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ー雪山ー182
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上着は着ているのに突き刺さるような寒さに手先の方は痛いのだが周りを見渡すと杉の木には雪が覆い被さり、それが太陽の下では溶けていっているのか、たまにドサッという音と共にその雪が落下する音も聞こえて来る。 そして朝日を浴びながら屋根や木の上にある雪が太陽の暖かさで溶け始めると地面にに水溜りを作り音を奏でていた。 本当に自然の中の音しか今は聴こえてこないような所だ。
こんな自然の音というのは東京では絶対にありえない事だろう。
東京の方での音と言えば本当に人工で作られた物の音しか聞こえて来ないのだから。 車の音に電車の音。 だから、こうしてたまに自然の音だけを聞きに休暇を楽しむのはいい事なのかもしれない。
「な、望……野うさぎがおんで……」
そう言われて雄介が指差す方に視線を向けると確かに一羽のうさぎが耳をピンと立てて何やら警戒しているような姿を見てが目に入ってくる。
「すっげー! 本当に野うさぎなんだな?」
「みたいやな。 こう、うさぎっていうのは動物園とかでしか見た事なかったけど、自然のうさぎって初めて見たわぁ」
そう言いながら雄介は再び歩き始める。
その後ろ姿に再び雄介の優しさを感じる望。
そう今見たウサギに関しては決して近付こうともせず大きな声で言うわけもなく静かに望に知らせるような感じで言って来ていたからだ。
とりあえず雄介と望は昨日の夜のうちに降ったのであろう新雪の上を歩き望達が泊まっているコテージから五分位の所にある露天風呂へと辿り着く。
しかし、たった五分位の距離で、こんなにも自然を感じられるとは思ってもみなかった事なのかもしれない。
雄介は先に脱衣所へと入ると早速服を脱ぎ始める。
だが望の方は本当に久しぶりに雄介に体を見せるという事があるからなのか、ゆっくりと脱ぎ始めていた。 そして雄介が先にお風呂場へと向かうと服を脱ぎ始める。
もう、ここまで来たら後は一緒に入るしかないと思った望は雄介の後を追って風呂場へと向かうとそこには露天風呂っていうだけあって絶景が広がっていた。
近くの山から遠くの山まで一望出来る景色。 空は雲一つない青空で山々には雪が被っている。 そんな景色はここまで来ないと見れないであろう。
絵葉書や写真ではなんとなく見た景色かもしれないのだが、こう自分の目で実際に見ると本当に素晴らしい景色なのかもしれない。
確かに望は中学校の時にスキー教室で来ていたのかもしれないのだが、その頃というのは、こう景色を楽しむという感じではなく、やはり、そこはみんなでワイワイとするような感じでもあったから、ほぼ初めて見る景色に近いのかもしれない。 それに望の場合にはそのスキー教室の時に骨折してしまい、それどころではなかった記憶があるのだから余計に景色なんて楽しむ余裕すらなかったのだから。
こんな自然の音というのは東京では絶対にありえない事だろう。
東京の方での音と言えば本当に人工で作られた物の音しか聞こえて来ないのだから。 車の音に電車の音。 だから、こうしてたまに自然の音だけを聞きに休暇を楽しむのはいい事なのかもしれない。
「な、望……野うさぎがおんで……」
そう言われて雄介が指差す方に視線を向けると確かに一羽のうさぎが耳をピンと立てて何やら警戒しているような姿を見てが目に入ってくる。
「すっげー! 本当に野うさぎなんだな?」
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その後ろ姿に再び雄介の優しさを感じる望。
そう今見たウサギに関しては決して近付こうともせず大きな声で言うわけもなく静かに望に知らせるような感じで言って来ていたからだ。
とりあえず雄介と望は昨日の夜のうちに降ったのであろう新雪の上を歩き望達が泊まっているコテージから五分位の所にある露天風呂へと辿り着く。
しかし、たった五分位の距離で、こんなにも自然を感じられるとは思ってもみなかった事なのかもしれない。
雄介は先に脱衣所へと入ると早速服を脱ぎ始める。
だが望の方は本当に久しぶりに雄介に体を見せるという事があるからなのか、ゆっくりと脱ぎ始めていた。 そして雄介が先にお風呂場へと向かうと服を脱ぎ始める。
もう、ここまで来たら後は一緒に入るしかないと思った望は雄介の後を追って風呂場へと向かうとそこには露天風呂っていうだけあって絶景が広がっていた。
近くの山から遠くの山まで一望出来る景色。 空は雲一つない青空で山々には雪が被っている。 そんな景色はここまで来ないと見れないであろう。
絵葉書や写真ではなんとなく見た景色かもしれないのだが、こう自分の目で実際に見ると本当に素晴らしい景色なのかもしれない。
確かに望は中学校の時にスキー教室で来ていたのかもしれないのだが、その頃というのは、こう景色を楽しむという感じではなく、やはり、そこはみんなでワイワイとするような感じでもあったから、ほぼ初めて見る景色に近いのかもしれない。 それに望の場合にはそのスキー教室の時に骨折してしまい、それどころではなかった記憶があるのだから余計に景色なんて楽しむ余裕すらなかったのだから。
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