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第1章 勘当旅編
19話 進捗
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洞窟を出てから適当に歩き出した私は、これからについてラディウスたちに相談していた。
リル村に戻ろうかとも考えたが、またさっきのようなことに巻き込まれたくないので選択肢から外す。
「もう山に向かおうかなー」
『南でしたよねー。行くまでに小屋でもあればいいんですけど』
『つーか、村が町がないと詰むぞ。お前、あと食料どれぐらいだ?』
革袋をあさってパンを取り出すと、ちょうど片手に収まる量だった。現在地から山までの距離がわからないし、
さすがに私でもこのままだと危ないと思う。
「これはマズいよね……」
『ですねー』
「どこかで買わないと――あ」
言葉を切って立ち止まる。リル村の入り口が見えてきたからだ。ここから見える限りでは村人の姿は見えないが、
特に村長に見つかったら厄介なことになりそうなので足早に通り過ぎる。
「あー、危なかったー。誰もいなくてよかったね」
『そうなんですけどー、シーラちゃんがいる場所は来るときに通りましたよ』
「うそッ⁉」
慌てて方向転換した。今まで歩いてきた街道とは別に、リル村の入り口から直線に街道が伸びている。
枝分かれしていたようで、おそらくこの道が山に続くのだろう。
「じゃあ、しばらく村から見える場所歩かなきゃいけないの⁉」
『盲信娘が!必ず街道を通らなきゃいけないルールなんてねぇだろ!』
『そうですねー。村人たちが悪事を知っているのかはわかりませんが、見つからないに越したことはないです。
街道が見えるギリギリの悪路を歩きましょう』
「そうなっちゃうよね……」
ラディウスたちのアドバイスに頷きながらも悪路に目をやる。草が足首まで伸びていて歩きづらいのは間違いない。
でも街道を歩くよりはマシなので渋々足を進める。草が足をくすぐってきて不快感を覚えた。
「そういえばテネル……」
『なんでしょうー?』
「この子たちずっとついてきてるんだけど」
助けてくれたスライム集団のことだ。気にしないようにはしていたのだが、ちゃっかりラディウスたちを運んでいる。
洞窟から薄々思っていたが、テネルは普通のスライムではないだろう。
てっきりまた何か指示を出すかと思ったのにテネルは笑い始めてしまった。
『アッハハハー、どうしましょう?』
「テネルって何者?普通のスライムじゃないよね?」
『………………。
フッフッフッー、よくぞ聞いてくれました、シーラちゃん!
ワタシこそスライムの王、です!』
「王様?」
開き直ったかのように言うテネルに首を傾げる。
しかしテネルの周りにはスライムたちが集まっているので嘘ではないのだろう。
『なんとですね、この姿でも仲間たちとお話できたんですよー。
で、事情を話して協力してもらったってわけです』
「そうだったんだ。本当にありがとう」
『やー、こちらこそありがとうですよ。この子たちもシーラちゃんに感謝してますし。
またワタシと話せるなんて思ってなかったって』
スライム集団に目を向けると、ラディウスたちを運ぶのに支障が出ない程度に私の方を向いて小さく飛び跳ねていた。かわいいしか感想が出てこない。
すると突然1匹が列から飛び出して私の体に登ってくる。ビックリしてコケそうになった。
「うわわわ⁉」
『おやまー、その子シーラちゃんに懐いてますね。何があったんですー?』
右手に収まったスライムにテネルが尋ねるとピーピー鳴きながら飛び跳ねる。
何を言っているのかサッパリわからないが、テネルは理解できているようで何度も頷いていた。
『フムフム、そうだったんですかー。なら懐くのも当然ですね』
「何て言ってるの?」
「シーラちゃんにパンをもらったって言ってますー。おいしかったって」
「あ!あのときの!」
思わずスライムに顔を近づけると頬ずりしてくる。少し冷たくてベタベタしているが、かわいいの方が勝った。
「また会えたね。元気そうでよかった」
スライムはそのまま落ち着いてしまったので右手が塞がったまま歩く。
話している内にあることを思い出した。ラディウスに何をしていたか話してもらわないと行けないのだった。
「それはそうとラディウスは何してたの?案内してもらった家に入ったときにはいなかったよね?」
『なんかザワザワしてな。お前の肩から飛び降りて物陰から様子見てたんだ。そしたら思った通りだったぜ。
慌ててスライム起こして、村のヤツらに見つからないように洞窟に向かったってわけだ』
「……………………」
言葉を失う。もしラディウスかテネルのどちらかがいなかったらと思うと
ゾッとしたからだ。無傷では済まなかっただろう。
『本当感謝しろよ?』
「うん……」
『なんだよ元気ねーな。イジリがいがなくなるだろ』
『ラディウスさん、シーラちゃんをイジッてたんですか……』
『ヒマだからな!』
少しイラッとはしたが、言葉を返す気にもなれない。
そのまま会話が途切れて、私の足音とスライム集団のプヨプヨという音が響いていた。
ずっと陽が出ているせいもあってどのぐらい歩いたのかわからないが、
遠くに小屋のような建物を見つけてモヤモヤしていたのが吹き飛ぶ。
「見て、小屋があるよ!」
『え、そうなんですかー?見えないですー』
『同じくだ!つーか遠くは見えねぇって言っただろうが!』
「ごめん!でも小屋が見える!」
ラディウスたちの文句を受け止めながら少し早歩きで進む。だんだんクッキリ見えてきて、1軒家を2つ並べたような小屋とすぐ隣に石柵があった。
建物の前まで来るとなんとベッドの看板がかかっている。
「え、宿屋さん?」
『みたいだな。だが、こんな所に建てるかフツー?』
『まぁ少ーし怪しいですが、入ってみる価値はあると思います』
「そっか。うーんどうしよう」
周りには何もなく危険な目にあったら今度こそ終わりだと思うが、正直に言うと休みたかった。
もしかしたら食べ物も分けてもらえるかもしれない。
しかしそうなるとテネルやスライム集団とはお別れになってしまう。
「さすがにみんなを連れて入るわけにはいかないから、テネルたちとはここでお別れだね」
『あ、そのことなんですけどー、ワタシはシーラちゃんの目的が果たされるまではついていきます』
「え⁉」
ビックリしている私を見てテネルは少し飛び跳ねると話を続ける。
『この子たちには洞窟に行くまでに話しておきました。結局ここまで来ちゃいましたけどねー。
さ、みんなちゃんと住処まで帰るんですよ。ワタシが戻るまでケンカしないでくださいねー』
「みんな気をつけてねー」
スライム集団がピーピー鳴きながら帰っていく。見送っているだけなのに少し悲しくなってきた。
彼等の姿が完全に見えなくなると一呼吸おいてから宿屋のドアを開けた。
リル村に戻ろうかとも考えたが、またさっきのようなことに巻き込まれたくないので選択肢から外す。
「もう山に向かおうかなー」
『南でしたよねー。行くまでに小屋でもあればいいんですけど』
『つーか、村が町がないと詰むぞ。お前、あと食料どれぐらいだ?』
革袋をあさってパンを取り出すと、ちょうど片手に収まる量だった。現在地から山までの距離がわからないし、
さすがに私でもこのままだと危ないと思う。
「これはマズいよね……」
『ですねー』
「どこかで買わないと――あ」
言葉を切って立ち止まる。リル村の入り口が見えてきたからだ。ここから見える限りでは村人の姿は見えないが、
特に村長に見つかったら厄介なことになりそうなので足早に通り過ぎる。
「あー、危なかったー。誰もいなくてよかったね」
『そうなんですけどー、シーラちゃんがいる場所は来るときに通りましたよ』
「うそッ⁉」
慌てて方向転換した。今まで歩いてきた街道とは別に、リル村の入り口から直線に街道が伸びている。
枝分かれしていたようで、おそらくこの道が山に続くのだろう。
「じゃあ、しばらく村から見える場所歩かなきゃいけないの⁉」
『盲信娘が!必ず街道を通らなきゃいけないルールなんてねぇだろ!』
『そうですねー。村人たちが悪事を知っているのかはわかりませんが、見つからないに越したことはないです。
街道が見えるギリギリの悪路を歩きましょう』
「そうなっちゃうよね……」
ラディウスたちのアドバイスに頷きながらも悪路に目をやる。草が足首まで伸びていて歩きづらいのは間違いない。
でも街道を歩くよりはマシなので渋々足を進める。草が足をくすぐってきて不快感を覚えた。
「そういえばテネル……」
『なんでしょうー?』
「この子たちずっとついてきてるんだけど」
助けてくれたスライム集団のことだ。気にしないようにはしていたのだが、ちゃっかりラディウスたちを運んでいる。
洞窟から薄々思っていたが、テネルは普通のスライムではないだろう。
てっきりまた何か指示を出すかと思ったのにテネルは笑い始めてしまった。
『アッハハハー、どうしましょう?』
「テネルって何者?普通のスライムじゃないよね?」
『………………。
フッフッフッー、よくぞ聞いてくれました、シーラちゃん!
ワタシこそスライムの王、です!』
「王様?」
開き直ったかのように言うテネルに首を傾げる。
しかしテネルの周りにはスライムたちが集まっているので嘘ではないのだろう。
『なんとですね、この姿でも仲間たちとお話できたんですよー。
で、事情を話して協力してもらったってわけです』
「そうだったんだ。本当にありがとう」
『やー、こちらこそありがとうですよ。この子たちもシーラちゃんに感謝してますし。
またワタシと話せるなんて思ってなかったって』
スライム集団に目を向けると、ラディウスたちを運ぶのに支障が出ない程度に私の方を向いて小さく飛び跳ねていた。かわいいしか感想が出てこない。
すると突然1匹が列から飛び出して私の体に登ってくる。ビックリしてコケそうになった。
「うわわわ⁉」
『おやまー、その子シーラちゃんに懐いてますね。何があったんですー?』
右手に収まったスライムにテネルが尋ねるとピーピー鳴きながら飛び跳ねる。
何を言っているのかサッパリわからないが、テネルは理解できているようで何度も頷いていた。
『フムフム、そうだったんですかー。なら懐くのも当然ですね』
「何て言ってるの?」
「シーラちゃんにパンをもらったって言ってますー。おいしかったって」
「あ!あのときの!」
思わずスライムに顔を近づけると頬ずりしてくる。少し冷たくてベタベタしているが、かわいいの方が勝った。
「また会えたね。元気そうでよかった」
スライムはそのまま落ち着いてしまったので右手が塞がったまま歩く。
話している内にあることを思い出した。ラディウスに何をしていたか話してもらわないと行けないのだった。
「それはそうとラディウスは何してたの?案内してもらった家に入ったときにはいなかったよね?」
『なんかザワザワしてな。お前の肩から飛び降りて物陰から様子見てたんだ。そしたら思った通りだったぜ。
慌ててスライム起こして、村のヤツらに見つからないように洞窟に向かったってわけだ』
「……………………」
言葉を失う。もしラディウスかテネルのどちらかがいなかったらと思うと
ゾッとしたからだ。無傷では済まなかっただろう。
『本当感謝しろよ?』
「うん……」
『なんだよ元気ねーな。イジリがいがなくなるだろ』
『ラディウスさん、シーラちゃんをイジッてたんですか……』
『ヒマだからな!』
少しイラッとはしたが、言葉を返す気にもなれない。
そのまま会話が途切れて、私の足音とスライム集団のプヨプヨという音が響いていた。
ずっと陽が出ているせいもあってどのぐらい歩いたのかわからないが、
遠くに小屋のような建物を見つけてモヤモヤしていたのが吹き飛ぶ。
「見て、小屋があるよ!」
『え、そうなんですかー?見えないですー』
『同じくだ!つーか遠くは見えねぇって言っただろうが!』
「ごめん!でも小屋が見える!」
ラディウスたちの文句を受け止めながら少し早歩きで進む。だんだんクッキリ見えてきて、1軒家を2つ並べたような小屋とすぐ隣に石柵があった。
建物の前まで来るとなんとベッドの看板がかかっている。
「え、宿屋さん?」
『みたいだな。だが、こんな所に建てるかフツー?』
『まぁ少ーし怪しいですが、入ってみる価値はあると思います』
「そっか。うーんどうしよう」
周りには何もなく危険な目にあったら今度こそ終わりだと思うが、正直に言うと休みたかった。
もしかしたら食べ物も分けてもらえるかもしれない。
しかしそうなるとテネルやスライム集団とはお別れになってしまう。
「さすがにみんなを連れて入るわけにはいかないから、テネルたちとはここでお別れだね」
『あ、そのことなんですけどー、ワタシはシーラちゃんの目的が果たされるまではついていきます』
「え⁉」
ビックリしている私を見てテネルは少し飛び跳ねると話を続ける。
『この子たちには洞窟に行くまでに話しておきました。結局ここまで来ちゃいましたけどねー。
さ、みんなちゃんと住処まで帰るんですよ。ワタシが戻るまでケンカしないでくださいねー』
「みんな気をつけてねー」
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