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ー記憶ー113

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 雄介は望の部屋を飛び出してリビングへと向かったのだが、そこにはもう和也の姿はなかった。

 雄介は望の記憶が元に戻るまで、もうここには来ないという事を誓い車にエンジンを掛けると、それと同時に和也へと電話をする。

「あ、和也か? あんなぁ、暫く、お前が望の側に居てくれへんか? スマンがしばらくの間、俺……望と離れる事にしたんだわぁ」

 そんな風に言う雄介。 急にどうしたというところなんであろうか。

 ついこの間まで望に従兄弟だっていう嘘までついて望の側にいると言っていた筈なのに今の電話では暫く離れると言っていたのだから。

 和也はそういう風に疑問に思った事を雄介にぶつけてみる。

『いったい、どうしたっていうんだよ』
「今はその……理由聞かへんでもらえるか? ほな……」

 たったそれだけを和也に残し雄介は自分の家へと向かうのだ。



 それから二週間経っても和也からは望の記憶が戻ったという知らせはない。

 未だに望の記憶が戻らないある日。

 雄介の元にレスキュー隊になれるという入隊通知が来ていた。
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