803 / 2,140
ー波乱ー10
しおりを挟む
「だから、これから見付ければいいんじゃねぇのか?」
和也の方は「んー」と唸りながら頭を抱えてしまっている。
フッと気付くと望も和也もいつのまにか食堂の方に辿り着いてしまっていた。
望は一応、後ろに付いて来ていた颯斗に声を掛ける。
「お昼はここで食べるんですよ」
「ここで、ですか」
そう颯斗が確かめるかのように答えた後に、どうやら裕実が後ろから来たようだ。
颯斗も後ろから誰か来ている気配に気付いたのであろうか。 後ろを振り向くと、
「君が本宮さんか」
と言う颯斗の言葉に和也、望、裕実の三人は颯斗の事を目を丸くしながら見上げる。
だってそうだろう。 和也と望に関しては前に颯斗が入院していた時の患者さんであってスーパーで会っている人物なのだから、和也と望の名前は分かったとしてもまさか裕実の事まで知っているとは思っていなかったからだ。
そう驚いた表情で望達が颯斗の事を見上げていると颯斗は完全に裕実の方に体を向けて、
「本宮さん……今日からこの病院で働く事になった新城颯斗です。 これから、宜しくお願いしますね」
と颯斗はそう紳士的に裕実の話掛け右手まで差し出している。
だがいきなり声を掛けられた裕実の方はどうしたらいいのかと迷っているようだ。 裕実はフッと和也の方に視線を向けると和也も望も何故だかいい顔はしていないようにも思える。 しかも顔を手を交互に振っていた。
そんな二人の行動に裕実は颯斗の顔と和也達の顔を交互に見つめるしかなかったようだ。
それに気付いた颯斗は、
「まぁ、そういう事だというのが分かりましたよ。 別に僕の方は気にしてませんけどね。 貴方方がそういう行動をなさるのでしたら、僕の方にも考えがありますし」
「行動って……ただ、俺達の方は新城先生の行動に警戒してるだけだろ? 和也に気があるって分かってるんだったら尚更なんだからな」
「でも、僕の方は決意させていただきましたから、止めるという事はしませんからね」
そして颯斗の方は一人食堂の方へと入って行く。
食堂の前に残された三人。
「あの人って、もしかして、スキーの時に望さんが言っていた方ですか?」
「流石に分かったか」
「望さんや和也さんの行動を見ていれば分かりますよ。 それに、名前の方も頭の隅にありましたからね」
「そっか……」
和也の方は「んー」と唸りながら頭を抱えてしまっている。
フッと気付くと望も和也もいつのまにか食堂の方に辿り着いてしまっていた。
望は一応、後ろに付いて来ていた颯斗に声を掛ける。
「お昼はここで食べるんですよ」
「ここで、ですか」
そう颯斗が確かめるかのように答えた後に、どうやら裕実が後ろから来たようだ。
颯斗も後ろから誰か来ている気配に気付いたのであろうか。 後ろを振り向くと、
「君が本宮さんか」
と言う颯斗の言葉に和也、望、裕実の三人は颯斗の事を目を丸くしながら見上げる。
だってそうだろう。 和也と望に関しては前に颯斗が入院していた時の患者さんであってスーパーで会っている人物なのだから、和也と望の名前は分かったとしてもまさか裕実の事まで知っているとは思っていなかったからだ。
そう驚いた表情で望達が颯斗の事を見上げていると颯斗は完全に裕実の方に体を向けて、
「本宮さん……今日からこの病院で働く事になった新城颯斗です。 これから、宜しくお願いしますね」
と颯斗はそう紳士的に裕実の話掛け右手まで差し出している。
だがいきなり声を掛けられた裕実の方はどうしたらいいのかと迷っているようだ。 裕実はフッと和也の方に視線を向けると和也も望も何故だかいい顔はしていないようにも思える。 しかも顔を手を交互に振っていた。
そんな二人の行動に裕実は颯斗の顔と和也達の顔を交互に見つめるしかなかったようだ。
それに気付いた颯斗は、
「まぁ、そういう事だというのが分かりましたよ。 別に僕の方は気にしてませんけどね。 貴方方がそういう行動をなさるのでしたら、僕の方にも考えがありますし」
「行動って……ただ、俺達の方は新城先生の行動に警戒してるだけだろ? 和也に気があるって分かってるんだったら尚更なんだからな」
「でも、僕の方は決意させていただきましたから、止めるという事はしませんからね」
そして颯斗の方は一人食堂の方へと入って行く。
食堂の前に残された三人。
「あの人って、もしかして、スキーの時に望さんが言っていた方ですか?」
「流石に分かったか」
「望さんや和也さんの行動を見ていれば分かりますよ。 それに、名前の方も頭の隅にありましたからね」
「そっか……」
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる