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ー空間ー114

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「望……何処に!?」

 そう雄介が望に声を掛けた直後、望は雄介の事を睨むようにして見上げる。

「ただのトイレだよ。 そんな事までお前に言わなきゃなんねぇのか?」
「あ、ああ、スマン。 そんな事も気付かへんで。 せやけどな、なんやろ? さっきの望の態度が気になってな。 ん、まぁ、このまま手を離してまったら、離れて行ってしまいそうな感じがして、ほんで、どっかに行ってしまいそうな感じがしとったから、付いて来たって言うんかな?」

 そう言いながら雄介は頭を下げていたのだが、雄介は頭を上げると瞳を潤ませた望の瞳が視線に入ってくる。

「へ? あ……ちょ、え!? 急にど、どないしたん?」

 望は雄介と視線が合ってしまい気まずくなったのか、すぐに話を変えてしまい、

「な、なんでもねぇから、と、とりあえず、その手離してくれねぇかな? 本気でトイレに行きたいんだからさ」
「ちょ、でもな、今はなんていうか、この手離したくないんやけ…。 だってな、望がその……瞳を潤ませてる理由を聞くまではな」

 そう言うと雄介は望の手を取りトイレには向かったのだが、雄介はそのまま個室へと向かうのだ。

 そして個室へと入ると雄介は正面から望の事を抱き締める。

「やっと二人きりになれたなぁ。 望はさっき俺が言うてた事、気にしておるんやろ? 『素直な方がええな』って言葉にな。 ほんで、それを聞いた望は、切なくなってもうたって所なんかな?」

 望はそれを聞いて雄介に言い当てられてしまいビックリとしたような表情をしながら雄介の胸の中におさまっていた。

 そして雄介は言葉を続ける。

「それで、望の事を傷つけておったんなら、ゴメン。 せやけど、さっきのはノリみたいなもんで、本気ではそうは思ってはないかんな? ま、とりあえず、俺はホンマに望一筋やし、ホンマのホンマに望の事だけが好きなんやし、そこは、ホンマに安心して」

 そう雄介は望の肩に両手を付け望に向かい真剣な眼差しで話す。

 そして望はひと息吐くと、
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