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「この二人は仲がいいみたいだからな。 コイツを俺の盾にしておけば、俺には手出し出来ねぇだろ? なら、コイツを人質に取る。 お前は他の奴の監視をしてろ」
どうやら背が低い男の方が背の高い奴の手下のようだ。 背が低い男はその男の指示に従っていたのだから。
そして望を人質に取った犯人は左側の一番後ろの窓側の席へと座ると望をその右側へと座らせ完全な人質の盾状態にしてしまう。
一方、雄介の方は背が低い男に捕らえられ手が使えないようにと後ろ手に紐のような物で結ばれてしまい一番後ろの席へと座らせるのだ。
狭いファーストクラスの席というのは、そんなに座席数というのはない。 だからなのか望を盾にしている犯人と雄介は監視下に置きたかったのか少し離れてはいるものの雄介と望の席は隣同士になっている。
雄介の方は何か助かる手段はないかと一人で考えようとしたのだが、急に雄介の隣に座っている人物に声を掛けられるのだ。
「桜井さん……僕のこと覚えていらっしゃいますか?」
確かに犯人が横にいるのだから小声で声を掛けられたのだが、何か考え事に没頭していた雄介はその小さな声でも体をビクつかせてしまう。
しかし今、雄介に声を掛けて来た人物は雄介の苗字を知っていた。 寧ろ雄介の事を知っているという人物だという事だろう。
雄介はフッと声を掛けてきた人物の方へと視線を向ける。
その人物が視線へと入ってくると、
「あー!」
と思わず声が出てしまった。 だが、その直後にその人物に雄介は口を塞がれてしまう。
とりあえず雄介以外の乗客はまだ縛られてはいないようだ。
「しっ! 静かにして下さい! 犯人にバレてしまいますよ。 貴方が僕の事を覚えてくれていただけでも違いますから」
「ん? あ、ああ……白井さんやろ?」
雄介の方はその白井に口を塞がれていた状態だったのだが、その隙間から小さな声で言うのだ。
だが、今、雄介は『白井さん』と口にしていた。 そう前に会った時は刑事だったのだから『白井刑事』と言いそうになったのを雄介は止めたらしい。 ここで刑事という言葉が出てしまってはマズイとでも思ったのであろう。
「そうですよ。 あの事件以来会ってなかったのによく僕の事覚えていっらしゃいましたね」
「まぁ、あの事件は俺からしてみたら忘れられへんしな。 とりあえず、あの事件以降、アイツとは仲が戻ったしええかな? とは思っておるんやけど」
「そうだったんですかぁ、ですが、今は世間話をしている場合ではありません。 とりあえず、僕たちが助かる方法を探らなくてはならないと思うのですが。 とりあえず、僕の方は今までの事をメモをしてはいるんですけどね」
雄介は白井が真面目になったと同時に雄介の方も真面目になったようだ。
「あんな、とりあえず、犯人達に見つからないように俺の紐を外してくれへんかな? そしたら、俺も動けるようになるし」
「確かにそうですね。 先ずは縛ってある紐を解いてからじゃないと何も出来ませんからね」
そう白井は言うのだが、何かを考えているのか顎に手を当ててしまうのだ。
雄介に結ばれている紐でも見ているのであろうか。
とりあえず結ばれている紐というのは、そう簡単には外れないようになっていた。 まぁ、確かにそう簡単に外れてしまっては意味がないからなのかもしれないのだが。
どうやら背が低い男の方が背の高い奴の手下のようだ。 背が低い男はその男の指示に従っていたのだから。
そして望を人質に取った犯人は左側の一番後ろの窓側の席へと座ると望をその右側へと座らせ完全な人質の盾状態にしてしまう。
一方、雄介の方は背が低い男に捕らえられ手が使えないようにと後ろ手に紐のような物で結ばれてしまい一番後ろの席へと座らせるのだ。
狭いファーストクラスの席というのは、そんなに座席数というのはない。 だからなのか望を盾にしている犯人と雄介は監視下に置きたかったのか少し離れてはいるものの雄介と望の席は隣同士になっている。
雄介の方は何か助かる手段はないかと一人で考えようとしたのだが、急に雄介の隣に座っている人物に声を掛けられるのだ。
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確かに犯人が横にいるのだから小声で声を掛けられたのだが、何か考え事に没頭していた雄介はその小さな声でも体をビクつかせてしまう。
しかし今、雄介に声を掛けて来た人物は雄介の苗字を知っていた。 寧ろ雄介の事を知っているという人物だという事だろう。
雄介はフッと声を掛けてきた人物の方へと視線を向ける。
その人物が視線へと入ってくると、
「あー!」
と思わず声が出てしまった。 だが、その直後にその人物に雄介は口を塞がれてしまう。
とりあえず雄介以外の乗客はまだ縛られてはいないようだ。
「しっ! 静かにして下さい! 犯人にバレてしまいますよ。 貴方が僕の事を覚えてくれていただけでも違いますから」
「ん? あ、ああ……白井さんやろ?」
雄介の方はその白井に口を塞がれていた状態だったのだが、その隙間から小さな声で言うのだ。
だが、今、雄介は『白井さん』と口にしていた。 そう前に会った時は刑事だったのだから『白井刑事』と言いそうになったのを雄介は止めたらしい。 ここで刑事という言葉が出てしまってはマズイとでも思ったのであろう。
「そうですよ。 あの事件以来会ってなかったのによく僕の事覚えていっらしゃいましたね」
「まぁ、あの事件は俺からしてみたら忘れられへんしな。 とりあえず、あの事件以降、アイツとは仲が戻ったしええかな? とは思っておるんやけど」
「そうだったんですかぁ、ですが、今は世間話をしている場合ではありません。 とりあえず、僕たちが助かる方法を探らなくてはならないと思うのですが。 とりあえず、僕の方は今までの事をメモをしてはいるんですけどね」
雄介は白井が真面目になったと同時に雄介の方も真面目になったようだ。
「あんな、とりあえず、犯人達に見つからないように俺の紐を外してくれへんかな? そしたら、俺も動けるようになるし」
「確かにそうですね。 先ずは縛ってある紐を解いてからじゃないと何も出来ませんからね」
そう白井は言うのだが、何かを考えているのか顎に手を当ててしまうのだ。
雄介に結ばれている紐でも見ているのであろうか。
とりあえず結ばれている紐というのは、そう簡単には外れないようになっていた。 まぁ、確かにそう簡単に外れてしまっては意味がないからなのかもしれないのだが。
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