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ー空間ー230
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そこは最後まで聞きたかった筈なのに途中で止められてしまった。 きっと望の中では迷っているのであろうか。 それを雄介に聞いていいのか? いけないのか? いや、きっと望の性格からしたら聞けないの方が正しいのかもしれない。
だが、そこは望が聞かなければ和也が聞いてくれるのであろうと思ったのだが、寧ろ今日の和也は一向に口を開こうとしてくれる気配が無い。 寧ろ、こういう時こそ和也が聞いてくれると思っていたのだが、何故か今日の和也というのは動いてもくれないといった感じだ。
望は和也の方に視線を向けると和也は診察室にあるベッドの端に座って顔を俯けて腕を組み小刻みに体を震わせている。
きっと望の心の中では「はぁ!? 何で、言ってくれねぇんだよ!」という状態だろう。
そんな和也の姿を見て何か望から雄介に掛ける言葉はないかと一生懸命頭の中で探しているのかもしれないのだが、そんな時、雄介が急に、
「ほな、前にも望に言われた事あったし、ここでは長居出来へんしな、ここで俺は行くわぁ」
それだけを言い残し雄介は出て行ってしまう。
やはり今の望でも雄介には何も聞くことがが出来なかったという事だろう。
雄介が去った後、和也はベッドの端から降りると、
「ったく……雄介の奴……何の為にここに来たんだろうな? やっぱさ、最後のお別れに望の顔を見てくて来たのかもしれねぇよな?」
和也は望の肩にポンと手を乗せ慰めのつもりで言ったつもりだったのだが、和也の最後の言葉に望の何かこう癇に障ったようで、
「アイツがそんな事を言いにわざわざここに寄る筈ないだろっ!」
そう強く言い放つと望は和也の腕を振りほどき診察室のドアを開け待合室まで出たのだが、既に雄介の姿はなかった。
こんな中途半端な別れ方なんか嫌に決まっている。
今まで以上に会えないなんて信じたくもない事だ。
だが今の望は仕事中だ。 雄介を追い掛ける事もメールをする事も出来ず、ただただその雄介の後ろ姿を見届ける事しか出来なかった。
だが、そこは望が聞かなければ和也が聞いてくれるのであろうと思ったのだが、寧ろ今日の和也は一向に口を開こうとしてくれる気配が無い。 寧ろ、こういう時こそ和也が聞いてくれると思っていたのだが、何故か今日の和也というのは動いてもくれないといった感じだ。
望は和也の方に視線を向けると和也は診察室にあるベッドの端に座って顔を俯けて腕を組み小刻みに体を震わせている。
きっと望の心の中では「はぁ!? 何で、言ってくれねぇんだよ!」という状態だろう。
そんな和也の姿を見て何か望から雄介に掛ける言葉はないかと一生懸命頭の中で探しているのかもしれないのだが、そんな時、雄介が急に、
「ほな、前にも望に言われた事あったし、ここでは長居出来へんしな、ここで俺は行くわぁ」
それだけを言い残し雄介は出て行ってしまう。
やはり今の望でも雄介には何も聞くことがが出来なかったという事だろう。
雄介が去った後、和也はベッドの端から降りると、
「ったく……雄介の奴……何の為にここに来たんだろうな? やっぱさ、最後のお別れに望の顔を見てくて来たのかもしれねぇよな?」
和也は望の肩にポンと手を乗せ慰めのつもりで言ったつもりだったのだが、和也の最後の言葉に望の何かこう癇に障ったようで、
「アイツがそんな事を言いにわざわざここに寄る筈ないだろっ!」
そう強く言い放つと望は和也の腕を振りほどき診察室のドアを開け待合室まで出たのだが、既に雄介の姿はなかった。
こんな中途半端な別れ方なんか嫌に決まっている。
今まで以上に会えないなんて信じたくもない事だ。
だが今の望は仕事中だ。 雄介を追い掛ける事もメールをする事も出来ず、ただただその雄介の後ろ姿を見届ける事しか出来なかった。
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