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20話
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授業が終わり放課後となって、今日はロザリー、アリオス様と一緒に話をしている。
そんな時に先生がやって来たけど、何かあったのだろうか。
「ケイト様に聞きたいことがあるのですが、まずはゴルドー様について話します」
教室には私とアリオス様とロザリーだけで、先生はゴルドーの現状を聞いて欲しいようだ。
先生はゴルドーの暴言に言い返すため、王子の騎士団について調査していたらしい。
ギーナは試験に落ちたようで、今日は魔法学園に登校していないことを知る。
問題を起こしてばかりのギーナを推薦したことや、まったく活躍できなくなったことで騎士団内のゴルドーの評判は悪いようだ。
「――それでも王子の騎士という立場で増長していたゴルドー様は、騎士をやめたくないようです」
話を途中で遮りたくないから終わるまで待ち、聞きたいことがあった私は先生に尋ねる。
「あの、もう私とゴルドー様は関係ありませんよ」
「ケイト様には聞いておきたいことがありまして、今までゴルドー様はガノザ殿下と仲がよかったのでしょうか?」
今は無関係だけど、婚約者だった時のゴルドーについて先生は聞きたいようだ。
第三王子のガノザの騎士になっているみたいだけど、仲がいいのかはわからない。
「わかりません……何かあるのでしょうか?」
「いえ。今のゴルドーを解雇しない理由がまったくわからず、ケイト様に尋ねてみたくなりました」
「確かに……入団した際の実力ならゴルドーを騎士にしたのもわかるが、今の実力なら即解雇していない方がおかしいですね」
アリオス様も気になったようだけど、私はガノザ王子のことを何も知らない。
先生は教室から去っていき、私は今日の授業で起きたことを話す。
「ゴルドーの話をして思い出しましたけど、授業中に腕輪を凝視していた気がします」
「それなら、ケイトが作った腕輪の力を知ったのかもしれないな」
「ケイト様が魔力を籠める必要はないですし、知っても無意味ではありませんか?」
思案するアリオス様と私を眺めて、ロザリーが尋ねる。
私は魔力を籠める気はないけど、ゴルドーが腕輪の力を知れば力を取り戻すために行動しそうだ。
「ロザリー様の言うとおりですけど、ゴルドーが何かしてくるかもしれません」
「今のゴルドー様とギーナ様は大したことできない気がするけど、何かされるかもしれないというのは怖いわね」
「そうだな。ケイトは警戒しておいて欲しい」
2人に心配されて私は警戒を強め、その後は屋敷に戻っている。
そして翌日になって――アリオス様が、魔法学園に登校しなくなっていた。
そんな時に先生がやって来たけど、何かあったのだろうか。
「ケイト様に聞きたいことがあるのですが、まずはゴルドー様について話します」
教室には私とアリオス様とロザリーだけで、先生はゴルドーの現状を聞いて欲しいようだ。
先生はゴルドーの暴言に言い返すため、王子の騎士団について調査していたらしい。
ギーナは試験に落ちたようで、今日は魔法学園に登校していないことを知る。
問題を起こしてばかりのギーナを推薦したことや、まったく活躍できなくなったことで騎士団内のゴルドーの評判は悪いようだ。
「――それでも王子の騎士という立場で増長していたゴルドー様は、騎士をやめたくないようです」
話を途中で遮りたくないから終わるまで待ち、聞きたいことがあった私は先生に尋ねる。
「あの、もう私とゴルドー様は関係ありませんよ」
「ケイト様には聞いておきたいことがありまして、今までゴルドー様はガノザ殿下と仲がよかったのでしょうか?」
今は無関係だけど、婚約者だった時のゴルドーについて先生は聞きたいようだ。
第三王子のガノザの騎士になっているみたいだけど、仲がいいのかはわからない。
「わかりません……何かあるのでしょうか?」
「いえ。今のゴルドーを解雇しない理由がまったくわからず、ケイト様に尋ねてみたくなりました」
「確かに……入団した際の実力ならゴルドーを騎士にしたのもわかるが、今の実力なら即解雇していない方がおかしいですね」
アリオス様も気になったようだけど、私はガノザ王子のことを何も知らない。
先生は教室から去っていき、私は今日の授業で起きたことを話す。
「ゴルドーの話をして思い出しましたけど、授業中に腕輪を凝視していた気がします」
「それなら、ケイトが作った腕輪の力を知ったのかもしれないな」
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思案するアリオス様と私を眺めて、ロザリーが尋ねる。
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「ロザリー様の言うとおりですけど、ゴルドーが何かしてくるかもしれません」
「今のゴルドー様とギーナ様は大したことできない気がするけど、何かされるかもしれないというのは怖いわね」
「そうだな。ケイトは警戒しておいて欲しい」
2人に心配されて私は警戒を強め、その後は屋敷に戻っている。
そして翌日になって――アリオス様が、魔法学園に登校しなくなっていた。
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