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番外編
4話
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春休みがはじまって数日が経ち、私とジリクはウルルに乗って先代の神獣が住んでいる国に到着した。
元神獣ゲーベルが話をしたいと招待されて、私としても先代の神獣には興味がある。
先代の神獣は引退したけど神さまの力が一部残っているから、今でも国の守り神として称えられているようだ。
ゲーベルは王都に住んでいるようで、私達は広場に到着する。
待ち合わせ場所は巨大な亀の銅像の前で、ゲーベルの主が来るのを待っていた。
銅像は元神獣ゲーベルの姿とジリクから聞き、ウルルと同じぐらいの大きさで、本物のゲーベルは更に大きいらしい。
銅像を眺めながら、私は気になってしまう。
「もしかしたら……これから、ウルルの銅像もできるのかしら?」
『えぇっ、それは大丈夫かな?』
どうやらウルルは、怖過ぎると言われていたせいで不安になっていそう。
反応を見て、ジリクが話してくれる。
「ジェドフ国とこの国は神獣に対する扱いが違う。これは国が元神獣のゲーベルを守っているからこそだ」
「ウルルは神獣として規格外の強さだから、ジェドフ国が守らなくてもいいものね」
「それでも作って欲しいのなら、陛下に頼めば作るんじゃないかな」
『僕としては、自分の銅像はあまり見たくないよ』
私としては皆にウルルの可愛さを知って欲しかったけど、望んでいないのなら頼まないでおこう。
話し合っていると、私達の元へ1人の青年がやって来る。
青く長い髪、長身で爽やかそうな雰囲気を出している人は、先代の神獣ゲーベルの主だ。
「俺はダナエル。神獣の主とその婚約者なら、立場は対等だろう」
手を挙げて微笑むダナエルさまに、私達も挨拶をする。
「はい。私はライラ、こちらが神獣のウルルです」
「私はジリクだ。元神獣のゲーベルは、私達に話があるようだな」
「ああ。これから君達は、城の地下でゲーベルに会ってもらう」
ゲーベルが私達を国に呼び、会って話したいことがあるらしい。
ダナエルの案内で、私達は城の地下に向かおうとしていた。
◇◆◇
城の中には地下へ向かうための階段があって、降りると地下とは思えない光景が見える。
城の地下なのにとてつもなく広い部屋で、魔道具による光で地下とは思えないほど明るい。
水場もあって――聖域の影響で発生した王都の魔力を使い、魔道具を動かせていると推測できる。
周囲を眺めて、ジリクが驚きながら呟く。
「これは……魔道具で、人工的に亀が住みやすい場所を作っているのか」
「そうだ。日光浴の際は外に出ているが、基本的にこの地下で生活している。ライラは、何か聞きたいことがあるか?」
「今はありません。大丈夫です」
「そうか。何か気になることがあれば、なんでも話して欲しい」
「ありがとうございます」
私がダナエルさまにお礼を言うと、ジリクが少し気にしていた。
歳はかなり離れているけど私に対する反応からか、ジリクはダナエルを警戒していそうな気がする。
そんなことを考えていると、ダナエルが天井を眺めて。
「俺も君達ぐらいの歳に契約獣が神獣に選ばれた。当時の俺は不安なことだらけだったから、似た境遇のライラを気にしてしまうようだ」
「そうだったのか……ダナエルさまには、ゲーベルとの話が終わった後で聞きたいことがある」
「わかった。答えられることなら話そう」
ダナエルさまの話を聞いて、ジリクは警戒が解けたようだ。
話ながら歩いていると、私達の正面に大きな亀の姿が見える。
その亀はウルルより一回りも大きくて、奇麗な銀色の甲羅と緑色の体。
獰猛そうな顔立ちが凛々しい大亀が、私達に話しかける。
『僕はゲーベル。ライラ、ジリク、そしてウルル――来てくれて感謝する』
ゲーベルは口を一度開けて「グォォッ」と言っただけで、様々な意味が私の頭に伝わる。
ウルル以外の契約獣なのに発言がわかったことに、私は驚いてしまう。
「あの、私もゲーベルの発言がわかるみたいです」
「神獣の主なら、元神獣の発言もわかる。俺としてはジリクがゲーベルの発言を理解できることに驚きだ」
「契約魔法の応用さ。どうしてゲーベルは城の地下に住んでいる? ここは魔道具を大量に使うことで人工的に住みやすい空間ができているが、外で暮らしてもいいはず。代替わりして役目を終えた後なのに、神獣の時と同じ生活を続けているのは何故だ?」
「警戒してたさっきと違い、随分と饒舌だな」
『聞きたいことが多そうだ。説明していくとしよう』
早口になって尋ねるジリクを眺めて、私は他のことが気になっている。
地下に移動する階段の入口はウルルはなんとか通れたけど、ゲーベルの体よりは明らかに小さい。
あの巨体でどうして地下まで来られたのかわからないから、後でダナエルさまに聞こう。
ジリクの質問には、ゲーベルが返答する。
『この空間は結界魔法で守られている。僕等を強化して、敵を弱らせる力があるから一番安全だ。神獣の時は国に貢献したし、後は人々に称えられながら怠惰に生きようと思っている』
「そうか……」
「この空間の中ならゲーベルは神獣並の力になる。慎重な性格でな、君達を呼んだのも聞きたいことがあるからなんだ」
この場所にいる時が、ゲーベルは一番強いらしい。
地下に住んでいる理由はわかったけど、ゲーベルが私達をここに呼んだ理由はわからない。
「聞きたいことですか?」
『僕が聞きたいことは――ウルルを狙った犯罪者、ガデクについてだ』
――ガデク。
魔道具を使いウルルを追い詰めた青年で、ジリクがいなければ倒されていたかもしれないほどに強かった。
先々代の神獣を狩ったことがあると聞いたけど、先代の神獣ゲーベルはガデクを警戒しているようだ。
「ガデクとは戦いましたが、ウルルを倒せず逃げ去っています。聞きたいこととはなんでしょうか?」
『戦闘した際の出来事を全てだ……ここにいる僕は問題ないと思うが、念のため備えておきたい』
「わかった。ガデクが私達に何をしてきたかを話そう」
目的を知って、ジリクがガデクとの戦いで起きたことを全て話す。
先々代の神獣を狩っているから、先代のゲーベルを狙う可能性はある。
話を終えた後、ゲーベルはウルルを眺めて。
『話してくれてありがとう……ウルルは、再びガデクに狙われるかもしれない』
『えっ?』
「先々代の神獣はゲーベルとは違い、ウルルと同じように人々の為になろうと行動的だった。そこをガデク達に狙われてしまったようだ」
そう言って、ダナエルさまが先々代の神獣について話してくれる。
ウルルのように人々を守るため行動して、そこから行動を把握したガデクは罠にかけたようだ。
『ウルルの前にガデクが1人で現れたというのも気になる。先々代の神獣を狩った際、奴には3人の仲間がいたようだ』
「前回は仲間と協力したが、次は1人で倒したかったのかもな……もし再び狩ろうとするのなら、今度は仲間を引き連れてくるはずだ」
警戒はするけど、今のウルルとガデクは力の差がある。
それはガデクも理解できているだろうから、再び現れるとは思えなかった。
目的は終えたけど、私は今の内にダナエルさまに聞きたいことがある。
「ダナエルさまに、聞きたいことがあります」
「なんだ?」
「ゲーベルのことですが……あの見た目では、地上に出られなくないですか?」
それに、どうやって地下に入ったのかもわからない。
気になって尋ねると、ゲーベルが教えてくれた。
『契約獣は契約魔法の応用で、魔力を使うことで見た目を変化することができる』
「そうなんですか?」
「本当の姿と違う状態になればなるほど魔力を使うし、そこまで必要とされない力だけど……ゲーベル程の大きさなら、生活するために必須のようだ」
私が驚いてしまうと、ジリクが説明してくれる。
契約魔法に詳しいジリクは知っていたけど、ウルルが使う必要のない力だから話さなかったようだ。
『僕が手本を見せれば、ウルルも練習すればすぐに使えるようになるだろう』
ゲーベルが言って――ゲーベルの体が、徐々に小さくなっていく。
本来の姿と見た目が離れる程に魔力を消費するようで、小さくなれるけど大きくなることはできないらしい。
体の色も変えられるようで、ダナエルさまが両手で抱えられるぐらいの緑色の亀になることができている。
両手で抱えるサイズの亀だから十分大きそうだけど、本来の姿と比べるととてつもないほどの小ささだ。
「この姿になれば、地下の階段も通れるようになる」
「小さくて可愛いですね」
『……確かに可愛いと思うけど、こうなるとどこにでもいる亀みたい』
『一部の魔法が扱えなくなるし常に魔力を使い疲れるから、長時間この姿ではいられない。僕は移動の時だけしか使わないけど、何かの役に経つかもしれない』
そう言って、その後も私達はゲーベルやダナエルさまと話をする。
ゲーベルが言うには、これ以上ウルルは大きくならないらしい。
屋敷の建て替えが必要かお父さまが不安になっていたけど、報告すれば安心するはずだ。
元神獣ゲーベルが話をしたいと招待されて、私としても先代の神獣には興味がある。
先代の神獣は引退したけど神さまの力が一部残っているから、今でも国の守り神として称えられているようだ。
ゲーベルは王都に住んでいるようで、私達は広場に到着する。
待ち合わせ場所は巨大な亀の銅像の前で、ゲーベルの主が来るのを待っていた。
銅像は元神獣ゲーベルの姿とジリクから聞き、ウルルと同じぐらいの大きさで、本物のゲーベルは更に大きいらしい。
銅像を眺めながら、私は気になってしまう。
「もしかしたら……これから、ウルルの銅像もできるのかしら?」
『えぇっ、それは大丈夫かな?』
どうやらウルルは、怖過ぎると言われていたせいで不安になっていそう。
反応を見て、ジリクが話してくれる。
「ジェドフ国とこの国は神獣に対する扱いが違う。これは国が元神獣のゲーベルを守っているからこそだ」
「ウルルは神獣として規格外の強さだから、ジェドフ国が守らなくてもいいものね」
「それでも作って欲しいのなら、陛下に頼めば作るんじゃないかな」
『僕としては、自分の銅像はあまり見たくないよ』
私としては皆にウルルの可愛さを知って欲しかったけど、望んでいないのなら頼まないでおこう。
話し合っていると、私達の元へ1人の青年がやって来る。
青く長い髪、長身で爽やかそうな雰囲気を出している人は、先代の神獣ゲーベルの主だ。
「俺はダナエル。神獣の主とその婚約者なら、立場は対等だろう」
手を挙げて微笑むダナエルさまに、私達も挨拶をする。
「はい。私はライラ、こちらが神獣のウルルです」
「私はジリクだ。元神獣のゲーベルは、私達に話があるようだな」
「ああ。これから君達は、城の地下でゲーベルに会ってもらう」
ゲーベルが私達を国に呼び、会って話したいことがあるらしい。
ダナエルの案内で、私達は城の地下に向かおうとしていた。
◇◆◇
城の中には地下へ向かうための階段があって、降りると地下とは思えない光景が見える。
城の地下なのにとてつもなく広い部屋で、魔道具による光で地下とは思えないほど明るい。
水場もあって――聖域の影響で発生した王都の魔力を使い、魔道具を動かせていると推測できる。
周囲を眺めて、ジリクが驚きながら呟く。
「これは……魔道具で、人工的に亀が住みやすい場所を作っているのか」
「そうだ。日光浴の際は外に出ているが、基本的にこの地下で生活している。ライラは、何か聞きたいことがあるか?」
「今はありません。大丈夫です」
「そうか。何か気になることがあれば、なんでも話して欲しい」
「ありがとうございます」
私がダナエルさまにお礼を言うと、ジリクが少し気にしていた。
歳はかなり離れているけど私に対する反応からか、ジリクはダナエルを警戒していそうな気がする。
そんなことを考えていると、ダナエルが天井を眺めて。
「俺も君達ぐらいの歳に契約獣が神獣に選ばれた。当時の俺は不安なことだらけだったから、似た境遇のライラを気にしてしまうようだ」
「そうだったのか……ダナエルさまには、ゲーベルとの話が終わった後で聞きたいことがある」
「わかった。答えられることなら話そう」
ダナエルさまの話を聞いて、ジリクは警戒が解けたようだ。
話ながら歩いていると、私達の正面に大きな亀の姿が見える。
その亀はウルルより一回りも大きくて、奇麗な銀色の甲羅と緑色の体。
獰猛そうな顔立ちが凛々しい大亀が、私達に話しかける。
『僕はゲーベル。ライラ、ジリク、そしてウルル――来てくれて感謝する』
ゲーベルは口を一度開けて「グォォッ」と言っただけで、様々な意味が私の頭に伝わる。
ウルル以外の契約獣なのに発言がわかったことに、私は驚いてしまう。
「あの、私もゲーベルの発言がわかるみたいです」
「神獣の主なら、元神獣の発言もわかる。俺としてはジリクがゲーベルの発言を理解できることに驚きだ」
「契約魔法の応用さ。どうしてゲーベルは城の地下に住んでいる? ここは魔道具を大量に使うことで人工的に住みやすい空間ができているが、外で暮らしてもいいはず。代替わりして役目を終えた後なのに、神獣の時と同じ生活を続けているのは何故だ?」
「警戒してたさっきと違い、随分と饒舌だな」
『聞きたいことが多そうだ。説明していくとしよう』
早口になって尋ねるジリクを眺めて、私は他のことが気になっている。
地下に移動する階段の入口はウルルはなんとか通れたけど、ゲーベルの体よりは明らかに小さい。
あの巨体でどうして地下まで来られたのかわからないから、後でダナエルさまに聞こう。
ジリクの質問には、ゲーベルが返答する。
『この空間は結界魔法で守られている。僕等を強化して、敵を弱らせる力があるから一番安全だ。神獣の時は国に貢献したし、後は人々に称えられながら怠惰に生きようと思っている』
「そうか……」
「この空間の中ならゲーベルは神獣並の力になる。慎重な性格でな、君達を呼んだのも聞きたいことがあるからなんだ」
この場所にいる時が、ゲーベルは一番強いらしい。
地下に住んでいる理由はわかったけど、ゲーベルが私達をここに呼んだ理由はわからない。
「聞きたいことですか?」
『僕が聞きたいことは――ウルルを狙った犯罪者、ガデクについてだ』
――ガデク。
魔道具を使いウルルを追い詰めた青年で、ジリクがいなければ倒されていたかもしれないほどに強かった。
先々代の神獣を狩ったことがあると聞いたけど、先代の神獣ゲーベルはガデクを警戒しているようだ。
「ガデクとは戦いましたが、ウルルを倒せず逃げ去っています。聞きたいこととはなんでしょうか?」
『戦闘した際の出来事を全てだ……ここにいる僕は問題ないと思うが、念のため備えておきたい』
「わかった。ガデクが私達に何をしてきたかを話そう」
目的を知って、ジリクがガデクとの戦いで起きたことを全て話す。
先々代の神獣を狩っているから、先代のゲーベルを狙う可能性はある。
話を終えた後、ゲーベルはウルルを眺めて。
『話してくれてありがとう……ウルルは、再びガデクに狙われるかもしれない』
『えっ?』
「先々代の神獣はゲーベルとは違い、ウルルと同じように人々の為になろうと行動的だった。そこをガデク達に狙われてしまったようだ」
そう言って、ダナエルさまが先々代の神獣について話してくれる。
ウルルのように人々を守るため行動して、そこから行動を把握したガデクは罠にかけたようだ。
『ウルルの前にガデクが1人で現れたというのも気になる。先々代の神獣を狩った際、奴には3人の仲間がいたようだ』
「前回は仲間と協力したが、次は1人で倒したかったのかもな……もし再び狩ろうとするのなら、今度は仲間を引き連れてくるはずだ」
警戒はするけど、今のウルルとガデクは力の差がある。
それはガデクも理解できているだろうから、再び現れるとは思えなかった。
目的は終えたけど、私は今の内にダナエルさまに聞きたいことがある。
「ダナエルさまに、聞きたいことがあります」
「なんだ?」
「ゲーベルのことですが……あの見た目では、地上に出られなくないですか?」
それに、どうやって地下に入ったのかもわからない。
気になって尋ねると、ゲーベルが教えてくれた。
『契約獣は契約魔法の応用で、魔力を使うことで見た目を変化することができる』
「そうなんですか?」
「本当の姿と違う状態になればなるほど魔力を使うし、そこまで必要とされない力だけど……ゲーベル程の大きさなら、生活するために必須のようだ」
私が驚いてしまうと、ジリクが説明してくれる。
契約魔法に詳しいジリクは知っていたけど、ウルルが使う必要のない力だから話さなかったようだ。
『僕が手本を見せれば、ウルルも練習すればすぐに使えるようになるだろう』
ゲーベルが言って――ゲーベルの体が、徐々に小さくなっていく。
本来の姿と見た目が離れる程に魔力を消費するようで、小さくなれるけど大きくなることはできないらしい。
体の色も変えられるようで、ダナエルさまが両手で抱えられるぐらいの緑色の亀になることができている。
両手で抱えるサイズの亀だから十分大きそうだけど、本来の姿と比べるととてつもないほどの小ささだ。
「この姿になれば、地下の階段も通れるようになる」
「小さくて可愛いですね」
『……確かに可愛いと思うけど、こうなるとどこにでもいる亀みたい』
『一部の魔法が扱えなくなるし常に魔力を使い疲れるから、長時間この姿ではいられない。僕は移動の時だけしか使わないけど、何かの役に経つかもしれない』
そう言って、その後も私達はゲーベルやダナエルさまと話をする。
ゲーベルが言うには、これ以上ウルルは大きくならないらしい。
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