32 / 72
32話
しおりを挟む
私は森の中なら誰が来ても問題ないと考えているけれど、森の外になると膨大な力が使えない。
森の中だと転移魔法の力を受けてしまう騎士隊と暗躍部隊の合同チームは、食材の買物、情報収集のために森の外に出ているウォルフとズビアのどちらかを捕らえようとしている。
「エレナ様が契約していますし、ウォルフとズビアなら問題ありませんね」
ハロルドがそう告げるのは、あの2人が誰かにやられる姿を想像できないからでしょう。
この森の長……力が強いウォルフと、魔力が凄いズビアに、私が契約することで更に力をつけている。
森で暮らし始めた時――真っ先に黒兎のズビアが、契約獣にして欲しいと頼み込んできた。
誰も居なくて寂しかったこともあり、私はズビアと契約して……私が森を支配しに来たのかを探ろうとしていたことを知る。
結局、私がただこの森で生活したいとズビアが理解すると、森の長をしている白虎のウォルフを紹介してくれて……私がこの森で一番強いから忠誠を誓いたいって言ってたっけ。
森を支配するつもりなら抗う気で契約してきた黒兎ズビアと、強さを認めて契約した白虎のウォルフ。
私が契約したことで強化されて、人型の姿にもなることができている2人を倒すことはできないはずだ。
それでも絶対ではない……屋敷内には入れないと考えていたのに、侵入を許してしまったこともある。
「ハロルドの言うとおり、問題はなさそうね……今回は一切侮っていないもの」
暗躍部隊の襲撃を受けた時は、ズビアとウォルフを警護のために屋敷で待機させていなかった。
王の間では暗躍部隊が動くことを知っていたのに、私達は余裕を持ってしまったからこそ、追い詰められている。
そのことを反省して……今回は王の間で聞いた上で、対策を立てている。
そしてウォルフとズビアは強く、隙がない以上……私とハロルドは大丈夫だと確信していた。
森の中だと転移魔法の力を受けてしまう騎士隊と暗躍部隊の合同チームは、食材の買物、情報収集のために森の外に出ているウォルフとズビアのどちらかを捕らえようとしている。
「エレナ様が契約していますし、ウォルフとズビアなら問題ありませんね」
ハロルドがそう告げるのは、あの2人が誰かにやられる姿を想像できないからでしょう。
この森の長……力が強いウォルフと、魔力が凄いズビアに、私が契約することで更に力をつけている。
森で暮らし始めた時――真っ先に黒兎のズビアが、契約獣にして欲しいと頼み込んできた。
誰も居なくて寂しかったこともあり、私はズビアと契約して……私が森を支配しに来たのかを探ろうとしていたことを知る。
結局、私がただこの森で生活したいとズビアが理解すると、森の長をしている白虎のウォルフを紹介してくれて……私がこの森で一番強いから忠誠を誓いたいって言ってたっけ。
森を支配するつもりなら抗う気で契約してきた黒兎ズビアと、強さを認めて契約した白虎のウォルフ。
私が契約したことで強化されて、人型の姿にもなることができている2人を倒すことはできないはずだ。
それでも絶対ではない……屋敷内には入れないと考えていたのに、侵入を許してしまったこともある。
「ハロルドの言うとおり、問題はなさそうね……今回は一切侮っていないもの」
暗躍部隊の襲撃を受けた時は、ズビアとウォルフを警護のために屋敷で待機させていなかった。
王の間では暗躍部隊が動くことを知っていたのに、私達は余裕を持ってしまったからこそ、追い詰められている。
そのことを反省して……今回は王の間で聞いた上で、対策を立てている。
そしてウォルフとズビアは強く、隙がない以上……私とハロルドは大丈夫だと確信していた。
70
お気に入りに追加
5,748
あなたにおすすめの小説
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
【完結】私よりも妹が大事なんですか?~捨てる親あれば拾う王子あり~
如月ぐるぐる
恋愛
「お姉ちゃんのお洋服かわいいね、私の方が似合うと思うの」
昔から妹はこうだった。
両親も私より妹の方が可愛いみたいだし、いい加減イジメにも飽き飽きしたわ!
学園を卒業したら婚約者と結婚して、さっさと家を出てやるんだから!
「え? 婚約……破棄ですか?」
「すまない、僕は君の妹と結婚する事にしたんだ」
妹に醜くなったと婚約者を押し付けられたのに、今さら返せと言われても
亜綺羅もも
恋愛
クリスティーナ・デロリアスは妹のエルリーン・デロリアスに辛い目に遭わされ続けてきた。
両親もエルリーンに同調し、クリスティーナをぞんざいな扱いをしてきた。
ある日、エルリーンの婚約者であるヴァンニール・ルズウェアーが大火傷を負い、醜い姿となってしまったらしく、エルリーンはその事実に彼を捨てることを決める。
代わりにクリスティーナを押し付ける形で婚約を無かったことにしようとする。
そしてクリスティーナとヴァンニールは出逢い、お互いに惹かれていくのであった。
私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは1週間だけです
天宮有
恋愛
婚約者ジェイクが、魔法が使えなくなった私セリスに婚約破棄を言い渡してくる。
私の妹ローナを新たな婚約者にするために、ジェイクが私の魔力を奪ったことは把握していた。
奪えるのは1週間だけだと知っていたから、私は冷静に婚約破棄を受け入れる。
魔力を奪ってくる婚約者なんて、私の方からお断りだ。
そして数日後――ジェイクは真相を知ることとなる。
【完結】え?今になって婚約破棄ですか?私は構いませんが大丈夫ですか?
ゆうぎり
恋愛
カリンは幼少期からの婚約者オリバーに学園で婚約破棄されました。
卒業3か月前の事です。
卒業後すぐの結婚予定で、既に招待状も出し終わり済みです。
もちろんその場で受け入れましたよ。一向に構いません。
カリンはずっと婚約解消を願っていましたから。
でも大丈夫ですか?
婚約破棄したのなら既に他人。迷惑だけはかけないで下さいね。
※ゆるゆる設定です
※軽い感じで読み流して下さい
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
溺愛を作ることはできないけれど……~自称病弱な妹に婚約者を寝取られた伯爵令嬢は、イケメン幼馴染と浮気防止の魔道具を開発する仕事に生きる~
弓はあと
恋愛
「センティア、君との婚約は破棄させてもらう。病弱な妹を苛めるような酷い女とは結婚できない」
……病弱な妹?
はて……誰の事でしょう??
今目の前で私に婚約破棄を告げたジラーニ様は、男ふたり兄弟の次男ですし。
私に妹は、元気な義妹がひとりしかいないけれど。
そう、貴方の腕に胸を押しつけるようにして腕を絡ませているアムエッタ、ただひとりです。
※現実世界とは違う異世界のお話です。
※全体的に浮気がテーマの話なので、念のためR15にしています。詳細な性描写はありません。
※設定ゆるめ、ご都合主義です。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。
【完結】唯一の味方だと思っていた婚約者に裏切られました
紫崎 藍華
恋愛
両親に愛されないサンドラは婚約者ができたことで救われた。
ところが妹のリザが婚約者を譲るよう言ってきたのだ。
困ったサンドラは両親に相談するが、両親はリザの味方だった。
頼れる人は婚約者しかいない。
しかし婚約者は意外な提案をしてきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる