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23話
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翌日になって魔法学園に登校したけど、アリオス様の姿がない。
いつもより遅いから腕輪に魔力を籠めて位置を調べてみると、何故かゴルドーの屋敷にいるようだ。
ゴルドーも登校していないようで、何かが起きているのは間違いない。
先生に事情を説明したとしても、クラスメイトの屋敷にいると伝えただけで動いてくれるだろうか?
これから授業がはじまるし、すぐに対応してくれることはなさそう。
嫌な予感がして――私は教室から出て、ゴルドーの屋敷に向かおうとしていた。
「急に走り出したけど、何かあったの?」
授業がはじまるまで私が乗っていた馬車は待機しているから、馬車の元に向かっている。
そんな私の隣からロザリーの声が聞こえて、教室を慌てて出て行ったから気になったようだ。
「アリオス様が来ていません。ゴルドー様の屋敷にいるようです」
「腕輪でアリオス様の位置がわかるって言ってたっけ、そういえばゴルドー様も来てなかったわね」
私が今から学園を出る理由を、ロザリーには話しておく。
「はい……位置を知るためには腕輪に魔力を籠める必要があり、まだ学園に来ていないので確認してみました」
起床してすぐに位置を知りたくなり使ったけど、その時アリオス様は自分の屋敷にいた。
学園で会うから今まで位置を知る必要がなかったけど……どうしてゴルドーの屋敷にいるのか、理由がまったくわからない。
「ケイト様が焦るのもわかるけど、アリオス様の腕輪だけの可能性もないかしら?」
「それでも腕輪を奪ったことになりますし、取り戻しに行きたいです」
「確かにそうね……攻撃魔法が苦手なケイト様だけだと危ないから、私も一緒に行くわ」
「ロザリー様もですか?」
「もしアリオス様を捕らえているのなら、ゴルドー様と一緒にいそうなギーナを魔法で叩き潰しても問題ないわよね!」
ロザリーはやる気に満ちていて、ギーナが魔法で攻撃してきたら反撃するというのは本気だったらしい。
危険な目に遭って欲しくないけど、アリオス様を助けるために協力して欲しい。
「アリオス様がやられるとは思えませんし、何かありそうです。危険ですが本当にいいんですか?」
「ええ。私も理由が気になるから、一緒に行きましょう」
「わかりました……ロザリー様、ありがとうございます」
もし戦闘になれば、私は腕輪により強化された防御魔法でロザリーを守ってみせる。
そう決意して馬車に乗り、私達はゴルドーのいる屋敷に向かおうとしていた。
いつもより遅いから腕輪に魔力を籠めて位置を調べてみると、何故かゴルドーの屋敷にいるようだ。
ゴルドーも登校していないようで、何かが起きているのは間違いない。
先生に事情を説明したとしても、クラスメイトの屋敷にいると伝えただけで動いてくれるだろうか?
これから授業がはじまるし、すぐに対応してくれることはなさそう。
嫌な予感がして――私は教室から出て、ゴルドーの屋敷に向かおうとしていた。
「急に走り出したけど、何かあったの?」
授業がはじまるまで私が乗っていた馬車は待機しているから、馬車の元に向かっている。
そんな私の隣からロザリーの声が聞こえて、教室を慌てて出て行ったから気になったようだ。
「アリオス様が来ていません。ゴルドー様の屋敷にいるようです」
「腕輪でアリオス様の位置がわかるって言ってたっけ、そういえばゴルドー様も来てなかったわね」
私が今から学園を出る理由を、ロザリーには話しておく。
「はい……位置を知るためには腕輪に魔力を籠める必要があり、まだ学園に来ていないので確認してみました」
起床してすぐに位置を知りたくなり使ったけど、その時アリオス様は自分の屋敷にいた。
学園で会うから今まで位置を知る必要がなかったけど……どうしてゴルドーの屋敷にいるのか、理由がまったくわからない。
「ケイト様が焦るのもわかるけど、アリオス様の腕輪だけの可能性もないかしら?」
「それでも腕輪を奪ったことになりますし、取り戻しに行きたいです」
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「ええ。私も理由が気になるから、一緒に行きましょう」
「わかりました……ロザリー様、ありがとうございます」
もし戦闘になれば、私は腕輪により強化された防御魔法でロザリーを守ってみせる。
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