【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
447 / 2,140

ー空間ー112

しおりを挟む
 その言葉を聞いて和也の方はやっと肩の荷が下りたのか大きく息を吸い込み大きく息を吐く。

「ああ。 望、ゴメン……それとありがとうな」
「ああ」

 その言葉に対して望の方も笑顔になる。

「それと、雄介にも謝らないとな」

 今度、和也は雄介の方へと顔を向けると、

「本当に雄介が望の事好きだっていうの分かっていて、先に望の事抱いてしまってさ」

 和也はそう言うと雄介の方にも向かって頭を下げる。

「あ、ああ、まぁ、いつまでもそないな事考えてないでええよ。 だってな、和也には色々と助けられた事もあったし、ほんでもって、その和也のおかげで俺等はこうして今でもラブラブでいられるんやもんな。 こっちが感謝してるくらいだわぁ」
「あ、うん……そうだったな。 まぁ、これからだって、俺の方は変わらないけどな。 ま、また、喧嘩とかしたらフォローとかしてやるし!」
「ああ! そん時には任せるわぁ、コイツは素直じゃないしなぁ。 まだ、俺の方は望の事分かってへんし、また、そんな時があったらな……そん時にはまた宜しくなぁ」

 雄介にもそう言われえて和也の方はホッとしたのであろう。 今度はいつもの調子に、

「そん時は教えてやるよ。 今だって、望の奴、すっげぇ、照れてるけど、お前の事すっげぇ好きなんだぜ」
「おう……知っとる。 実はさっきな」

 そう雄介がさっきメニュー表を見ている時の事を言おうとしているのを悟ったのか望は雄介の横から雄介の口を両手で塞ぐのだが、

「ぁー! ぁ、せや……からな……」

 それでも雄介の声は望の手の隙間から聴こえてくる。

「こんな事までして、お前はその事を言おうとしてるのかっ!」

 そこまで望に言われても御構い無しという感じなのであろう。 雄介は言葉を続ける。

「さ……っきな……ギュッって……してくれてたんやって……」

 逆に望が雄介の口を塞いでしまっていた事で結構重要な部分が聞こえていなかったらしく、

「ん? ん?? 何? 望に雄介のアソコをギュッとされた?」
「馬鹿っ! 違ぇよ!」

 望はその和也の言葉にそう即答する。

「へ? じゃあ……まさか!? ケツ?」
「違げぇからっ!」

 望はそこでもう諦めたのか雄介から離れて席へと座ると和也から視線は外すものの、

「手だ! 手をだ!」

 と言うのだ。

 そんな望の様子を見て雄介と和也はクスリと笑う。

 そういうような話をしているうちに注文した料理が運ばれてきたらしく四人は食べ始めるのだ。

 初めてプライベートで話をしている四人。

 やはり、そこは仕事をしている自分達の姿ではなく素で話せるという仲間なのであろう。

「ホント、望さんって、仕事とプライベートでは違うんですねぇ」
「っ……! お前はまだそれを言うのかっ!」

 望の方も、そういう風に言ってくる裕実に和也や雄介とは同じような態度を取るようにしてきているのか裕実の事を軽く睨むのだ。

「裕実も雄介達みたいに俺からの攻撃を受けたいのか?」

 そう半分は冗談で言っている望。

「ご、ごめんなさーい……も、もう言いませんから」

 裕実の方はそんな望に対して半分泣きそうな顔で見つめているのだから。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

騎士は魔王に囚われお客様の酒の肴に差し出される

ミクリ21
BL
騎士が酒の肴にいやらしいことをされる話。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

処理中です...