【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー空間ー2

　今日からこの部屋では和也と二人きりだ。　本来なら、ここの部屋は二人きりの所なのだが、ある時は四人もいたのだから賑やかだったのだけど今は二人しかいない部屋になってしまったのだから静かになったようにも思える。

　雄介が帰ってしまったあの日。　和也は裕実に告白をし、それからの二人は望に見せつけるかのように毎日のように部屋でイチャイチャとしていたのだが今はそれもない。

　今日からは裕実の方も和也の下で働くのではなく違う医者の所で働き始めた。

「うーつまんねぇの……」

　と和也は携帯でゲームでもしているのか携帯の画面を見ながらそうぼやく。

「まぁ、和也の場合にはいいじゃねぇか、会おうと思えば会えるんだからさ」

　やはり、あーだこーだ言う望だって雄介がいないのは寂しいのであろう。　和也に対してだって愚痴を零してしまう位なのだから。

「まぁーなー」

　そう答える和也の方は、やはり何か余裕がありそうだ。

「俺の方はもう会いたくても簡単に会える距離じゃねぇんだよ、そんな事でだらけてんじゃねぇよ」
「ふーん……そんな風に言うようになったんだな。　望も……」

　そんな風に愚痴る望に和也は弄り始める。

「やっと、分かったんだな、恋人がいない寂しさってやつがさ」
「うるせぇ……」

　望はその和也の言葉に和也から視線を外すのだ。

　和也は望とは長年一緒にいるだけあって望の性格に関しては知っているつもりだ。　だから恋愛に関して望の事を弄ると面白いという事を知っていた。