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23話

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 数日後――騎士隊よりも早く、暗躍部隊が森の中に侵入してきている。

 夜間行動していて、森の中に人の気配を感じた私は目覚めるようにしているも……気になることがあった。

 悪いと思いつつも、侵入者が森に入ってきたら起こして欲しいと頼まれていたから、私はハロルドを起こす。

 そして魔道具によるモニターのある部屋に向かうも……暗躍部隊はどこにも映っていない。

「魔力反応は6人分あるけど、画面には誰も居ないわね」

「……エレナさんは魔力を察知できていて、このモニターが動いている時点で暗躍部隊は存在しているはず」

 ハロルドの言う通りだけど、映像は景色を勝手に映すだけで……私は気付く。

「これは透明魔法ね。見えなければその人を1度視認して転移させることができなくなるから、常に透明で行動しすることで転移魔法の対象にならないようにしているわ」

 様々な魔法に詳しいライオスは、騎士隊の敗北から対策を練ってきたようだ。

 それを王の間で伝えていない辺り……やっぱりライオスは、監視されていることを知っていそうだった。

 転移魔法の対策を、宰相ライオスは私達の監視していない場所で立てていた。

 どうしてそれをルドロス王に伝えていないのかが理解できないでいると、ハロルドがモニターを眺めて。

「その透明化の魔法で転移魔法の対策はできたとしても……侵入遮断の結界が張られている敷地内に入ることはできませんよね?」

 ハロルドが私に尋ねるけど、私は少し思案して。

「転移魔法の対策を立てた辺り、侵入遮断の結界も対処法を考えているはず……どうするのかしら?」

 暗躍部隊を眺めていると、敷地内に到着していた。

 そして――6人居る暗躍部隊の1人が、透明化の魔法を解除していた。

「透明の魔法を解除しましたね」

「別のことに魔力を使いたいからだと思うけど……あの腕輪に魔力を籠めているようね」

 両腕に装備した腕輪に魔力を籠めた暗躍部隊の1人が両手で結界に触れて数秒後、他の5人が敷地内に侵入していた。

「ど、どうして……」

「どうやらあの隊員は、自分自身を結界と一体化させることで、遮断されない対象に部隊を入れたようね」

 そんな魔道具は知らない。
 恐らくルドロス国ではなく、ライオスが所持していた魔道具のはず。

 遂に家の中に入られそうな状況になって、ハロルドは私を守ろうとしてくれている。

 その行動に嬉しくなるけど、私にとってこの状況は窮地ではなかった。
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