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ー空間ー158

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 和也は今まで望達の事が心配で気を張っていたのだが、アナウンサーの情報だと機内にいる人達は無事だという事を聞いて安心してしまったのか体からは力が抜けてしまったようで床へと座ってしまう。

 だが、そのアナウンサーはまだハイジャック犯の事について情報を述べていた。

『先程の一人の人間は殺人を犯し、今もまだ警視庁の方でも追っていた人物だそうです』

 それに反応した和也はもう一度、画面に出ている男の写真を見上げる。 どうりでさっき見た時も見覚えがあるなぁ。 と思っていたのかもしれない。

「どうりでさっき俺にぶつかってきた犯人は見覚えがあるなぁ? って思ってたんだよな。 そういや、ニュースじゃあ何回も見た事あったみたいだな。 しかし、あれだよなぁ、あの時、俺達がその犯人の事に気付いていて、そこで犯人を捕まえていたら、望達は今頃、あんな事に巻き込まれてなかったのかもしれぇんだけどな」

 そう和也は悔しそうに言葉を漏らす。

「和也さんのせいじゃないですよ。 だって、犯人の方は一人ではなく、四人もだったんですからね。 例え、和也さんが、一人犯人の事を捕まえられていたとしても、三人で犯行を行っていたと思いますしね」

 そう裕実は和也にフォローしながら微笑む。

「そうだな。 確かに裕実の言う通りだよな。 それにもう起きちまった事だし、俺がここで悔しがっていても仕方がねぇんだよな。 裕実、とりあえずフォローありがとうな」

 和也は立ち上がると地に足を付け、しっかりとした足取りで立ち上がり裕実の肩へと手を置くのだ。

「それに、今のところは雄介が頑張ってくれてるみたいだし。 とりあえずは雄介に任せてもなんか平気そうだしさ。 俺達は望達が助かるのを見守ってる事しか今は出来ないんだしな。 とりあえず今は無事に着陸出来るまで待ってるしかないか」
「はい!」

 和也はそう言うと再びテレビ画面の方に視線を移す。

 その頃、飛行機内では雄介はあの犯人を捕まえた後にフライトアテンダントに声を掛け操縦席のドアを開けるようにとお願いしていた。 操縦席の方に入るには暗証番号が必要でフライトアテンダントに開けてもらうか、暗証番号を聞かなければ開ける事が出来ないのだから。
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