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第1部 魔族配下編 第1章
またサンドバッグにされかける
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翌日、俺は何事もなく裏に来ていた。
今日もやることがないからだ。
(昨日は散々だったけど、なんとかなったし)
オネットのメイドパワーのおかげでナイト達の士気が高まり、
彼らの明らかな早業で、夜になって少ししてから
武器磨きを全て終わらせることができたのだった。
幸い筋肉痛はそこまで酷くなく、動かしづらいがちゃんと歩ける。
また昨日みたいに同じ姿勢で長時間の作業じゃなければ大丈夫だ。
(誰かに何か頼まれれば行くんだけどな)
強制されることが多いとはいえ、魔族達と一緒に何かをするのが楽しいと思うようになった。
恵まれているだけだろうがそれでも役に立てていると思うと嬉しく感じる。
「おい、下僕モドキッ!」
「下僕モドキ⁉」
聞き覚えのある声に振り返るとアパリシアさんが立っていた。
俺の後ろに立っているが何か意味でもあるのだろうか。
「アタシのサンドバッグになれ!」
「今からですか⁉」
「そうだ!」
そう言いながらアパリシアさんは前回と同じように
俺の首根っこを掴むと引っ張り始めた。
「ちゃ、ちゃんとついてくんで離してください!」
アパリシアさんが動きを止めて俺を見つめてくる。
「ホントかー?」
「ホ、ホントです!」
「そ、なら離してやる。ヘンな行動したら燃やすからな!」
(アッサリ離した?)
てっきり「うるさい、大人しく引きずられてろ!」とでも言われるのかと思っていた。
アパリシアさんより少し後ろをついていく。
(並んで歩くわけにもいかないしな……一応は下僕だし)
それよりも「下僕」ではなく「下僕モドキ」と呼ばれた事が引っかかった。
尋ねてみることにする。
「あの、下僕モドキって下僕より格上ですよね?
モドキですし」
するとアパリシアさんが振り向いて焦ったように
口を開いた。
「ア、アタシとってはどっちも一緒だ!」
「なら、下僕でも良くないですか?」
「気分だ、気分!
……べ、べつに、肉多めにくれたのが
嬉しかったとかじゃないからな!
ゼッタイに違うんだからなッ!」
「あー、はい」
納得した。肉集めのパシリをやらされた時に量を多めに持っていったのだが、
それが功を奏したようだ。
(取ってきたのはデュークさんだけど。やっぱ多めで嬉しかったのか。
わかりやすいな。それに単純……)
「なんだその反応は!燃やすぞ⁉」
「あー、はい」
「うぐぐぐッ………!」
俺の棒読みな反応にイラついているようだが、
これからサンドバッグにする予定だと考えているのか攻撃はしてこなかった。
しばらく歩くと前と同じ荒れ地についた。
が、
「キキキキキッー‼」
「ヒヒヒッ‼」
前回とは違って明らかに人外の生物が2体いる。マジックキメラとヘルメイジだ。
2体とも『手強いモンスター10選』に名が挙がっている。
(野生か?いや、だったら攻撃してくるはず……)
俺の疑問を汲み取ったようでアパリシアさんが
声をかけてくる。
「あ、コイツらアタシの部下」
「はい?」
へネラルさんもモンスターの暗黒ナイトを従えていたし、
この2体がアパリシアさんの部下と言われてもおかしくはないのだが、
どう見ても言葉は通じなさそうだ。
「だってお前アタシの魔法から逃げ切ったからさ、
それならもう少し数増やしても逃げれるだろ?」
(ちょっと待て!なんでそうなる⁉)
逃げ切ったのは事実だがギリギリの状態だった。
一歩間違えれば「教会送り」になるレベルだ。
「ま、魔王さんから何か言われてないんですか⁉」
「え、どうだったっけー?言ってたような気もするけど
忘れた!」
(忘れちゃダメなヤツだろ!)
「「教会送り」ですよ!」
「あ、そうだったかな。まぁお前なら逃げ切れるだろ。
大丈夫大丈夫」
(大丈夫じゃねぇ!)
「おっし!じゃあ始めるぞ!お前ら、遠慮無しでいい!
コイツ避けるから!」
「カカカカカッ!」
マジックキメラは水、ヘルメイジは風魔法が得意のようだ。
アパリシアさんの火魔法と合わせて荒れ地が派手な色や轟音に包まれていく。
俺はというと普段通り情けない声を出しながら逃げ回っていたのだが、
ふとした瞬間に足を取られた。
「ヤベッ……」
振り向くと眼前には巨大な竜巻。
両腕で顔を覆った直後、俺に迫っていた竜巻が巨大な炎に飲み込まれる。
見ると、アパリシアさんが目を丸くしながら手を突き出していた。
(助けてくれたのか?直撃するところだった……)
「ストップ!攻撃やめ!」
アパリシアさんの号令で部下達が動きを止める。
そして訝しそうに俺に近づいてきた。
「お前、今日キレ悪いな?なんかあったのか?」
「……あ、実はですね――」
昨日の出来事を話すとなぜか哀れみの目を向けられる。
それぐらい大変な作業のようだ。
「武器磨き⁉……ゴクローさん」
「ど、どうも……」
アパリシアさんは俺を見ながら小さくため息をついた。
「……今日はサンドバッグ終わりだ。帰れ」
「え、でもまだ……」
「帰れったら帰れ!万全の状態じゃないお前を
サンドバッグにしてもつまらない!」
声を荒げたアパリシアさんに気圧される。何度もあったのだが、今のは明らかに怒っている。
心配もあるのかもしれないが怒りしか感じ取れなかった。
(「教会送り」のこと忘れたって言ってたけど、絶対覚えてるよな?
さっき俺を庇ってくれたし)
帰れ=休めということだと思う
。大人しく従うことにした。
「じゃあ失礼します……」
(なんかモヤモヤする)
筋肉痛があったとはいえ、地面に足を取られたこと、
それが原因で「サンドバッグ」を中止させてしまうことになった。
(強制参加だったけどな……でも……申し訳ない)
俺は暗い気分のままその場を後にした。
――――――――――――――――――
アパリシアはモトユウが去っていった方向を
どこか不安そうに眺めていた。
「んー、やっぱ調子悪そうだな。
帰して当たりだったか……」
「チィ~~ス、アパちゃん~!」
「げ⁉デューク⁉」
さっそうと現れたデュークに対して、
明らかに嫌悪感を示しながらアパリシアが距離を取る。
「そんな嫌そうなカオしなくても良くない~?
俺ショック~。
それで、どこ見てため息ついてんのさあ?」
「べ、べつに!アタシの勝手だろ!
おし、お前ら帰っていいぞ!」
アパリシアの言葉を聞くとマジックキメラ達は去っていった。
それらを見送ったあと、アパリシアがデュークに向き直る。
「で、何の用だよ?」
「お気遣いどうも~。やっぱわかる?」
「そりゃそうだろ!お前がアタシのところに来るときは8割方大事な話だからな!」
「なら、いいや。さっそく本題に入るけど~」
急に声を低くしたデュークにアパリシアはゴクリと唾を飲み込んだ。
「モトユウちゃんの事、どう思う?」
「……は?」
「どう思うって聞いてんのよ」
デュークの気迫にたじろぎながらアパリシアが答える。
「ど、どうって……。まぁニンゲンにしては変わったヤツだなって。腰が低いっつーか。
そ、そういうお前はどうなんだよ⁉」
「俺?俺は好きよ?モトユウちゃん。オモシロイ」
アパリシアは呆れ顔をしながら眉をひそめると口を開いた。
「まさか、こんなくだらないこと聞きに来たのか?」
「いや。今のは前フリ。モトユウちゃんの経緯聞いた?」
「あー、なんか「乞いた」って。マジの話?」
「マジ」
デュークの言葉を聞いたアパリシアは顔を引きつらせる。
「……ウソだろ……。なら、なんで「教会送り」があるのに
乞いたんだ?」
「ウソのようなホントの話。やっぱそう思うよな?
俺も引っかかってる。
マーさん曰く「死にたくなかった」んだとよ」
「……ニンゲンにしてはなんか違うなとは思ってたけど。
アタシの魔法から逃げ切ったし」
アパリシアの言葉を聞いたデュークは軽く鼻で笑った。
「アバちゃんの魔法から逃げれたのは実力だと
思うけどねー。
つーワケだから間違っても「教会送り」にすんなよ?
モトユウちゃんがニンゲンなのは確かだけど、
ありゃ返しちゃいけないヤツだ」
「「教会送り」になんかするわけないだろ!
アタシのサンドバッグが減る!」
「ヒハハハハッ!そりゃ結構。
アパちゃんは心配しなくても大丈夫そうだなー」
「……どこ行くんだよ?」
アパリシアは去っていこうとするデュークに声をかける。
デュークは振り向くと口角を上げた。
「ちょっと忠告してくるわ」
今日もやることがないからだ。
(昨日は散々だったけど、なんとかなったし)
オネットのメイドパワーのおかげでナイト達の士気が高まり、
彼らの明らかな早業で、夜になって少ししてから
武器磨きを全て終わらせることができたのだった。
幸い筋肉痛はそこまで酷くなく、動かしづらいがちゃんと歩ける。
また昨日みたいに同じ姿勢で長時間の作業じゃなければ大丈夫だ。
(誰かに何か頼まれれば行くんだけどな)
強制されることが多いとはいえ、魔族達と一緒に何かをするのが楽しいと思うようになった。
恵まれているだけだろうがそれでも役に立てていると思うと嬉しく感じる。
「おい、下僕モドキッ!」
「下僕モドキ⁉」
聞き覚えのある声に振り返るとアパリシアさんが立っていた。
俺の後ろに立っているが何か意味でもあるのだろうか。
「アタシのサンドバッグになれ!」
「今からですか⁉」
「そうだ!」
そう言いながらアパリシアさんは前回と同じように
俺の首根っこを掴むと引っ張り始めた。
「ちゃ、ちゃんとついてくんで離してください!」
アパリシアさんが動きを止めて俺を見つめてくる。
「ホントかー?」
「ホ、ホントです!」
「そ、なら離してやる。ヘンな行動したら燃やすからな!」
(アッサリ離した?)
てっきり「うるさい、大人しく引きずられてろ!」とでも言われるのかと思っていた。
アパリシアさんより少し後ろをついていく。
(並んで歩くわけにもいかないしな……一応は下僕だし)
それよりも「下僕」ではなく「下僕モドキ」と呼ばれた事が引っかかった。
尋ねてみることにする。
「あの、下僕モドキって下僕より格上ですよね?
モドキですし」
するとアパリシアさんが振り向いて焦ったように
口を開いた。
「ア、アタシとってはどっちも一緒だ!」
「なら、下僕でも良くないですか?」
「気分だ、気分!
……べ、べつに、肉多めにくれたのが
嬉しかったとかじゃないからな!
ゼッタイに違うんだからなッ!」
「あー、はい」
納得した。肉集めのパシリをやらされた時に量を多めに持っていったのだが、
それが功を奏したようだ。
(取ってきたのはデュークさんだけど。やっぱ多めで嬉しかったのか。
わかりやすいな。それに単純……)
「なんだその反応は!燃やすぞ⁉」
「あー、はい」
「うぐぐぐッ………!」
俺の棒読みな反応にイラついているようだが、
これからサンドバッグにする予定だと考えているのか攻撃はしてこなかった。
しばらく歩くと前と同じ荒れ地についた。
が、
「キキキキキッー‼」
「ヒヒヒッ‼」
前回とは違って明らかに人外の生物が2体いる。マジックキメラとヘルメイジだ。
2体とも『手強いモンスター10選』に名が挙がっている。
(野生か?いや、だったら攻撃してくるはず……)
俺の疑問を汲み取ったようでアパリシアさんが
声をかけてくる。
「あ、コイツらアタシの部下」
「はい?」
へネラルさんもモンスターの暗黒ナイトを従えていたし、
この2体がアパリシアさんの部下と言われてもおかしくはないのだが、
どう見ても言葉は通じなさそうだ。
「だってお前アタシの魔法から逃げ切ったからさ、
それならもう少し数増やしても逃げれるだろ?」
(ちょっと待て!なんでそうなる⁉)
逃げ切ったのは事実だがギリギリの状態だった。
一歩間違えれば「教会送り」になるレベルだ。
「ま、魔王さんから何か言われてないんですか⁉」
「え、どうだったっけー?言ってたような気もするけど
忘れた!」
(忘れちゃダメなヤツだろ!)
「「教会送り」ですよ!」
「あ、そうだったかな。まぁお前なら逃げ切れるだろ。
大丈夫大丈夫」
(大丈夫じゃねぇ!)
「おっし!じゃあ始めるぞ!お前ら、遠慮無しでいい!
コイツ避けるから!」
「カカカカカッ!」
マジックキメラは水、ヘルメイジは風魔法が得意のようだ。
アパリシアさんの火魔法と合わせて荒れ地が派手な色や轟音に包まれていく。
俺はというと普段通り情けない声を出しながら逃げ回っていたのだが、
ふとした瞬間に足を取られた。
「ヤベッ……」
振り向くと眼前には巨大な竜巻。
両腕で顔を覆った直後、俺に迫っていた竜巻が巨大な炎に飲み込まれる。
見ると、アパリシアさんが目を丸くしながら手を突き出していた。
(助けてくれたのか?直撃するところだった……)
「ストップ!攻撃やめ!」
アパリシアさんの号令で部下達が動きを止める。
そして訝しそうに俺に近づいてきた。
「お前、今日キレ悪いな?なんかあったのか?」
「……あ、実はですね――」
昨日の出来事を話すとなぜか哀れみの目を向けられる。
それぐらい大変な作業のようだ。
「武器磨き⁉……ゴクローさん」
「ど、どうも……」
アパリシアさんは俺を見ながら小さくため息をついた。
「……今日はサンドバッグ終わりだ。帰れ」
「え、でもまだ……」
「帰れったら帰れ!万全の状態じゃないお前を
サンドバッグにしてもつまらない!」
声を荒げたアパリシアさんに気圧される。何度もあったのだが、今のは明らかに怒っている。
心配もあるのかもしれないが怒りしか感じ取れなかった。
(「教会送り」のこと忘れたって言ってたけど、絶対覚えてるよな?
さっき俺を庇ってくれたし)
帰れ=休めということだと思う
。大人しく従うことにした。
「じゃあ失礼します……」
(なんかモヤモヤする)
筋肉痛があったとはいえ、地面に足を取られたこと、
それが原因で「サンドバッグ」を中止させてしまうことになった。
(強制参加だったけどな……でも……申し訳ない)
俺は暗い気分のままその場を後にした。
――――――――――――――――――
アパリシアはモトユウが去っていった方向を
どこか不安そうに眺めていた。
「んー、やっぱ調子悪そうだな。
帰して当たりだったか……」
「チィ~~ス、アパちゃん~!」
「げ⁉デューク⁉」
さっそうと現れたデュークに対して、
明らかに嫌悪感を示しながらアパリシアが距離を取る。
「そんな嫌そうなカオしなくても良くない~?
俺ショック~。
それで、どこ見てため息ついてんのさあ?」
「べ、べつに!アタシの勝手だろ!
おし、お前ら帰っていいぞ!」
アパリシアの言葉を聞くとマジックキメラ達は去っていった。
それらを見送ったあと、アパリシアがデュークに向き直る。
「で、何の用だよ?」
「お気遣いどうも~。やっぱわかる?」
「そりゃそうだろ!お前がアタシのところに来るときは8割方大事な話だからな!」
「なら、いいや。さっそく本題に入るけど~」
急に声を低くしたデュークにアパリシアはゴクリと唾を飲み込んだ。
「モトユウちゃんの事、どう思う?」
「……は?」
「どう思うって聞いてんのよ」
デュークの気迫にたじろぎながらアパリシアが答える。
「ど、どうって……。まぁニンゲンにしては変わったヤツだなって。腰が低いっつーか。
そ、そういうお前はどうなんだよ⁉」
「俺?俺は好きよ?モトユウちゃん。オモシロイ」
アパリシアは呆れ顔をしながら眉をひそめると口を開いた。
「まさか、こんなくだらないこと聞きに来たのか?」
「いや。今のは前フリ。モトユウちゃんの経緯聞いた?」
「あー、なんか「乞いた」って。マジの話?」
「マジ」
デュークの言葉を聞いたアパリシアは顔を引きつらせる。
「……ウソだろ……。なら、なんで「教会送り」があるのに
乞いたんだ?」
「ウソのようなホントの話。やっぱそう思うよな?
俺も引っかかってる。
マーさん曰く「死にたくなかった」んだとよ」
「……ニンゲンにしてはなんか違うなとは思ってたけど。
アタシの魔法から逃げ切ったし」
アパリシアの言葉を聞いたデュークは軽く鼻で笑った。
「アバちゃんの魔法から逃げれたのは実力だと
思うけどねー。
つーワケだから間違っても「教会送り」にすんなよ?
モトユウちゃんがニンゲンなのは確かだけど、
ありゃ返しちゃいけないヤツだ」
「「教会送り」になんかするわけないだろ!
アタシのサンドバッグが減る!」
「ヒハハハハッ!そりゃ結構。
アパちゃんは心配しなくても大丈夫そうだなー」
「……どこ行くんだよ?」
アパリシアは去っていこうとするデュークに声をかける。
デュークは振り向くと口角を上げた。
「ちょっと忠告してくるわ」
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