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ー友情ー27

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 そして望は和也の事を呼び寄せると誰にもこの話が漏れないようにと自分達の部屋の方へと急ぐのだ。

「確かさ、お前の友達に刑事さん居たよな?」

 部屋にある自分の椅子に座ると和也の事を見上げ話始める望。 だが和也は望のその言葉に急に眉を吊り上げるのだ。

「え? あ、いるけど、でも、いきなり何でだよ。 いきなり過ぎて俺には意味分からねぇんだけど?」
「あ、ああ、でも、とりあえず訳は後で説明する。 とりあえず、今な桜井さんは誰かに命を狙われてるんだよ」

 そう言うと望は先程拾った手紙を和也にも見せると目を通す和也。

「そういう事か」

 そうその手紙を見ても和也は全くもって他人事のようだ。 そんな和也に望は、

「あのさー、この手紙を読んでお前は何も思わないのか?」
「まぁ、少なくとも俺には関係のない事だろ? とりあえず、まぁ、桜井さんは何かこう知り合いみたいな存在にはなってきてるとは思うんだけどさ。 それに、この手紙があったって俺達には何もする事が出来ないだろうが、俺達はお巡りさんでも刑事でもないんだからさ、それに、俺達にはその犯人を捕まえる事も出来ないんだしさ」
「それは、分かってる。 でも、確か前に話していた時にお前言ってたよな? 知り合いに刑事さんがいるんだって。 だから、その人に頼んで犯人を見付けて欲しいんだよっ! 和也の言う通り俺等ではこの犯人を捕まえる事は出来ないけど、命を助けるって事は出来るだろ? まぁ、後は病院内で事を起こされたなら、どうにかなりそうなんだけどさ。 問題は雄介が退院した後なんだよな。 また、雄介は命を狙われて、再び病院に戻って来るとも限らない訳だし、だから、雄介がその犯人に狙われる前に犯人を捕まえた方がいいんじゃないかって思ってるんだけど」
「まぁ、そうなんだけどな」

 それでも和也はどうやら望の頼みでもそこは難しいようだ。 だって今の和也には全くもって関係無い事なのだから。

 しかも和也の方はその事について腕を組んでまで考えてしまっていた。

「やっぱり、無理だ! いくら望の頼みでもな。 わりぃ……今の話はなかった事にしてくれねぇか? ホントに本当に俺がアイツに頼むのは無理なんだからよ」

 この様子だと、その和也の友達の刑事とは和也と何かあったのか、頑固として望の頼みを譲ってくれないようだ。

「マジで頼むっ!」

 それでも望は和也に向かって手を合わせ頭まで下げてお願いをしているのだが、和也の方は未だにいい顔をせず挙句ため息を吐いてしまっていた。

 とそんな時、急に和也は何か思い付いたのか、急に顔を上げ、

「なら、いいぜ。 俺の友達の刑事にその事頼んでやるよ。 その代わり、望の事……抱かせてくれたらかな?」
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