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ー天災ー128
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雄介が来てから十日位経ったある日の夜。
みんなでソファで話をしていた。
いつものように望の隣には雄介、和也の隣には裕実というメンバーで話をしていると、突然、真面目な顔して雄介は望の方へと視線を向ける。
「な、望……」
急に振られて、目をキョトンとさせている望。
「……へ? あ、あー」
そう真剣な瞳で言われたら、もう何となく、予想がついたのか望は雄介から視線を反らす。
「屋上に行かへんか? 今日は望と二人きりで話したいんやけど……」
「え? あー、そうだなぁ」
そう答えている間、和也は何やらニヤニヤとしていたのだが、そう真剣に雄介に言われると、多分、雄介はもう帰ってしまう事を言うのであろう。
だが気になるのは和也の表情だ。
真剣な話なのに、和也は何故、そんなにニヤニヤとしていられるのであろうか?
だからなのか望は急に否定の声を上げる。
「あー、別にいいかな?」
「ん? それって、どっちの意味やねん」
「あー、別に行かないって事……」
確かに雄介と二人きりの時には結構、望は素直になってきたつもりだったのだが、和也とか他の人達がいると未だに素直になれない望。
「せっかく、なんだし、二人きりになって来いよ。 お前達にはもうあまり時間がないんだろ? 部屋じゃ、俺達もいるんだし、せっかく、雄介が誘ってるんだからさ、その時間が勿体ないと思うぜ……」
今度はそう真剣な瞳で言って来る和也。
「ですよね。 僕ならそうしますよ……」
と今度は裕実の方も乗っかってくる。
確かに裕実は雄介と望が恋人だという事を知った人物ではあるのだが、まさか、この話に裕実まで乗っかってくるとは思わなかったというところだろう。
「だって、好きな人がまた遠くに行ってしまうんですから、それだったら、僕は二人きりの時間を作って、一緒にいたいって思いますもん……」
そんな事を言いながら裕実というのは、こう乙女チックなのか? 両手を組んで天井を見上げている。
そんな裕実の押しに望は頭を抱えそうになったのだが、
「なぁ、裕実の言う通りだぜ。 俺だって、きっと、恋人と離れ離れになるんだったら、二人だけの時間が欲しいと思うしさ、なら、行って来いよ」
「逆にうじうじとしている時間が勿体無いですよっ!」
裕実はそうい言うと立ち上がり望の背中を押して雄介と望を部屋から追い出すのだ。
完全に裕実に追い出された雄介と望。
雄介の方も裕実に追い出されるとは思っていなかったのであろうか? 部屋の外へと出された途端、息を吐く。
「ま、追い出されてもうたし、とりあえず、屋上行こ」
そう雄介は言うと今度は望の背中を押して屋上へと向かうのだった。
その途中、望の口から、
「もう、帰るんだろ?」
「え? あ、まぁ、そういう事なんやけどな……」
「別に部屋を出る必要はなかったんじゃねぇのか?」
「あ、いや、でもな……ほら、裕実も和也も言うてたやんか、だから、俺的にも二人だけの時間が欲しかったんやって」
その言葉の後、少しだけ望は黙っていると、
「なぁ、それだと、あの二人に押されたからって」
「……!? そうやな……」
そう雄介は少し黙ると屋上へと続く階段の途中で足を止め真剣な表情で望の視線へと合わせ、
「今の俺は、ホンマに望と二人きりでおりたい気分やねんって……せやから、付きあってくれへんか?」
その真剣な瞳に望は一瞬時が止まったかのように雄介の事を見ていたのだが、急に体が熱くなったのか顔を赤くしたまま雄介から視線を反らしてしまう。
みんなでソファで話をしていた。
いつものように望の隣には雄介、和也の隣には裕実というメンバーで話をしていると、突然、真面目な顔して雄介は望の方へと視線を向ける。
「な、望……」
急に振られて、目をキョトンとさせている望。
「……へ? あ、あー」
そう真剣な瞳で言われたら、もう何となく、予想がついたのか望は雄介から視線を反らす。
「屋上に行かへんか? 今日は望と二人きりで話したいんやけど……」
「え? あー、そうだなぁ」
そう答えている間、和也は何やらニヤニヤとしていたのだが、そう真剣に雄介に言われると、多分、雄介はもう帰ってしまう事を言うのであろう。
だが気になるのは和也の表情だ。
真剣な話なのに、和也は何故、そんなにニヤニヤとしていられるのであろうか?
だからなのか望は急に否定の声を上げる。
「あー、別にいいかな?」
「ん? それって、どっちの意味やねん」
「あー、別に行かないって事……」
確かに雄介と二人きりの時には結構、望は素直になってきたつもりだったのだが、和也とか他の人達がいると未だに素直になれない望。
「せっかく、なんだし、二人きりになって来いよ。 お前達にはもうあまり時間がないんだろ? 部屋じゃ、俺達もいるんだし、せっかく、雄介が誘ってるんだからさ、その時間が勿体ないと思うぜ……」
今度はそう真剣な瞳で言って来る和也。
「ですよね。 僕ならそうしますよ……」
と今度は裕実の方も乗っかってくる。
確かに裕実は雄介と望が恋人だという事を知った人物ではあるのだが、まさか、この話に裕実まで乗っかってくるとは思わなかったというところだろう。
「だって、好きな人がまた遠くに行ってしまうんですから、それだったら、僕は二人きりの時間を作って、一緒にいたいって思いますもん……」
そんな事を言いながら裕実というのは、こう乙女チックなのか? 両手を組んで天井を見上げている。
そんな裕実の押しに望は頭を抱えそうになったのだが、
「なぁ、裕実の言う通りだぜ。 俺だって、きっと、恋人と離れ離れになるんだったら、二人だけの時間が欲しいと思うしさ、なら、行って来いよ」
「逆にうじうじとしている時間が勿体無いですよっ!」
裕実はそうい言うと立ち上がり望の背中を押して雄介と望を部屋から追い出すのだ。
完全に裕実に追い出された雄介と望。
雄介の方も裕実に追い出されるとは思っていなかったのであろうか? 部屋の外へと出された途端、息を吐く。
「ま、追い出されてもうたし、とりあえず、屋上行こ」
そう雄介は言うと今度は望の背中を押して屋上へと向かうのだった。
その途中、望の口から、
「もう、帰るんだろ?」
「え? あ、まぁ、そういう事なんやけどな……」
「別に部屋を出る必要はなかったんじゃねぇのか?」
「あ、いや、でもな……ほら、裕実も和也も言うてたやんか、だから、俺的にも二人だけの時間が欲しかったんやって」
その言葉の後、少しだけ望は黙っていると、
「なぁ、それだと、あの二人に押されたからって」
「……!? そうやな……」
そう雄介は少し黙ると屋上へと続く階段の途中で足を止め真剣な表情で望の視線へと合わせ、
「今の俺は、ホンマに望と二人きりでおりたい気分やねんって……せやから、付きあってくれへんか?」
その真剣な瞳に望は一瞬時が止まったかのように雄介の事を見ていたのだが、急に体が熱くなったのか顔を赤くしたまま雄介から視線を反らしてしまう。
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