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ー空間ー84

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「わ、分かりました!! 和也さんの為なら、ぼ、僕……頑張らせていただきますから……!」

 そう裕実は緊張しているのか言葉を詰まらせながら、ゆっくりと和也のモノを口へと咥える。

 だが、はやり初めてというだけあってか和也のモノを口に含むというだけで後は何もしない裕実。

「あー、そっか……裕実はやった事なかったんだっけな? それと、そういう系のDVDも見た事なさそうだもんな。 ま、いいや……口の中に入れたら動かさないと意味ないんだぜ……それと、舌も使ってな」

 それを和也に聞いて裕実は和也のモノから一旦離れると、

「う、動かすんですか?」
「あ、ああ。 やっぱり、知らないよな?」
「とりあえず、そういうDVDも僕は見た事もありませんし、女性とも付き合った事もないですからね」
「ま、まぁ、さっきも言ったけどさ、指示出すからやってみてくれよな」

 和也はそう意地悪そうな表情をしながら裕実に言うのだ。

 すると裕実の方は、

「分かりました」

 と言い再び和也のモノを口に含むのだ。

 和也はフッと思う。 和也の口調は普通の喋り方なのだが、裕実は誰に対しても敬語口調だ。 せめて自分にはもっと普通の言葉で喋ってもらいたい所なのだが、きっと、それが裕実の癖みたいなもんなんだろう。 だから、そこは仕方無いとして。 裕実が敬語口調だと主従関係みたいな感じがしてしまう。 だが自分達の関係はそんな関係ではない。 だから、そこは、やはり平等がいいと思ってしまう和也。

 恋人の関係に上下関係なんか関係ない。

 いや、そこには愛があるからだ。

 主従関係には愛はないのかもしれないのだが、恋人関係には愛がある。

 だから敬語口調な裕実でも和也が愛情たっぷりに裕実の事を愛せば恋人関係だ。

 自分達の関係はそうなのだから愛情を裕実には注ぐ事にしよう。
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