【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー雪山ー166

　本当に望はスキーが出来るのか？　出来ないのか？　っていうのが分からなくなってきたようにも思える。

　スキーというのは一歩間違えれば怪我に繋がるスポーツだ。　いやスポーツはどれも同じ事が言えるのだが、スキーというスポーツは本当に危ないスポーツだという事は雄介もよーく知っているからなのかもしれない。

　それに転けて打ち所が悪ければ死に関連してくる。　一般向けスポーツの中では結構危険な怪我が多いスポーツなのかもしれない。

　いや、でも望の場合にはそこまで心配する必要はないのかもしれない。　望は医者なのだから無理と判断すれば直ぐに辞めてくれるだろう。

「まぁ、望元気になったんやったら、みんなの所に行かへんか？　今日の夜はみんなで宴会みたいなのをやりたい！　って和也が張り切っておったでぇ！」
「あ、ああ、まぁ……そうだなぁ、今日は仕事の事を忘れる為に遊びに来てるようなもんなんだしな……そこは楽しまないと意味がないって事かな？」

　望はそう言いながらベッドの上へと立ち上がる。

　そんな望にビックリしたような表情で見上げる雄介。　そう望の性格というのは基本的に素直ではない。　だから雄介の言葉を聞いてこう素直に望が和也達の所に行くと言ったからだろう。

　少し、そんな望にフリーズ気味だった雄介は望の事覗き込むようにして見上げる。

「雄介？　何してんだ？　和也達の所に行くんだろ？」
「あ、ああ……せやったな」

　そう望に声を掛けられて雄介は慌てて望の言葉に返事をすると雄介は望と一緒に和也達がいる部屋へと向かうのだ。

　望が寝室の方から出て行くと和也はその望の姿に気付いたらしく和也はソファの所から望へと声を掛ける。

「やっと、起きてきたのか？　望、体の調子はどうなんだよ？」

　そう言いながら和也の方は望に向かって笑顔送る。