13 / 2,140
ー友情ー13
しおりを挟む
「ああ! それは無理やり、あの患者さんが俺の事出てけって言ったんだろ? だから、俺がここにいるのは別にいいんじゃねぇのか?」
「あ、ああ、まぁ、確かにそうだけどさ。 ま、とりあえず、部屋に戻ろうぜ」
とりあえず望は和也には桜井に告白された事をとりあえず和也には相談せずに何も触れないように歩き始める。
望は部屋に戻ってからは溜まっていた資料やカルテの整理を一人済ませると望は気分転換とばかりにふらりと部屋を出て行き屋上へと足を向けるのだ。
春になったばかりの夕方というのは白衣とシャツ一枚では少しばかり寒いと感じ、もう一枚羽織る物でも持ってくれば良かったと後悔している望。
「やっぱ、夕方はまだ寒かったか」
そう一人屋上で呟いても、その言葉はただただ空気に消えていくだけだ。
望は一人寒さに体を震わせながら屋上を囲むようにしてあるフェンスの向こう側を見つめると、少し遠くに見えるビルとビルの合間に夕日が見えるのだ。
どうして夕日というのはこう切なくも悲しくも見えてしまうのであろうか。
そして夕日を見ながら望はポケットに潜ませていたタバコへと火を付ける。
普段、望は煙草を常備している訳ではない。 だがたまにこうして煙草を吸いたくなる時には隠れてでもないのだけどこう屋上へと足を向けて吸っている。
そして煙と同時にため息も漏らす。
「男から告白されるなんて思ってなかったぜ」
そう一人呟いていると急に屋上に繋がる扉が開かれた。
そこに警戒する望。 フェンスの向こう側に沈む夕日を見つめていた望だったのだが、その瞬間、音がした方へと顔だけを向けるのだ。
ここの屋上は安全の為に職員、職員と患者さんなら来てもいい所でもあるのだが夕方のこの時間にこの場所に来る人なんかほぼいない。 だから余計に警戒してしまったのであろう。
しかし、この時間にいったい誰がここに来たのであろうか。
誰かの見舞客が迷ってここに来たのか?
望はその開けられた扉を凝視してしまう。
だが、その直後、聞き慣れた声が聴こえて来た。
「望……。 やっぱ、ここに居たんだな」
そう望の名前を呼んだのは和也だ。
和也は望の事を見つけると笑顔で駆け寄ってくる。
「俺の思った通りってところか」
「あ、ああ、まぁ、確かにそうだけどさ。 ま、とりあえず、部屋に戻ろうぜ」
とりあえず望は和也には桜井に告白された事をとりあえず和也には相談せずに何も触れないように歩き始める。
望は部屋に戻ってからは溜まっていた資料やカルテの整理を一人済ませると望は気分転換とばかりにふらりと部屋を出て行き屋上へと足を向けるのだ。
春になったばかりの夕方というのは白衣とシャツ一枚では少しばかり寒いと感じ、もう一枚羽織る物でも持ってくれば良かったと後悔している望。
「やっぱ、夕方はまだ寒かったか」
そう一人屋上で呟いても、その言葉はただただ空気に消えていくだけだ。
望は一人寒さに体を震わせながら屋上を囲むようにしてあるフェンスの向こう側を見つめると、少し遠くに見えるビルとビルの合間に夕日が見えるのだ。
どうして夕日というのはこう切なくも悲しくも見えてしまうのであろうか。
そして夕日を見ながら望はポケットに潜ませていたタバコへと火を付ける。
普段、望は煙草を常備している訳ではない。 だがたまにこうして煙草を吸いたくなる時には隠れてでもないのだけどこう屋上へと足を向けて吸っている。
そして煙と同時にため息も漏らす。
「男から告白されるなんて思ってなかったぜ」
そう一人呟いていると急に屋上に繋がる扉が開かれた。
そこに警戒する望。 フェンスの向こう側に沈む夕日を見つめていた望だったのだが、その瞬間、音がした方へと顔だけを向けるのだ。
ここの屋上は安全の為に職員、職員と患者さんなら来てもいい所でもあるのだが夕方のこの時間にこの場所に来る人なんかほぼいない。 だから余計に警戒してしまったのであろう。
しかし、この時間にいったい誰がここに来たのであろうか。
誰かの見舞客が迷ってここに来たのか?
望はその開けられた扉を凝視してしまう。
だが、その直後、聞き慣れた声が聴こえて来た。
「望……。 やっぱ、ここに居たんだな」
そう望の名前を呼んだのは和也だ。
和也は望の事を見つけると笑顔で駆け寄ってくる。
「俺の思った通りってところか」
2
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる