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ー空間ー147
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雄介はそのアナウンスと同時に望に声を掛ける。
「な、なぁ、望……トイレに行かへんか?」
そう雄介は望に誘うのだが、それは、もちろん下心があってのお誘いで明らかに顔をにやつけさせながら言っていたのだから望の方はいつものように断ってしなっていた。
「そんなににやにやしてる時に、トイレなんかに行くかよ!」
そうため息混じりに呟くように言うと、
「そんなニヤつきながら言ったら下心見え見えだっつーの!」
とまで付け足して言う望。 そして望は右手で雄介の事を席の方へと押し戻す。
「ええやんかぁ、こういう事出来るのは今日とか明日までなんやからさぁ、なぁ、望って」
「そんな甘えた声出したってダメなもんはダメなんだよっ!」
そう言うと望は雄介の声とかが入って来ないようにと近くにあったヘッドフォンを耳にすると聞こえないようにしてしまったようだ。
流石に望にそこまでやられてしまうと、もう雄介の方は望に手出し出来ないと思ったのか雄介の方も仕方なく椅子へと体を預けてのんびりとし始めるしかなくなってしまったようだ。
雄介はのんびりとしていた筈だったのだが、何だか周りが気になる気配がしたようで辺りをキョロキョロと見渡し始める。
今日は土曜日という事もあって客席の方も大分埋まっているという感じで安定飛行になってからは、みんなそれぞれの時間を過ごしていた。
その中で雄介の座席から右後方で何やら手荷物を漁っている人達が目に入る。
それを目撃した雄介はこう何かを感じてしまったようだ。
こう第六感でというものが働き始めたのかもしれない。
雄介はいきなり望の手を取ると後方にあるトイレへと向かう。
「……って、人がのんびりしてる時にいきなりなんだっていうんだ!?」
そう望からお叱りの声を受けていたのだが、今の雄介にはどうやらその望の言葉は耳には入っていないようで何も話さずに一目散に望と一緒にトイレへと入り込む。
「ちょ、いい加減にしろよっ! なんだ? 俺がお前の事を無視するから我慢出来なくなって俺の返事を待たずに俺の事をトイレへと連れ込んだ! って言うんじゃねぇんだろうな?」
望はそう言いながら雄介の事を睨みあげる。
そんな事を言われるなんて雄介からしてみたら予想の範疇だったのであろう。 だが今の雄介はそんな所ではないようだ。 笑いながらも、
「ハハハ……まぁ、まぁ、そういう事やんな。 流石に望が隣におると我慢出来なくなってもうて、あ、まぁ、それで望の事を連れて来てもうたって訳やんな」
とりあえず、まだ、あくまで雄介の第六感なだけで確信ではない。 何かを察して雄介は望のことをトイレへと連れて来ただけなのだから今はとりあえず望の話に話を合わせるという事しか出来なかったようだ。
そうだ。 兎に角今はその第六感というのが外れてくれていたら? とでもいいとでも思っているのかもしれない。 あくまで今は本当に雄介の勘だけだからだ。 だからなのか、そう簡単には望にも話しが出来ないという所だろう。
「な、なぁ、望……トイレに行かへんか?」
そう雄介は望に誘うのだが、それは、もちろん下心があってのお誘いで明らかに顔をにやつけさせながら言っていたのだから望の方はいつものように断ってしなっていた。
「そんなににやにやしてる時に、トイレなんかに行くかよ!」
そうため息混じりに呟くように言うと、
「そんなニヤつきながら言ったら下心見え見えだっつーの!」
とまで付け足して言う望。 そして望は右手で雄介の事を席の方へと押し戻す。
「ええやんかぁ、こういう事出来るのは今日とか明日までなんやからさぁ、なぁ、望って」
「そんな甘えた声出したってダメなもんはダメなんだよっ!」
そう言うと望は雄介の声とかが入って来ないようにと近くにあったヘッドフォンを耳にすると聞こえないようにしてしまったようだ。
流石に望にそこまでやられてしまうと、もう雄介の方は望に手出し出来ないと思ったのか雄介の方も仕方なく椅子へと体を預けてのんびりとし始めるしかなくなってしまったようだ。
雄介はのんびりとしていた筈だったのだが、何だか周りが気になる気配がしたようで辺りをキョロキョロと見渡し始める。
今日は土曜日という事もあって客席の方も大分埋まっているという感じで安定飛行になってからは、みんなそれぞれの時間を過ごしていた。
その中で雄介の座席から右後方で何やら手荷物を漁っている人達が目に入る。
それを目撃した雄介はこう何かを感じてしまったようだ。
こう第六感でというものが働き始めたのかもしれない。
雄介はいきなり望の手を取ると後方にあるトイレへと向かう。
「……って、人がのんびりしてる時にいきなりなんだっていうんだ!?」
そう望からお叱りの声を受けていたのだが、今の雄介にはどうやらその望の言葉は耳には入っていないようで何も話さずに一目散に望と一緒にトイレへと入り込む。
「ちょ、いい加減にしろよっ! なんだ? 俺がお前の事を無視するから我慢出来なくなって俺の返事を待たずに俺の事をトイレへと連れ込んだ! って言うんじゃねぇんだろうな?」
望はそう言いながら雄介の事を睨みあげる。
そんな事を言われるなんて雄介からしてみたら予想の範疇だったのであろう。 だが今の雄介はそんな所ではないようだ。 笑いながらも、
「ハハハ……まぁ、まぁ、そういう事やんな。 流石に望が隣におると我慢出来なくなってもうて、あ、まぁ、それで望の事を連れて来てもうたって訳やんな」
とりあえず、まだ、あくまで雄介の第六感なだけで確信ではない。 何かを察して雄介は望のことをトイレへと連れて来ただけなのだから今はとりあえず望の話に話を合わせるという事しか出来なかったようだ。
そうだ。 兎に角今はその第六感というのが外れてくれていたら? とでもいいとでも思っているのかもしれない。 あくまで今は本当に雄介の勘だけだからだ。 だからなのか、そう簡単には望にも話しが出来ないという所だろう。
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