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「あ、はい!」

 とは言ったものの、さっき春馬が言っていた『同僚を1人亡くしている』という言葉が引っかかった。

「伊吹は同僚っていうのもあるのですが、今は恋人なんですから……余計に亡くしたくはありませんしね……」

 そう悲しげに言う春馬。

 こういう仕事をしているのだから仕方がないと思うのだけど身近で同僚を亡くしたって話を聴くと意外に俺達の仕事っていうのも死と隣り合わせなんだなぁーーと思い知らされる。

 そう教師の自殺というのは年々増えている。 確かに教師というのはさっきも言った通り、中間管理職。 精神が弱い人間は自殺または精神科に通ってる人間は多い。

 だが俺は今のところ、そういう気配はない。

 ……ま、このことについて考えても仕方ないか……。

 今は2人だけの時間を過ごしているのだから、2人だけの幸せな時間を過ごそう。

「ごちそうさまでした……」

 俺はそう言うと、お皿をキッチンへと運んで行く。

「何かやることはありますか?」

 人の家に来てると言っても、もう春馬とは他人ではない。 それに、これだけ春馬は綺麗にしているのだから、俺みたいに毎日家事はしないってことはないだろう。 とりあえず家事を済ませてしまおうと思った俺だったのだけど……。

「ん? 何もやることはありませんよ……」
「……へ?   だって、家事はやることありますよね? だって、これだけ、部屋綺麗なんですから……」

 その言葉に春馬はクスリとする。

「あれ? 言いませんでしたっけ? 家事は機械にやってもらってますからね……」
「……へ?   機械!?」
「洗濯は全自動で乾燥機付き、掃除はお掃除ロボット……お皿も全自動ですから……」
「あ……」

 ……だから、春馬がやる必要なんてなかった訳だ。 そこは、なんとなく納得出来る。 ってか、羨ましいと言った方がいいのかもしれない。

「お皿はそこに入れておいて下されば、後は勝手にやってくれますから……」
「あ、はいはい……」

 俺は春馬にそう言われて、全自動お皿洗浄機の中に入れる。

 ……あ、ホント、便利だ。

 しかも備え付けの洗浄機みたいだった。 そうキッチンに付いているのだから。

 要は機械に頼れば、後は自分ではご飯作るだけが家事になるのであろう。 日々、忙しい俺達にとっては本当にこういう機械は便利だ。

 ……俺も欲しい!

 と思ってみても、元から床にも洋服とかリュックとか色々と物が散らばっている家にはお掃除ロボットは意味ないのかもしれない。 そこは分からない所だけど、とりあえず春馬の家は殆ど床がフローリングで俺の家みたく何かが床に散らばっている訳ではない。 だから、お掃除ロボットが使えるのかもしれないのだけど。

 今日さっき起きたばっかりだったけど、休みの日でもあって昨日は遅く寝たせいか今の時間は10時位だ。

 さて今から何しようか? という所であろう。 
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