56 / 2,140
ー友情ー56
しおりを挟む
和也はその男に向かってにっこりと微笑むと、その男は和也に心を開いたのか、
「……本当ですか?」
そう俯けていた顔を上げ二人の事を見つめ望も和也も二人同時に頷くのだ。
そして和也は雄介の病室のドアを開け、その男に病室に入るように促す。 すると雄介は人が入ってきた気配に気付いたのかベッドへと半身を起こし、その人物の方に視線を向けると思ってもいなかった人物に声を上げるのだ。
「え? さ、坂本かぁ!? ホンマに坂本なんか!?」
雄介は坂本の姿を目にするとベッドから降りて坂本の元へと向かい、
「良かったわぁ、釈放されたって事なんやね! 今回の事はお前は絶対に悪くない! 俺のミスやし、それに坂本が変わってしまったんは俺のせいでもあるしな。 そういう所に行くのは俺もって事やしなぁ」
「本当に今回の事件について、桜井は俺の事許してくれるのか?」
「ああ、勿論や! それにホンマ俺が悪かったんだし、まぁ、とりあえず、会えて良かったわぁ」
雄介は坂本の事を抱き締める。 流石の雄介も坂本に対しては友人として抱き締めているのであろう。
その二人の再会を和也達が見ているのはいいのだが、和也と望はこの病室に仕事をしに来ただけで、
「あのー、スイマセン……お二人が再会出来て嬉しいのは分かるのですが、俺達の存在忘れてませんか? 俺達は仕事でこの部屋に、来たんですけど」
その和也の言葉に雄介はちゃんと聞いていたのか、和也の言葉に、
「あ、あぁ! それな……俺の方はもうめっちゃ元気やし! 後回しにしてくれへんかな? それに今は坂本と話したいしなぁ」
「そっか……んじゃあ、後でな」
和也は雄介のその言葉に仕方なさそうな息を吐くと、望と一緒に雄介の病室を出て行く。
「ま、これで、解決だよな」
「ああ」
これからも望と和也、雄介と坂本の友情は続くのであろう。
そして、やっとの事で望と雄介も恋人同士になれて、これからゆっくりとではあるのだが、愛情の方も続いていくのかもしれない。
友情の中にも、愛情の中にも、仲がいいからこそ言い合いが必要な時もあるもんだ。
これから、いくら仲がいいとしても喧嘩や擦れ違い等が起きた時、そのまま別れる事があるのかもしれないのだが、別れないでどう解決していくかというのも必要な事なのかもしれない。
人間というのは人生の中で試練に向き合いながら成長していくものだ。
きっと、このカップルもそんな試練に向き合いながら成長していくのかもしれない。
ー友情ー END
NEXT→【ー記憶ー】
「……本当ですか?」
そう俯けていた顔を上げ二人の事を見つめ望も和也も二人同時に頷くのだ。
そして和也は雄介の病室のドアを開け、その男に病室に入るように促す。 すると雄介は人が入ってきた気配に気付いたのかベッドへと半身を起こし、その人物の方に視線を向けると思ってもいなかった人物に声を上げるのだ。
「え? さ、坂本かぁ!? ホンマに坂本なんか!?」
雄介は坂本の姿を目にするとベッドから降りて坂本の元へと向かい、
「良かったわぁ、釈放されたって事なんやね! 今回の事はお前は絶対に悪くない! 俺のミスやし、それに坂本が変わってしまったんは俺のせいでもあるしな。 そういう所に行くのは俺もって事やしなぁ」
「本当に今回の事件について、桜井は俺の事許してくれるのか?」
「ああ、勿論や! それにホンマ俺が悪かったんだし、まぁ、とりあえず、会えて良かったわぁ」
雄介は坂本の事を抱き締める。 流石の雄介も坂本に対しては友人として抱き締めているのであろう。
その二人の再会を和也達が見ているのはいいのだが、和也と望はこの病室に仕事をしに来ただけで、
「あのー、スイマセン……お二人が再会出来て嬉しいのは分かるのですが、俺達の存在忘れてませんか? 俺達は仕事でこの部屋に、来たんですけど」
その和也の言葉に雄介はちゃんと聞いていたのか、和也の言葉に、
「あ、あぁ! それな……俺の方はもうめっちゃ元気やし! 後回しにしてくれへんかな? それに今は坂本と話したいしなぁ」
「そっか……んじゃあ、後でな」
和也は雄介のその言葉に仕方なさそうな息を吐くと、望と一緒に雄介の病室を出て行く。
「ま、これで、解決だよな」
「ああ」
これからも望と和也、雄介と坂本の友情は続くのであろう。
そして、やっとの事で望と雄介も恋人同士になれて、これからゆっくりとではあるのだが、愛情の方も続いていくのかもしれない。
友情の中にも、愛情の中にも、仲がいいからこそ言い合いが必要な時もあるもんだ。
これから、いくら仲がいいとしても喧嘩や擦れ違い等が起きた時、そのまま別れる事があるのかもしれないのだが、別れないでどう解決していくかというのも必要な事なのかもしれない。
人間というのは人生の中で試練に向き合いながら成長していくものだ。
きっと、このカップルもそんな試練に向き合いながら成長していくのかもしれない。
ー友情ー END
NEXT→【ー記憶ー】
1
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる