738 / 2,140
ー雪山ー168
しおりを挟む
望も裕実も全然料理が出来ないってわけではないのだが、やはりキッチンにそんなの人数はいらないとでも思っているのであろう。 そして、あの二人が率先してやってくれるからいいとでも思っているのかもしれない。
「あ、ああ……大丈夫だ」
と裕実からの問いにそう答えてしまっている望。
望はそう言いながら眼鏡の下に手を入れて目を擦るとソファへと寄りかかるのだ。
裕実はそんな望の様子を見ながら話を続ける。
「じゃあ、明日は僕たちと楽しみましょうねぇ」
そう裕実は手を叩いてまで嬉しそうに言う。
だが裕実には望にそう話を振った理由があった。
そう人間というのは嘘を吐く時とかに癖というものがある。 視線を宙に浮かせてみたり頭を掻いたりという癖が一般的だろう。 だが裕実は望が嘘を吐いている時の癖は知らない。 だから望の事を観察するしか嘘を見破る方法がないという事だ。 そう、もし望が何かしら嘘を吐いているのなら先に言って行動をしてくるはずだろう。
「それに、今日は僕、和也さんに教えてもらったので初心者コースで滑れるようになったんですよー! だから、明日はみんな滑れるんだから、上級者コースで滑りましょうって和也さんが言ってましたよ。 なので、明日は上級者コースで滑りましょうね。 ま、僕的にはいきなりなんで怖いんですけど、今日、和也さんに、もうこれなら大丈夫だって! って言われたので大丈夫なのかな? とは思っているので、明日は僕も頑張りますからっ!」
そう裕実は事実を交えながら望の観察を続けていた。
裕実が話す話を望は裕実の瞳をジッと見て聞いているようだ。
やはりプライドが高い望という事なのであろうか。 それとも、やはり、そこは和也達と同じで医療関係者だからなのであろうか。 もしかしたら裕実が探りを入れている事に気付いているのであろうか。 そこは分からないのだが、どうやら裕実が話している事に若干警戒しているのかもしれない。 そしてボロを出さないようにしているのであろう。
普通の人間なら嘘を吐いている時というのは相手の目を見て話すという事は出来ない。 それを知っているからなのか望の方は逆に裕実の目を見て話をしている。
「そうだな……明日はみんなで上級者コースからやろうか?」
そして嘘を吐いている人間というのは噛んでしまうという事だ。 そこも望からしてみたら注意しなくてはならない所だろう。
そう裕実からしてみたら今の望は嘘を吐いているようには見えない。 寧ろ通常の人間と同じ行動をしているのだから癖とかには当てはまらないようにも思える。
そんな望に裕実は息を吐く。
もしかしたら裕実はこう思っているのかもしれない。
『流石は望さんですね。 完全に嘘を吐いている人間の癖には当てはまらないようです。 確かに、望さんが言ってる事は正しいのかもしれません』と……。
「あ、ああ……大丈夫だ」
と裕実からの問いにそう答えてしまっている望。
望はそう言いながら眼鏡の下に手を入れて目を擦るとソファへと寄りかかるのだ。
裕実はそんな望の様子を見ながら話を続ける。
「じゃあ、明日は僕たちと楽しみましょうねぇ」
そう裕実は手を叩いてまで嬉しそうに言う。
だが裕実には望にそう話を振った理由があった。
そう人間というのは嘘を吐く時とかに癖というものがある。 視線を宙に浮かせてみたり頭を掻いたりという癖が一般的だろう。 だが裕実は望が嘘を吐いている時の癖は知らない。 だから望の事を観察するしか嘘を見破る方法がないという事だ。 そう、もし望が何かしら嘘を吐いているのなら先に言って行動をしてくるはずだろう。
「それに、今日は僕、和也さんに教えてもらったので初心者コースで滑れるようになったんですよー! だから、明日はみんな滑れるんだから、上級者コースで滑りましょうって和也さんが言ってましたよ。 なので、明日は上級者コースで滑りましょうね。 ま、僕的にはいきなりなんで怖いんですけど、今日、和也さんに、もうこれなら大丈夫だって! って言われたので大丈夫なのかな? とは思っているので、明日は僕も頑張りますからっ!」
そう裕実は事実を交えながら望の観察を続けていた。
裕実が話す話を望は裕実の瞳をジッと見て聞いているようだ。
やはりプライドが高い望という事なのであろうか。 それとも、やはり、そこは和也達と同じで医療関係者だからなのであろうか。 もしかしたら裕実が探りを入れている事に気付いているのであろうか。 そこは分からないのだが、どうやら裕実が話している事に若干警戒しているのかもしれない。 そしてボロを出さないようにしているのであろう。
普通の人間なら嘘を吐いている時というのは相手の目を見て話すという事は出来ない。 それを知っているからなのか望の方は逆に裕実の目を見て話をしている。
「そうだな……明日はみんなで上級者コースからやろうか?」
そして嘘を吐いている人間というのは噛んでしまうという事だ。 そこも望からしてみたら注意しなくてはならない所だろう。
そう裕実からしてみたら今の望は嘘を吐いているようには見えない。 寧ろ通常の人間と同じ行動をしているのだから癖とかには当てはまらないようにも思える。
そんな望に裕実は息を吐く。
もしかしたら裕実はこう思っているのかもしれない。
『流石は望さんですね。 完全に嘘を吐いている人間の癖には当てはまらないようです。 確かに、望さんが言ってる事は正しいのかもしれません』と……。
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる