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15話
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数日が経って休日となり、私はアリオス様と一緒に平原に来ていた。
依頼を受けたようで危険な魔物との戦闘になるけど、私は防御魔法で支援できている。
風と雷魔法を得意とするアリオス様は問題なく魔物を倒し、2日間の休日が終わろうとしていた。
昨日と今日は一緒にいられることが嬉しく、昼過ぎに依頼を全て終えた私達は待機していた馬車に乗り屋敷に戻ろうとしている。
アリオス様が屋敷まで送ってくれるようで、明日はギーナの謹慎が終わるから私は気になってしまう。
「明日でギーナの謹慎があけますが、もう私達ミアラナ伯爵家とは無関係です」
「謹慎になった時点でギーナはロルアド侯爵家で暮らすことが決まり、ゴルドーはケイトに対して何か言いたそうにしていたが、私が近くにいたから動けなかったのだろう」
この1週間、同じクラスだからゴルドーが徐々に疲弊している姿を私達は見ている。
婚約者のギーナとゴルドーの母マリダが仲良くしている姿は想像できないし、大変な目に合っているのかもしれない。
もう聞く気もないから気にしない方がいいと思うけど、ゴルドーが私に近づこうとしていた。
「謹慎があけると、ギーナはケイトに接触してくるかもしれないな」
「私も同じ考えですが、ギーナが何を言ったとしても私は拒んでみせます」
決意を話して、1週間の間に学園で起きた出来事を思い返す。
ゴルドーはギーナが魔法で攻撃した生徒の家に慰謝料を支払ったようで、ずっと悩み苦しんでいた。
騎士団の一員だから魔法学園側はゴルドーには重い処罰をしていないけど、騎士団には知られているようだ。
「ギーナの行動だが婚約者であるゴルドーの責任だから、騎士団の評判を落としたことにもなる」
「ゴルドー様は魔法の実力から増長していますし、王子の騎士には相応しくありません」
「先生に対してもあの態度だったからな。それにケイトが作った腕輪の力も弱まっているし、もう何もできないだろう」
アリオス様の発言を聞いて安堵し、私は今後について考える。
今作っているアリオス様とお揃いの腕輪は完成に時間がかかりそうだけど、順調にできている。
問題が起こるとしたら明日だけど、アリオス様が傍にいてくれるから問題なさそうだ。
◇◆◇
翌日になり魔法学園に登校して授業が終わるけど、何も問題は起きなかった。
ゴルドーは明らかに苛立っている様子だけど、成績が落ちているのは腕輪による力が弱まっているからだ。
あれでもまだ私の魔力が残っている状態なのに……これからも成績が下がり続けて、それでも騎士団にいられるのだろうか?
そんなことを考えていると、ギーナが私達の教室にやって来る。
勘当しているからか私の方を見ることはなくて、ギーナはゴルドーの前に立つ。
「ゴルドー様。迎えに来ました」
「わかった……ギーナよ。頼むから母上と仲良くしてくれ」
「それはマリダの態度次第でしょう。説得すると言ったのはゴルドー様です」
「ぐっっ……わかっている!」
義母となるマリダを呼び捨てにしている辺り、仲は相当悪そうだ。
関わってこなかったことに安堵するけど、ギーナの態度は謹慎後なのに反省しているとは思えなかった。
依頼を受けたようで危険な魔物との戦闘になるけど、私は防御魔法で支援できている。
風と雷魔法を得意とするアリオス様は問題なく魔物を倒し、2日間の休日が終わろうとしていた。
昨日と今日は一緒にいられることが嬉しく、昼過ぎに依頼を全て終えた私達は待機していた馬車に乗り屋敷に戻ろうとしている。
アリオス様が屋敷まで送ってくれるようで、明日はギーナの謹慎が終わるから私は気になってしまう。
「明日でギーナの謹慎があけますが、もう私達ミアラナ伯爵家とは無関係です」
「謹慎になった時点でギーナはロルアド侯爵家で暮らすことが決まり、ゴルドーはケイトに対して何か言いたそうにしていたが、私が近くにいたから動けなかったのだろう」
この1週間、同じクラスだからゴルドーが徐々に疲弊している姿を私達は見ている。
婚約者のギーナとゴルドーの母マリダが仲良くしている姿は想像できないし、大変な目に合っているのかもしれない。
もう聞く気もないから気にしない方がいいと思うけど、ゴルドーが私に近づこうとしていた。
「謹慎があけると、ギーナはケイトに接触してくるかもしれないな」
「私も同じ考えですが、ギーナが何を言ったとしても私は拒んでみせます」
決意を話して、1週間の間に学園で起きた出来事を思い返す。
ゴルドーはギーナが魔法で攻撃した生徒の家に慰謝料を支払ったようで、ずっと悩み苦しんでいた。
騎士団の一員だから魔法学園側はゴルドーには重い処罰をしていないけど、騎士団には知られているようだ。
「ギーナの行動だが婚約者であるゴルドーの責任だから、騎士団の評判を落としたことにもなる」
「ゴルドー様は魔法の実力から増長していますし、王子の騎士には相応しくありません」
「先生に対してもあの態度だったからな。それにケイトが作った腕輪の力も弱まっているし、もう何もできないだろう」
アリオス様の発言を聞いて安堵し、私は今後について考える。
今作っているアリオス様とお揃いの腕輪は完成に時間がかかりそうだけど、順調にできている。
問題が起こるとしたら明日だけど、アリオス様が傍にいてくれるから問題なさそうだ。
◇◆◇
翌日になり魔法学園に登校して授業が終わるけど、何も問題は起きなかった。
ゴルドーは明らかに苛立っている様子だけど、成績が落ちているのは腕輪による力が弱まっているからだ。
あれでもまだ私の魔力が残っている状態なのに……これからも成績が下がり続けて、それでも騎士団にいられるのだろうか?
そんなことを考えていると、ギーナが私達の教室にやって来る。
勘当しているからか私の方を見ることはなくて、ギーナはゴルドーの前に立つ。
「ゴルドー様。迎えに来ました」
「わかった……ギーナよ。頼むから母上と仲良くしてくれ」
「それはマリダの態度次第でしょう。説得すると言ったのはゴルドー様です」
「ぐっっ……わかっている!」
義母となるマリダを呼び捨てにしている辺り、仲は相当悪そうだ。
関わってこなかったことに安堵するけど、ギーナの態度は謹慎後なのに反省しているとは思えなかった。
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