でも忘れていません。 私の方は貴方無しではもう生きていられないかもしれません。 それくらい、私は貴方の事が好きだという事なんです……」
きっと、この女性は思い悩んで和也に告白してきたのであろう。
だが和也には恋人がいるのだから、ここでハッキリと断らなければならないのかもしれない。
和也はその女性の言葉に頭を俯け考えていたのだが顔を急に上げると、
「すいません!」
と頭を下げて、
「しばらくの間、おまちいただけないでしょうか? 確かに、貴方は私の事を知っておられるのかもしれませんが、僕は貴方の事を知りません。 だから、暫くの間、私が貴方の事を見させていただけないでしょうか? 今すぐにお答えをお求めなら、私の方からお断りさせていただきます」
「ですよね。 分かりました……。 暫くの間、私は貴方からの答えをお待ちする事にします。 いいお返事待っていますね」
そう言ってその女性は暫くの間掴んでいた和也の手を離すのだ。
「失礼ですが……お名前の方は?」
「あらー? 私ってば、名乗らずに言ってしまっていたのね。 私の名前は永田ヒロミです」
その名前に体をピタリと止めてしまう和也と望。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
171
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる