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ー空間ー176
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そう言うと慌てた様子で望は電話を切って処置室の前へと急ぐのだ。
ストレッチャーで出てきた雄介。 そこに望は追い付くと、いつもの癖かのように、
「桜井さんの容態は?」
と聞いてしまっていたのだが、そんな望に看護師さんの方は気を止める事はなく、軽くクスクスとはしたものの、
「大丈夫ですよ。 傷の方はそんなに深くはありませんでしたが、切られた範囲が広かったっていうところでしょうか。 それで出血量は多かったみたいで今輸血までしましたから」
「望なぁ、そんなに心配せぇへんでも大丈夫やって! 俺の方は望が居るんやったら永遠に不死身やしな」
そうストレッチャーの上で言っているのだから望は下へと視線を向けると今度は真面目な表情で、
「あのなぁ、人間っていうのは不死身なんて事はねぇの。 ただ単にお前の避け方が上手かったから傷口が浅くて済んだだけだろ?」
何気ない望の言葉に雄介は軽く微笑む。
そして雄介は今度看護師さんの方に視線を向けて、
「もう、看護師さんええで、後は通院すればええねんやろ?」
雄介はそう言いながらストレッチャーの上へと半身を起こすのだ。
「まぁ、先生もそう言っておられましたし、いいんですが……でも、病院で少し様子を見られた方がいいのではないんでしょうか?」
「そこは大丈夫やって! 俺の連れが医者やしな。 何かあったらコイツに頼むし、ほな、また、今度……」
そう雄介は看護師に告げると今まで死んでいたのが嘘かのようにストレッチャーから身軽に降りてくる。 そして望の背中を押して病院から出て行くのだ。
そして今度はタクシーを呼んで再び空港の方へと向かう二人。
てっきり望は雄介の家に向かうのかと思っていたのだが、雄介がタクシーの運転手さんに告げた場所は空港だった。
そこに疑問に思う望。
「何で行き先が空港なんだ?」
ストレッチャーで出てきた雄介。 そこに望は追い付くと、いつもの癖かのように、
「桜井さんの容態は?」
と聞いてしまっていたのだが、そんな望に看護師さんの方は気を止める事はなく、軽くクスクスとはしたものの、
「大丈夫ですよ。 傷の方はそんなに深くはありませんでしたが、切られた範囲が広かったっていうところでしょうか。 それで出血量は多かったみたいで今輸血までしましたから」
「望なぁ、そんなに心配せぇへんでも大丈夫やって! 俺の方は望が居るんやったら永遠に不死身やしな」
そうストレッチャーの上で言っているのだから望は下へと視線を向けると今度は真面目な表情で、
「あのなぁ、人間っていうのは不死身なんて事はねぇの。 ただ単にお前の避け方が上手かったから傷口が浅くて済んだだけだろ?」
何気ない望の言葉に雄介は軽く微笑む。
そして雄介は今度看護師さんの方に視線を向けて、
「もう、看護師さんええで、後は通院すればええねんやろ?」
雄介はそう言いながらストレッチャーの上へと半身を起こすのだ。
「まぁ、先生もそう言っておられましたし、いいんですが……でも、病院で少し様子を見られた方がいいのではないんでしょうか?」
「そこは大丈夫やって! 俺の連れが医者やしな。 何かあったらコイツに頼むし、ほな、また、今度……」
そう雄介は看護師に告げると今まで死んでいたのが嘘かのようにストレッチャーから身軽に降りてくる。 そして望の背中を押して病院から出て行くのだ。
そして今度はタクシーを呼んで再び空港の方へと向かう二人。
てっきり望は雄介の家に向かうのかと思っていたのだが、雄介がタクシーの運転手さんに告げた場所は空港だった。
そこに疑問に思う望。
「何で行き先が空港なんだ?」
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