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ー空間ー203

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 雄介は望に声を掛けていいものなのか? と迷うのだが、やはり人間というのは限界があるもんだ。

 雄介は望の耳元まで近付くと、耳元で、

「望……もう挿れてええか?」

 と囁くように言う雄介。

 その雄介の声に気付いたのか望は体をピクリとさせゆっくりと頭を頷かせる。

 それに気付いた雄介はゆっくりと望の後ろから挿れようとしたのだが、望は荒い呼吸を繰り返しながらも立ち上がり雄介の肩を軽く押す事で雄介の体は自然とベッドへと落ちていく。 いや、きっと雄介は望だったから望に半分押し倒された事で自分から倒れて行ったという事もあるのであろう。

「背中着いたら痛いだろ? だから……」
「それやったら、座ったままの状態で望の事を抱き締めたらええやんな?」
「じゃなくて……後ろ手に布団に手を付けたらいいだろうが」
「あ……まぁ……望がそう言うんやったら」

 雄介は望に半押し状態でベッドへと手を付いて雄介の肩に手を付いて中腰くらいで雄介の事を見つめる。

「ってかさ、今日は全部、俺がやるって言っているんだから、俺に……任せろよ……」

 そう望は荒い呼吸を繰り返しながら言うのだ。

「せやけどなぁ」

 雄介はその望の言葉に困った表情で望の事を見上げる。

「俺がいいって言ってんだから……そこは黙っておいてくれよ」

 どうしても今日の望は引かないようだ。 雄介の方はもう大人しくすると今はもう望の指示に従うしかないように思える。

「もうええよ……今日はもう望がやりたいようにな」

 雄介は微笑むと、その中途半端な体勢から望の腰の辺りを抱き締める。

 そんな風に雄介に抱かれただけで、もう望の体はビクリと反応してしまっているようだ。
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