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第1部 逃避行編 第1章
第28録 仕切り直し
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翌朝、体調が回復したエリスは村長を訪ねていた。自分達が村に細工をしようといていることを話すためだ。
エリスの提案を聞き終えた村長がゆっくりと口を開く。
「つまり、魔法でこの村を廃墟に見せかける。外から見てもワシらの姿は見えないので、
今まで通り生活を続けて構わんと言うことかの」
「はい」
「しかしのぉ、お嬢さんの魔力も心配じゃし、
なにより、火の手も何も起こらずに村が滅んだら不審に思われるじゃろ?」
「なので、魔法で災害を起こします」
「ほ、ほぉ……」
驚いて固まった村長を見てもエリスは真剣に話を続ける。
「私達の片方が災害を起こし、もう片方はバリアを張って村を守ります」
「おい、待て。オレ様はやるなんて言ってねぇぞ」
すかさずベルゼブブがエリスを睨みながら口を挟んだ。
するとエリスは申し訳無さそうに少し下を向いて呟く。
「しばらく魔法を使ってないから、いい機会だと思ったんだけど」
「クソガキの時に使っただろ」
「災害級で?」
「お前な……。はぁ、好きにしろ」
ベルゼブブは盛大にため息をついて下を向いた。加減せず魔法を放てるとわかったからか、
この場にいるのがエリスだけではないからか、折れるのが早い。
エリスは少し驚いた顔でベルゼブブを見てから微笑んだ。
「じゃあ、お願いね。
村長さん、ひとまず皆さんに家の中へ入るようにお伝えしてもらえませんか?」
「わかった……。少し不安じゃが、みんなには伝えてこよう。
あと、最後に1つ教えておくれ」
「何でしょうか……」
「その後はどのように過ごすおつもりかな?」
少し考えた後、エリスは村長の目をしっかりと見て話し出す。
「追手から逃げます。もしこの大陸に戻ってくるとしたら、
アレキサンドルとエベロスの戦いが終わったときか、私が捕まったときです」
「そうか……。無事を願うことしかできんが、くれぐれも気をつけてな」
「はい。ありがとうございます。
みなさんが家の中へ入ったのを確認したら実行しますね」
エリスと村長がイスから立ち上がった時だった。ドアが勢いよく開き、
ジョセフィーヌを先頭に村人達がなだれ込んでくる。
「え?」
「なんじゃ、みんなして聞き耳を立てておったのか」
よほど言いたいことがあるのか、素早くジョセフィーヌが体を起こして口を開いた。
「だってまだエリスちゃんも万全じゃないんだろう?
それなのに魔法をかけるって?」
「体調はよくなったので大丈夫ですよ……」
「それにせっかく提案してくれたところ悪いんだけど、村を廃墟に見せかけるってことは
イカナ村は「ない」と認識されるってことだよな?
俺達の暮らしはどうなるんだ?」
そう言ったのはデールだった。村の財源は染色業と農業だ。品物を他の町村へ売りに行くことで生計を立てている。
村が「ない」ことにされてしまうとそれができなくなるため、別に手段を考えなければならない。
「確かに。貯蓄している食材はもちろん、1匹分とはいえウォームゴートのエサも
無限にあるわけじゃないからなぁ」
「でも税は払わなくて済むんだろう?」
「だけど村ごと滅んだってなったら俺達も死んだことになるんだろ?
そうなると外に出られなくなるんじゃないか?」
「既のところで逃げきったってことにしたらどうだい?」
村人達は討論を始めてしまった。どちらの意見も譲らないため、だんだん室内が騒がしくなってくる。
「グラド様がワシを連行した理由は何じゃった?
テオドール――お嬢さんを匿ったからじゃ。つまり、ワシらが生きているとわかればしつこく追ってくるじゃろうな」
「これからも続けるわけじゃないし、そのうち諦めるんじゃないのかねぇ?」
「それに、この娘の情報と言っても大したものは持っていないよ。
出せと言われても断ればいいさ」
「でも拒否したら魔法で脅してきたじゃないか。どうにか村長が説得して1人だけ連行になったんだろう?」
ジョセフィーヌの言葉を聞くと皆口を閉じて下を向いた。その時を思い出したのか肩を震わせている者もいる。
すると村長が落ち着かせるように話し出す。
「思い出してしまった者もおるようじゃが、落ち着きなさい。あんなことは最初で最後だと思う。
いくらグラド様とはいえワシらの命までは奪えんじゃろう。批判がくるからなぁ」
皆の視線が自分に集まっていることに気づいた村長は咳払いをすると話を続けた。
「えーつまり、魔法をかけてもらうと、納税しなくてよくなるしアレキサンドルの調査もないが、
お金を得る手段がなくなり、村を出ることができなくなる。
かけてもらわないと、納税をしないといけないし調査がしつこいかもしれんが、
今とそんなに変わらない生活ができる、ということかのぉ」
顔を見合わせて苦い表情をしている。
エリスはというと、隅の方で頭を抱えて村人達の話を聞いていた。
ベルゼブブが呆れながら腕を組んでその姿を眺めている。
「浅はかだったわ。周りのこと考えてなかった……」
「フン、それがわかっただけマシだろ。よかったじゃねぇか」
「慰めになってない」
「オレ様がそんなことすると思うか?期待すんな」
そう言い放つとベルゼブブは顔を背けた。
村人達は悩みに悩んだ結果、イカナ村を廃墟に見せかける、という案に
落ち着いた。不安はあるものの、納税がなくなることと調査に怯えなくてよくなる、という点が決定打だったようだ。
村の外に出るとベルゼブブが珍しくニヤニヤしながらエリスに声をかける。
「お前、壊すか守るか選べ」
「守る」
「そうだろうなぁ」
嗤うとベルゼブブは宙に浮いて右手を突き上げる。手のひらに黒い魔力が渦状に溜まり、広がっていく。
エリスは村内を見るとちょうど村長が家に入るところだった。
話し合いで彼が最後になっており、それを合図にしていた。
「村長さんが家に入った。
《ホーリーウォール》!!あとはお願い!」
「ヒヒヒッ!言われるまでもねぇ!オレ様のに気圧されて気絶すんなよ?
《カオスメテオール》!!」
ベルゼブブが唱えた直後、空から黒い炎を纏った隕石が現れる。
それはイカナ村の周辺に降りそそいで、草を燃やし地面に穴を空けた。
何発もバリアに当たったが全て弾かれ地に落ちる。振動や地響きがバリアの外にいるエリスにも伝わると、顔に汗を浮かべた。
「強い!もう少し堅くしないと突破される!」
バリアに向き直ると再度魔法を唱えて強化した。
やがて、ベルゼブブの魔法が収束したのを確認すると、エリスは大きく息を吐いてからバリアを解除し、
カモフラージュの魔法をかける。
「これでイカナ村は大丈夫だと思う。ちょっと強引だったけど……」
村が無傷であることを確認して、何気なくアレキサンドルの方角を見たエリスは愕然とした。
アレキサンドル付近でも3つ、土煙が上がっていたからだ。
すかさず何食わぬ顔で降りてきたベルゼブブに詰め寄る。
「ちょっと!飛ばしすぎ!」
「別にいいだろうが。どうせ町にバリア張ってあるし。
そもそも外してやったから何も心配はいらねぇよ」
「住民が騒ぐでしょう?それにメテオールは人為的だとバレるじゃない。
トルネードの方がよかったわ」
「文句言うならお前が壊せばよかったじゃねぇか」
エリスが黙り込んだ。守る方を選んだのは魔力の加減を自分でも完全に理解できておらず、
本当に村を滅ぼしてしまわないか不安だったからだ。
ベルゼブブはエリスを見て勝ち誇ったように笑うと歩き出す。
「アレキサンドルの連中から逃げるんだろ?とっととこの大陸離れようぜ」
エリスは何か言いたげにしていたが、諦めてベルゼブブを追いかけた。
突然起こった災害に、アンスタン大陸の人々は戸惑い恐怖した。
イカナ村が滅んだことを知ると最初は悲観していたが、誰からともなくテオドールを匿った、
実は裏で悪事を働いておりそれが明るみに出て天罰が下ったと好き勝手に噂を流した。
しかし、たまたま近くを通った冒険者が驚くような話をした。「滅んだはずなのに、まるで人が居るかのように
畑を耕す音や井戸から水を汲む音が聞こえる」と。
それを聞いて人々は怯えイカナ村の事を口に出さなくなった。
また、その日からイカナ村からホロビ村へ名が変わったという。
第1章 完
エリスの提案を聞き終えた村長がゆっくりと口を開く。
「つまり、魔法でこの村を廃墟に見せかける。外から見てもワシらの姿は見えないので、
今まで通り生活を続けて構わんと言うことかの」
「はい」
「しかしのぉ、お嬢さんの魔力も心配じゃし、
なにより、火の手も何も起こらずに村が滅んだら不審に思われるじゃろ?」
「なので、魔法で災害を起こします」
「ほ、ほぉ……」
驚いて固まった村長を見てもエリスは真剣に話を続ける。
「私達の片方が災害を起こし、もう片方はバリアを張って村を守ります」
「おい、待て。オレ様はやるなんて言ってねぇぞ」
すかさずベルゼブブがエリスを睨みながら口を挟んだ。
するとエリスは申し訳無さそうに少し下を向いて呟く。
「しばらく魔法を使ってないから、いい機会だと思ったんだけど」
「クソガキの時に使っただろ」
「災害級で?」
「お前な……。はぁ、好きにしろ」
ベルゼブブは盛大にため息をついて下を向いた。加減せず魔法を放てるとわかったからか、
この場にいるのがエリスだけではないからか、折れるのが早い。
エリスは少し驚いた顔でベルゼブブを見てから微笑んだ。
「じゃあ、お願いね。
村長さん、ひとまず皆さんに家の中へ入るようにお伝えしてもらえませんか?」
「わかった……。少し不安じゃが、みんなには伝えてこよう。
あと、最後に1つ教えておくれ」
「何でしょうか……」
「その後はどのように過ごすおつもりかな?」
少し考えた後、エリスは村長の目をしっかりと見て話し出す。
「追手から逃げます。もしこの大陸に戻ってくるとしたら、
アレキサンドルとエベロスの戦いが終わったときか、私が捕まったときです」
「そうか……。無事を願うことしかできんが、くれぐれも気をつけてな」
「はい。ありがとうございます。
みなさんが家の中へ入ったのを確認したら実行しますね」
エリスと村長がイスから立ち上がった時だった。ドアが勢いよく開き、
ジョセフィーヌを先頭に村人達がなだれ込んでくる。
「え?」
「なんじゃ、みんなして聞き耳を立てておったのか」
よほど言いたいことがあるのか、素早くジョセフィーヌが体を起こして口を開いた。
「だってまだエリスちゃんも万全じゃないんだろう?
それなのに魔法をかけるって?」
「体調はよくなったので大丈夫ですよ……」
「それにせっかく提案してくれたところ悪いんだけど、村を廃墟に見せかけるってことは
イカナ村は「ない」と認識されるってことだよな?
俺達の暮らしはどうなるんだ?」
そう言ったのはデールだった。村の財源は染色業と農業だ。品物を他の町村へ売りに行くことで生計を立てている。
村が「ない」ことにされてしまうとそれができなくなるため、別に手段を考えなければならない。
「確かに。貯蓄している食材はもちろん、1匹分とはいえウォームゴートのエサも
無限にあるわけじゃないからなぁ」
「でも税は払わなくて済むんだろう?」
「だけど村ごと滅んだってなったら俺達も死んだことになるんだろ?
そうなると外に出られなくなるんじゃないか?」
「既のところで逃げきったってことにしたらどうだい?」
村人達は討論を始めてしまった。どちらの意見も譲らないため、だんだん室内が騒がしくなってくる。
「グラド様がワシを連行した理由は何じゃった?
テオドール――お嬢さんを匿ったからじゃ。つまり、ワシらが生きているとわかればしつこく追ってくるじゃろうな」
「これからも続けるわけじゃないし、そのうち諦めるんじゃないのかねぇ?」
「それに、この娘の情報と言っても大したものは持っていないよ。
出せと言われても断ればいいさ」
「でも拒否したら魔法で脅してきたじゃないか。どうにか村長が説得して1人だけ連行になったんだろう?」
ジョセフィーヌの言葉を聞くと皆口を閉じて下を向いた。その時を思い出したのか肩を震わせている者もいる。
すると村長が落ち着かせるように話し出す。
「思い出してしまった者もおるようじゃが、落ち着きなさい。あんなことは最初で最後だと思う。
いくらグラド様とはいえワシらの命までは奪えんじゃろう。批判がくるからなぁ」
皆の視線が自分に集まっていることに気づいた村長は咳払いをすると話を続けた。
「えーつまり、魔法をかけてもらうと、納税しなくてよくなるしアレキサンドルの調査もないが、
お金を得る手段がなくなり、村を出ることができなくなる。
かけてもらわないと、納税をしないといけないし調査がしつこいかもしれんが、
今とそんなに変わらない生活ができる、ということかのぉ」
顔を見合わせて苦い表情をしている。
エリスはというと、隅の方で頭を抱えて村人達の話を聞いていた。
ベルゼブブが呆れながら腕を組んでその姿を眺めている。
「浅はかだったわ。周りのこと考えてなかった……」
「フン、それがわかっただけマシだろ。よかったじゃねぇか」
「慰めになってない」
「オレ様がそんなことすると思うか?期待すんな」
そう言い放つとベルゼブブは顔を背けた。
村人達は悩みに悩んだ結果、イカナ村を廃墟に見せかける、という案に
落ち着いた。不安はあるものの、納税がなくなることと調査に怯えなくてよくなる、という点が決定打だったようだ。
村の外に出るとベルゼブブが珍しくニヤニヤしながらエリスに声をかける。
「お前、壊すか守るか選べ」
「守る」
「そうだろうなぁ」
嗤うとベルゼブブは宙に浮いて右手を突き上げる。手のひらに黒い魔力が渦状に溜まり、広がっていく。
エリスは村内を見るとちょうど村長が家に入るところだった。
話し合いで彼が最後になっており、それを合図にしていた。
「村長さんが家に入った。
《ホーリーウォール》!!あとはお願い!」
「ヒヒヒッ!言われるまでもねぇ!オレ様のに気圧されて気絶すんなよ?
《カオスメテオール》!!」
ベルゼブブが唱えた直後、空から黒い炎を纏った隕石が現れる。
それはイカナ村の周辺に降りそそいで、草を燃やし地面に穴を空けた。
何発もバリアに当たったが全て弾かれ地に落ちる。振動や地響きがバリアの外にいるエリスにも伝わると、顔に汗を浮かべた。
「強い!もう少し堅くしないと突破される!」
バリアに向き直ると再度魔法を唱えて強化した。
やがて、ベルゼブブの魔法が収束したのを確認すると、エリスは大きく息を吐いてからバリアを解除し、
カモフラージュの魔法をかける。
「これでイカナ村は大丈夫だと思う。ちょっと強引だったけど……」
村が無傷であることを確認して、何気なくアレキサンドルの方角を見たエリスは愕然とした。
アレキサンドル付近でも3つ、土煙が上がっていたからだ。
すかさず何食わぬ顔で降りてきたベルゼブブに詰め寄る。
「ちょっと!飛ばしすぎ!」
「別にいいだろうが。どうせ町にバリア張ってあるし。
そもそも外してやったから何も心配はいらねぇよ」
「住民が騒ぐでしょう?それにメテオールは人為的だとバレるじゃない。
トルネードの方がよかったわ」
「文句言うならお前が壊せばよかったじゃねぇか」
エリスが黙り込んだ。守る方を選んだのは魔力の加減を自分でも完全に理解できておらず、
本当に村を滅ぼしてしまわないか不安だったからだ。
ベルゼブブはエリスを見て勝ち誇ったように笑うと歩き出す。
「アレキサンドルの連中から逃げるんだろ?とっととこの大陸離れようぜ」
エリスは何か言いたげにしていたが、諦めてベルゼブブを追いかけた。
突然起こった災害に、アンスタン大陸の人々は戸惑い恐怖した。
イカナ村が滅んだことを知ると最初は悲観していたが、誰からともなくテオドールを匿った、
実は裏で悪事を働いておりそれが明るみに出て天罰が下ったと好き勝手に噂を流した。
しかし、たまたま近くを通った冒険者が驚くような話をした。「滅んだはずなのに、まるで人が居るかのように
畑を耕す音や井戸から水を汲む音が聞こえる」と。
それを聞いて人々は怯えイカナ村の事を口に出さなくなった。
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