794 / 2,140
ー波乱ー1
しおりを挟む
あれから暫く入院する事になった雄介。
だが前に入院していた時よりも入院生活が充実しているようにも思える。
回診と言えば雄介の恋人である望が来て診察してくれるし、検温とかの時間になると裕実や和也が来てくれるのだから楽しくない訳がない。
そんな時、夜の検温の時間になるとノックの音が聴こえてくる。
「はーい」
と雄介が返事をすると入って来たのは和也と裕実だ。
「なんや今日はお前等だったんか……」
「お前等か……って、つまんなそうに言いますけど、望は検温しには来ませんけどぉ」
「うわっ! 気持ち悪っ! お前に敬語使われると、もう、首とか痒くなってくるわぁ」
「悪かったな。 ってか、病院で今は働いている時間だし、敬語なのは当たり前なんだよ。 ま、それはいいとして……お前に熱はないだろうけどさ、そこは仕事なんで検温の方お願い出来るか?」
「あ、ああ、おう……」
雄介は和也にそう言われて体温計を渡されると脇へと挟む。
「まだまだ業務的な事やらせていただきますがよろしいでしょうか? 桜井さん……」
最近はもう和也のタメ口の方に慣れているせいか雄介の方は、やはりその和也の敬語に悪寒が走っているようだ。
「やっぱり、それ、アカンわぁ、ちょい辞めてくれへんか? あー、もう! 寒くて死にそうになるしー」
そう雄介は和也に向かってお願いするかのように両手を合わせる。
「構いませんけど……」
「とか言いつつ使ってるやんかー!」
「あー、もう! 分かったって、だから、病室であまりでかい声出すなっつーの! 耳に響くしさ……それに、体温計ってる時には基本的には大人しくしてなきゃなんねぇの……ちゃんと計る事が出来ないからな。 ま、そこもいいとしまして……で、今日はちゃんとトイレの方行ったのでしょうか? 回数の方もちゃんと答えるように!」
和也はそう念を押すかのように雄介に向かって聞くのだ。
この話題はついこの間、出たばかりで、あの時はまだ雄介が顔を赤くするだけで済んだのだが今回はいよいよ本番という所であろう。
「あー、それな……まぁ、今日は二回位はトイレに行ったかなぁ?」
そう完全に視線を逸らして答えている雄介。
「んじゃあ、それは、一体誰に連れて行ってもらったのかな? 俺達は雄介の事一回もトイレに連れて行った覚えはないんだけどなぁ」
「他の看護師さん達にやね……」
そう完全に視線を逸らして答えている雄介なのだから和也からしてみたら嘘がバレバレな訳で和也は腰に手を当て、
だが前に入院していた時よりも入院生活が充実しているようにも思える。
回診と言えば雄介の恋人である望が来て診察してくれるし、検温とかの時間になると裕実や和也が来てくれるのだから楽しくない訳がない。
そんな時、夜の検温の時間になるとノックの音が聴こえてくる。
「はーい」
と雄介が返事をすると入って来たのは和也と裕実だ。
「なんや今日はお前等だったんか……」
「お前等か……って、つまんなそうに言いますけど、望は検温しには来ませんけどぉ」
「うわっ! 気持ち悪っ! お前に敬語使われると、もう、首とか痒くなってくるわぁ」
「悪かったな。 ってか、病院で今は働いている時間だし、敬語なのは当たり前なんだよ。 ま、それはいいとして……お前に熱はないだろうけどさ、そこは仕事なんで検温の方お願い出来るか?」
「あ、ああ、おう……」
雄介は和也にそう言われて体温計を渡されると脇へと挟む。
「まだまだ業務的な事やらせていただきますがよろしいでしょうか? 桜井さん……」
最近はもう和也のタメ口の方に慣れているせいか雄介の方は、やはりその和也の敬語に悪寒が走っているようだ。
「やっぱり、それ、アカンわぁ、ちょい辞めてくれへんか? あー、もう! 寒くて死にそうになるしー」
そう雄介は和也に向かってお願いするかのように両手を合わせる。
「構いませんけど……」
「とか言いつつ使ってるやんかー!」
「あー、もう! 分かったって、だから、病室であまりでかい声出すなっつーの! 耳に響くしさ……それに、体温計ってる時には基本的には大人しくしてなきゃなんねぇの……ちゃんと計る事が出来ないからな。 ま、そこもいいとしまして……で、今日はちゃんとトイレの方行ったのでしょうか? 回数の方もちゃんと答えるように!」
和也はそう念を押すかのように雄介に向かって聞くのだ。
この話題はついこの間、出たばかりで、あの時はまだ雄介が顔を赤くするだけで済んだのだが今回はいよいよ本番という所であろう。
「あー、それな……まぁ、今日は二回位はトイレに行ったかなぁ?」
そう完全に視線を逸らして答えている雄介。
「んじゃあ、それは、一体誰に連れて行ってもらったのかな? 俺達は雄介の事一回もトイレに連れて行った覚えはないんだけどなぁ」
「他の看護師さん達にやね……」
そう完全に視線を逸らして答えている雄介なのだから和也からしてみたら嘘がバレバレな訳で和也は腰に手を当て、
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる