21 / 27
第1章 勘当旅編
20話 思いもよらない人物との出会い
しおりを挟む
「こ、こんにちはー」
「いらっしゃい。あなた1人?珍しいわね」
肩まである茶色い色の髪を1つ結びにした女の人が出迎えてくれる。
小屋の中は簡素な造りで、女の人が使用する台所と生活スペース、そしてベッドがあった。
ベッドは壁側に3つ並べられていて、間に衝立はあったものの個室ではないことにビックリする。寝相が悪い人と一緒になってしまったら大変そうだ。
「宿屋さんの看板があったので来たんですけど……」
「その通りよ。ここは宿屋。といっても見ての通り狭いから大人数は泊まれないけれど」
『ごく普通の人だな』
『ですねー。もし悪いことしてたら軽くシバいちゃいましょー』
リル村でのことがあってからラディウスもテネルも初対面の人に警戒しているみたいだ。
私はそういうことは全くわからないが、2人がそう言うのなら大丈夫なのだろう。
「でもどうしてこんな場所で?」
「この先にホワイトドラゴンが住んでいた山があるのは知ってる?」
「はい。そこを目指してて」
「やっぱりね。あなたみたいな人たちの為に宿屋をしてるってのもあるわ。
途中で疲れちゃう人が多いみたいでね。
でも1番の理由は王都での生活が嫌になっちゃったの」
「王都?」
馴染みのないワードだ。
貴族の間でも王様や王子様やお城のワードが出てくることはあるが、それらと関係があるのだろうか。
『北の方にキラキラしたものばかりつけてる人がたくさんいるって他の子から聞いたことがありますー。おそらくそこでしょうねー』
「ええ。ルオーロっていうんだけど聞いたことない?」
「初めて聞きました。私、ヴァイスア大陸に来たのが初めてで」
「そうだったの。なら白夜が大変なんじゃない?」
「はい。時間がわからなくて苦労してます」
女の人が口を開こうとしたとき、ドアが開いて濃い緑髪の男の人が顔を覗かせる。
髪色が違うので兄妹ではなさそうだ。
「あ、お客さん?いらっしゃい」
「こ、こんにちは」
「夫のジェイドよ。私はリンダ。2人で経営してるの」
「夫婦なんですね!」
飛び上がって言うと2人はお互いを見て少し顔を赤くした。
「そ、そうなの。
とりあえずベッドに案内するわね。
あ、先に銅貨3枚頂ける?」
「はい」
リンダさんに宿泊費を渡すとジェイドさんが案内してくれた。
端っこのベッドだったが、1つ飛ばしてカウンターに近いベッドにはすでに荷物が置いてあった。
「他にもお客さんがいるんですか?」
「ああ、男の人が1人。君より少し年上かな。少し外に出てくるって行っちゃったけどね。
あ、帰ってきた!」
ジェイドさんにつられて入り口見た私は開いた口が塞がらない。
私と同じ青がかった紫色の髪と青緑の目。間違いない、兄のレオだ。
「お兄ちゃん⁉」
「シーラ⁉こんなところまで来てたのか⁉」
「お兄ちゃんこそ何しに来たの⁉」
「あら、お2人はご兄妹だったのね」
兄――お兄ちゃんはリンダさんとジェイドさんにチラリと目を向けてから私に戻す。
「外で話そうか。少し込み入った内容だからな」
「うん……」
やっぱり勘当についてだろうか。
不安になりながら外に出ると、お兄ちゃんは一呼吸おいてから私の目をまっすぐ見てきた。
「俺はな、シーラを連れ戻しに来たんだ」
「へ?」
お兄ちゃんの言ったことが理解できずにフリーズする。
連れ戻す、確かにそう言った。
するとラディウスとテネルもボソボソと喋り始める。
『おかしいだろ。お前、勘当されたんだよな?』
『そのはずですが、お兄さんの話し方だとすれ違いが起きているみたいですねー』
「だ、だって私は勘当されて――」
「父さんはそんなつもりなかったんだよ」
遮られたが、お兄ちゃんの言うことだから本当なのだろう。
しかしそうだとしても、あのときのお父さんの表情や声からして本気で言っているようにしか見えなかった。
言葉を失って俯いていると、お兄ちゃんは少し声を緩くして話を続ける。
「なんであんなことを言われたかは、わかるな?」
「ぬいぐるみしか作らないから……」
「そうだ。
父さんはシーラが少しでも家事をやったりマナーを勉強してくれたりしたら、と思って実行したみたいなんだ。
まさか本気で出ていかれるとは思ってなかったから父さんも落ち込んでたけど。ははは!」
そう言ってお兄ちゃんは笑ったが、笑う気にはなれない。今さら本気じゃなかったと言われてもどう対処していいのかわからないからだ。
するとお兄ちゃんが手を差し出してきた。意図が読めずに固まっていると予想外の言葉を口にする。
「というわけだ。帰るぞ、シーラ」
「…………ごめん、お兄ちゃん。まだ帰れない」
「は?」
今度はお兄ちゃんが言葉を失い、私の言ったことが信じられないのか瞬きを繰り返している。
帰れないと言ったのはラディウスを故郷に送り届けるという使命を果たすまで帰るつもりはないからだ。
お兄ちゃんはすぐに我に返ると興奮した様子で距離を詰めてきた。
「もしかしてこっちの方が居心地がいいのか⁉」
「ううん、どうしてもやらなきゃいけないことがあるから」
「…………そうか」
そう言ってゆっくり頷いた。しかも焦っているわけではなく、どこか嬉しそうで首を傾げる。
無理矢理にでも連れて帰られそうになるのかと思っていたが違うようだ。
「私を連れて帰るんじゃないの?」
「そのつもりだったけどな。どうしてもやらなきゃいけないことがあるんなら、それを終わらせてから帰ろう」
「いいの?それにお父さんやお母さんには何て言うの?」
「シーラが言ったことをそのまま伝えるさ。
本当は終わるまで待っていきたいんだが、3日後に狩猟大会があるからな。
俺は1回帰る。それで、終わったらコルタルで合流しよう」
「わかった。私の用事も3日あれば終わると思うから先に待ってるね」
「ああ。
そうだ!せっかくだから食料置いてくよ。お腹空かせてたらいけないと思って多めに持ってきたんだ」
「わーい!ありがとう!お兄ちゃん!」
『食料問題一気に解決ですねー。よかったです』
ようやくテネルが口を開いた。私たちの会話の速度が早すぎて入るタイミングを伺っていたのだろう。
お兄ちゃんから食料――パンを5個もらった。
そしてすぐに出ていくと言うのでお見送りをしに行く。
「じゃあまたな、シーラ」
「うん。気をつけてね。あと、ワガママ言ってごめんなさい」
「はははっ!ワガママじゃないさ。用事なんだろ?しっかり終わらせて来いよ」
「うん!」
お兄ちゃんは満足そうに頷いて歩き始めた。家に居たときもしょっちゅう歩き回っているせいか私と歩き方が全く違う。
真似したら少しは疲れにくくなるだろうか。
すると突然お兄ちゃんが振り向く。
「あ、そうだ、1つ言い忘れてたよ。
その2つのぬいぐるみ、いいな!」
「ありがとう!自信作だからね!」
お兄ちゃんは親指を立てるとまた歩き始めて、姿が見えなくなるまで振り返ることはなかった。
私の趣味に対しては寛容でよく褒めてくれていたのを思い出す。
『シーラちゃん、とってもいいお兄さんですね!ワタシまで嬉しいですよ』
『……悪くはない』
「うん。
でも用事の内容聞かれなくてよかった。ぬいぐるみが喋りだしたなんて言っても信じてくれそうにないし」
『信じろっていう方がムリだな』
『でもお兄さんなら信じてくれそうですねー』
2人の会話に微笑みながら宿屋に戻る。
明日はいよいよ山に行くけど、ラディウスの住処がありますように。
「いらっしゃい。あなた1人?珍しいわね」
肩まである茶色い色の髪を1つ結びにした女の人が出迎えてくれる。
小屋の中は簡素な造りで、女の人が使用する台所と生活スペース、そしてベッドがあった。
ベッドは壁側に3つ並べられていて、間に衝立はあったものの個室ではないことにビックリする。寝相が悪い人と一緒になってしまったら大変そうだ。
「宿屋さんの看板があったので来たんですけど……」
「その通りよ。ここは宿屋。といっても見ての通り狭いから大人数は泊まれないけれど」
『ごく普通の人だな』
『ですねー。もし悪いことしてたら軽くシバいちゃいましょー』
リル村でのことがあってからラディウスもテネルも初対面の人に警戒しているみたいだ。
私はそういうことは全くわからないが、2人がそう言うのなら大丈夫なのだろう。
「でもどうしてこんな場所で?」
「この先にホワイトドラゴンが住んでいた山があるのは知ってる?」
「はい。そこを目指してて」
「やっぱりね。あなたみたいな人たちの為に宿屋をしてるってのもあるわ。
途中で疲れちゃう人が多いみたいでね。
でも1番の理由は王都での生活が嫌になっちゃったの」
「王都?」
馴染みのないワードだ。
貴族の間でも王様や王子様やお城のワードが出てくることはあるが、それらと関係があるのだろうか。
『北の方にキラキラしたものばかりつけてる人がたくさんいるって他の子から聞いたことがありますー。おそらくそこでしょうねー』
「ええ。ルオーロっていうんだけど聞いたことない?」
「初めて聞きました。私、ヴァイスア大陸に来たのが初めてで」
「そうだったの。なら白夜が大変なんじゃない?」
「はい。時間がわからなくて苦労してます」
女の人が口を開こうとしたとき、ドアが開いて濃い緑髪の男の人が顔を覗かせる。
髪色が違うので兄妹ではなさそうだ。
「あ、お客さん?いらっしゃい」
「こ、こんにちは」
「夫のジェイドよ。私はリンダ。2人で経営してるの」
「夫婦なんですね!」
飛び上がって言うと2人はお互いを見て少し顔を赤くした。
「そ、そうなの。
とりあえずベッドに案内するわね。
あ、先に銅貨3枚頂ける?」
「はい」
リンダさんに宿泊費を渡すとジェイドさんが案内してくれた。
端っこのベッドだったが、1つ飛ばしてカウンターに近いベッドにはすでに荷物が置いてあった。
「他にもお客さんがいるんですか?」
「ああ、男の人が1人。君より少し年上かな。少し外に出てくるって行っちゃったけどね。
あ、帰ってきた!」
ジェイドさんにつられて入り口見た私は開いた口が塞がらない。
私と同じ青がかった紫色の髪と青緑の目。間違いない、兄のレオだ。
「お兄ちゃん⁉」
「シーラ⁉こんなところまで来てたのか⁉」
「お兄ちゃんこそ何しに来たの⁉」
「あら、お2人はご兄妹だったのね」
兄――お兄ちゃんはリンダさんとジェイドさんにチラリと目を向けてから私に戻す。
「外で話そうか。少し込み入った内容だからな」
「うん……」
やっぱり勘当についてだろうか。
不安になりながら外に出ると、お兄ちゃんは一呼吸おいてから私の目をまっすぐ見てきた。
「俺はな、シーラを連れ戻しに来たんだ」
「へ?」
お兄ちゃんの言ったことが理解できずにフリーズする。
連れ戻す、確かにそう言った。
するとラディウスとテネルもボソボソと喋り始める。
『おかしいだろ。お前、勘当されたんだよな?』
『そのはずですが、お兄さんの話し方だとすれ違いが起きているみたいですねー』
「だ、だって私は勘当されて――」
「父さんはそんなつもりなかったんだよ」
遮られたが、お兄ちゃんの言うことだから本当なのだろう。
しかしそうだとしても、あのときのお父さんの表情や声からして本気で言っているようにしか見えなかった。
言葉を失って俯いていると、お兄ちゃんは少し声を緩くして話を続ける。
「なんであんなことを言われたかは、わかるな?」
「ぬいぐるみしか作らないから……」
「そうだ。
父さんはシーラが少しでも家事をやったりマナーを勉強してくれたりしたら、と思って実行したみたいなんだ。
まさか本気で出ていかれるとは思ってなかったから父さんも落ち込んでたけど。ははは!」
そう言ってお兄ちゃんは笑ったが、笑う気にはなれない。今さら本気じゃなかったと言われてもどう対処していいのかわからないからだ。
するとお兄ちゃんが手を差し出してきた。意図が読めずに固まっていると予想外の言葉を口にする。
「というわけだ。帰るぞ、シーラ」
「…………ごめん、お兄ちゃん。まだ帰れない」
「は?」
今度はお兄ちゃんが言葉を失い、私の言ったことが信じられないのか瞬きを繰り返している。
帰れないと言ったのはラディウスを故郷に送り届けるという使命を果たすまで帰るつもりはないからだ。
お兄ちゃんはすぐに我に返ると興奮した様子で距離を詰めてきた。
「もしかしてこっちの方が居心地がいいのか⁉」
「ううん、どうしてもやらなきゃいけないことがあるから」
「…………そうか」
そう言ってゆっくり頷いた。しかも焦っているわけではなく、どこか嬉しそうで首を傾げる。
無理矢理にでも連れて帰られそうになるのかと思っていたが違うようだ。
「私を連れて帰るんじゃないの?」
「そのつもりだったけどな。どうしてもやらなきゃいけないことがあるんなら、それを終わらせてから帰ろう」
「いいの?それにお父さんやお母さんには何て言うの?」
「シーラが言ったことをそのまま伝えるさ。
本当は終わるまで待っていきたいんだが、3日後に狩猟大会があるからな。
俺は1回帰る。それで、終わったらコルタルで合流しよう」
「わかった。私の用事も3日あれば終わると思うから先に待ってるね」
「ああ。
そうだ!せっかくだから食料置いてくよ。お腹空かせてたらいけないと思って多めに持ってきたんだ」
「わーい!ありがとう!お兄ちゃん!」
『食料問題一気に解決ですねー。よかったです』
ようやくテネルが口を開いた。私たちの会話の速度が早すぎて入るタイミングを伺っていたのだろう。
お兄ちゃんから食料――パンを5個もらった。
そしてすぐに出ていくと言うのでお見送りをしに行く。
「じゃあまたな、シーラ」
「うん。気をつけてね。あと、ワガママ言ってごめんなさい」
「はははっ!ワガママじゃないさ。用事なんだろ?しっかり終わらせて来いよ」
「うん!」
お兄ちゃんは満足そうに頷いて歩き始めた。家に居たときもしょっちゅう歩き回っているせいか私と歩き方が全く違う。
真似したら少しは疲れにくくなるだろうか。
すると突然お兄ちゃんが振り向く。
「あ、そうだ、1つ言い忘れてたよ。
その2つのぬいぐるみ、いいな!」
「ありがとう!自信作だからね!」
お兄ちゃんは親指を立てるとまた歩き始めて、姿が見えなくなるまで振り返ることはなかった。
私の趣味に対しては寛容でよく褒めてくれていたのを思い出す。
『シーラちゃん、とってもいいお兄さんですね!ワタシまで嬉しいですよ』
『……悪くはない』
「うん。
でも用事の内容聞かれなくてよかった。ぬいぐるみが喋りだしたなんて言っても信じてくれそうにないし」
『信じろっていう方がムリだな』
『でもお兄さんなら信じてくれそうですねー』
2人の会話に微笑みながら宿屋に戻る。
明日はいよいよ山に行くけど、ラディウスの住処がありますように。
1
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?
今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。
しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。
が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。
レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。
レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。
※3/6~ プチ改稿中
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる