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「どうしたんです? そんなに大声で上げて」
「あ、まぁ、ゴメン。 まぁ、俺の財布の中身見てくれよ……」

 そう言いながら和也は今叫んだ理由を財布開き見せるのだ。

「今日な出掛ける時に数万円は入れておいたんだけどさ、今はこのように無いって訳さ」
「えー! まさか、今日はそんなに使ってしまったのですかぁ!?」
「みたいだな」

 和也はそう裕実に言われると指折り数えながら今日は何でお金を使っていたのかを思い出しているようだ。

「まずは朝、行く前にガソリンを入れただろ? それに、行きの高速代、後は、まぁ、昼飯代は望が出してくれたのは良かったんだけど、次は空港の駐車場料金にホテル代、また高速代の往復に泊まりのホテル代か」

 そう和也の方は笑顔で言うものの、そこは冷静な裕実が突っ込んでくる。

「後、給料日まで五日位あると思うのですが、そこまでどうするつもりなんですか?」
「……だよな? 後はここの駐車場の料金もまだ払ってないし、後は……」

 フッと和也は気になったのかガソリンメーターの方に視線を向けると、

「ガソリンの方もヤバイのかも」
「まーたっく! 仕方ないですね。 和也さんってかっこいいところ沢山あるのに、たまに抜けた所もあるんですから」
「まぁな。 でも、今日は仕方ねぇだろ。 望達が大変な事になっていたんだからさ。 金に関しては考えてる余裕なんて無かったの」
「まぁ、確かにそこは仕方なかった事ですもんね。 いいですよ。 僕が給料日まで和也さんの面倒見て上げますから」

 そう笑顔で言う裕実に和也の方も笑顔になるのだ。
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