【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
216 / 2,140

ー天災ー38

しおりを挟む
 ほらなせっかく二人で一緒に住めるようになった矢先やったやんか、だから、その、俺が言えんかったっていうのが確かに悪い、そこは許してくれとは言わんし。 流石に俺やって、こないな風に望と別れるとは思うとらんかった。 望にこの事言えんかった俺のせいでもあるしな。 もし、今度、本当に春坂または東京とか近場に来る事があったら、真っ先に望の所に行くしなっ! そう、確かに今回はこんな形で離れてしまう事になってもうたけど、俺はお前が好きな気持ちは絶対に変わへん! これだけはホンマのホンマに好きやって言い切れるわぁ。 ほな、また。 雄介』

 そう手紙には雄介の直筆で書いてあった。

 確か前にもこんな事があったような気がする。

 そう前に初めて雄介がここに来た時に喧嘩してというのか話がすれ違ってしまっていて喧嘩みたいな事になっていて、その時にも雄介は望に手紙を残していた。

「そういう事だったのかよ」

 そう独り言を呟く望。

 あの日、望と雄介はレストランで食事をした時から雄介の様子はおかしかった。

 確かに雄介は望に何か隠し事をしていたのは間違いなかったような気がするのだが、望の性格上それを問う事も出来ずにそのままになっていた事だ。

 あの時、望は雄介に恋人でも出来たのか。 と思ってしまったのだが実はこういう事だったらしいと雄介の手紙で気付く。

 でも手紙なんかより、こういう事は本人の口から直接聞きたかったというのが本音なのかもしれない。

 これからまた雄介がいない日々が続く。

 もう温もりとかっていう問題ではない。

 雄介はもうここには戻って来れないと思った方が気が楽なのかもしれない。

 そりゃ恋人なのだから戻って来て欲しいという気持ちは十分あるのだけど雄介の仕事上は無理な事だろう。

 望はフッと周りに視線を向ける。 それと同時に出てきたのは雄介との思い出だ。

 ここで笑いながらテレビを二人で見ていた事もあった。 抱き締められた事だってあった。 髪を拭いてもらう事だってあった。 寧ろ望がお風呂に入ってからの恒例になってしまっていたようにも思える。

 そうだ、たった少しの間だったけど、ここには雄介との思い出がある場所だ。

 でもまだ何だか雄介がいなくなった事に実感が湧かないのは、きっと今までが今までだったからなのかもしれない。

 そう毎日のように雄介には会っていなかったからだ。 すれ違いな生活が二人にとって当たり前だったのだから自然過ぎて雄介がいなくなったって事を実感するには時間が掛かるだろう。

 だからもう明日には、この家に雄介が帰って来るような気がするのは気のせいなのであろうか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...