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ー記憶ー34

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「それに望のがあるんやから、車ニ台もいらんやろ? 車ニ台もあったら一緒に乗れへんやんか」
「ま、それも、そうだよな」

 そう望は納得すると、

「じゃあ、俺はこれで帰るな」

 和也はそう二人の邪魔にならないようにその場をそう言って去っていく。

「じゃあ、俺達の方も行くか?」
「せやな」

 この前まで全然話さえもしなかった二人なのだが、今日は二人共自然と会話をして望の車が置いてある駐車場へと向かうのだ。

「今日はまだ時間があるみたいだから、スーパーにでも寄って行くか?」
「ええねぇ、ほなら、今日は俺が料理作ったるな!」
「おぉ! ってお前って料理って作れるんだな」

 そうふざけながらも意外そうな声を上げる望。

「なんやねん、その口ぶりは!」
「だってよ。 そのままじゃねぇか。 意外は意外なんだからよ」
「ま、確かになそうなのかもしれへんけど! そうそう! 料理は実家にいる頃からちょいちょい作ってはいたんやけど、ほら、こっち来て俺一人暮らしになったし、仕事上、栄養のバランスも考えなきゃアカンやろ? そんで、覚えていったって訳なんやな」
「あ、ああ、そういう事な」

 雄介の言葉にまた納得している望。

 そう会話をしながら車へと向かう二人。 そして車へと乗り込むのだ。

「せやから、自分でやらなきゃって思ったって訳やんな」
「だよな。 普通そういうもんだよな。 んじゃあ、この前のコンビニ弁当はまずかったのか?」
「別に、そこはええねんけど、まぁ、コンビニ弁当はたまにがええかな? コンビニ弁当とかファーストフードとかっていうのを毎日のように食べておったら栄養偏ってしまうしな。 まさか、望はそうじないやろな?」
「あはは、お前の言う通りだったりして。 でも、まぁ、そこは仕方ねぇだろ? 本当に作ってる暇なんてないんだからよ」
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