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6話 ゴルドー視点
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婚約者を変える1年前、ゴルドーはケイト・ミアラナと婚約した。
魔法学園のクラスメイトで伯爵家の令嬢だからと、ゴルドーは家族から勧められてケイトとの婚約が決まる。
ケイトが得意なのは金属魔法だけで、防御魔法を使えるようだが魔法学園の成績には関係ない。
成績は標準だが魔法の成績が悪く知識が少しあるだけ、伯爵家の令嬢だから婚約しただけだ。
こんな奴がこれから妻になるのか――ゴルドーは、ケイトが婚約者なことが心底嫌だった。
そんな時にミアラナ伯爵家からケイトの妹ギーナを紹介されて、衝撃が走る。
魔法の実力が高く可愛いギーナの方が、ケイトよりも遥かに魅力的に見えた。
婚約して1年もの間――ゴルドーはケイトを蔑ろにしながら、婚約者の妹であるギーナに会う日々を送る。
ギーナが着けている腕輪はケイトが作ったようで、お揃いの物が欲しく作るようケイトに命令した。
その後は本当の愛を知ったからか、徐々に成績がよくなっていく。
ゴルドーは愛の力だと確信して、この時から本格的にケイトからギーナに婚約者を変えたくなっていた。
◇◆◇
婚約から数ヶ月が経ち、ゴルドーとケイトは魔法学園の3年生となってギーナが入学してくる。
入学してからギーナは様々な問題を起こしてしまい評判が悪いようだが、実力が高すぎるせいだろう。
嫉妬により罪を捏造されているのだと思い込み、ゴルドーはギーナに優しく接する。
それから更に数ヶ月が経って2学期になると、屋敷にギーナがやって来た。
部屋に入ってすぐに抱きついてきたが、今日は明らかに様子がおかしい。
「ゴルドー様、このままだと私はアリオス様と婚約することになりそうです! 助けてください!」
話を聞いてみると、ゴルドーと同じクラスの公爵令息アリオスがギーナを婚約者にしたいらしい。
アリオスの親がミアラナ伯爵家に頼んだようで、相手の方が立場が上だから聞くしかない。
婚約を破棄することはできるようだが、しばらくの間ギーナはアリオスの婚約者として危険な目に合うだろう。
同じクラスで噂を聞いたことがあり、ゴルドーはギーナを守りたくなっていた。
部屋で抱きしめながら、ゴルドーは提案する。
「それならギーナは、俺と婚約すればいい」
「なるほど! ケイトお姉様が代わりにアリオス様の婚約者になれば、全て解決しますね! 流石はゴルドー様です!!」
目論見を把握している辺り、ギーナも同じ考えだったようだ。
こうして婚約者を変えることに決めるが、ケイトの見た目は悪くない。
今までギーナを嫉妬させないよう、婚約者だとしても迫ることはなかった。
アリオスに捨てられた後なら――傷心したケイトを、愛人にできそうだ。
◇◆◇
婚約者を変えた翌日、今日まで魔法学園は休日だからギーナを屋敷に呼んでいる。
ミアラナ伯爵家から「ギーナが次に問題を起こせば家族の縁を切り、責任をロルアド侯爵家が負う」という契約を結んでいるが、この契約は婚約者を変えた後に破棄されたくないかららしい。
契約に関しては問題を起こさないようギーナを教育すればいいだけで、ゴルドーは家族を説得した。
今日は屋敷に泊まるようだから、これからについて部屋でギーナと話すことにしている。
「ケイトはこれからアリオスと関わり傷心して婚約を破棄するだろう。そのケイトを俺が拾い、愛人にでもしてやろうか」
「それはいいですね! お姉様は私より劣っていますけど、奴隷の適性はありそうです!」
提案にギーナが賛同してくれたから、後はケイトがアリオスとの婚約を破棄すれば全て上手くいく。
それよりも――自分の姉に奴隷の適性があると言い出すギーナに、ゴルドーは恐怖してしまう。
明日からの魔法学園の日々が不安になってしまう程で、ギーナには言っておきたいことがあった。
「何度も言ったが、ギーナはこれから問題を起こさないで欲しい。もう俺の婚約者となったのだからわかるだろ?」
「わかっています。ゴルドー様なら問題ありません!」
ギーナを信じることにして……明日はケイトと学園で会うことになり、どれほど辛そうな顔をしているのか楽しみだった。
そんなゴルドーの予想とは違い、翌日のケイトはアリオスと楽しそうにしている。
その姿を目にして、ゴルドーは話しかけずにはいられなくなっていた。
魔法学園のクラスメイトで伯爵家の令嬢だからと、ゴルドーは家族から勧められてケイトとの婚約が決まる。
ケイトが得意なのは金属魔法だけで、防御魔法を使えるようだが魔法学園の成績には関係ない。
成績は標準だが魔法の成績が悪く知識が少しあるだけ、伯爵家の令嬢だから婚約しただけだ。
こんな奴がこれから妻になるのか――ゴルドーは、ケイトが婚約者なことが心底嫌だった。
そんな時にミアラナ伯爵家からケイトの妹ギーナを紹介されて、衝撃が走る。
魔法の実力が高く可愛いギーナの方が、ケイトよりも遥かに魅力的に見えた。
婚約して1年もの間――ゴルドーはケイトを蔑ろにしながら、婚約者の妹であるギーナに会う日々を送る。
ギーナが着けている腕輪はケイトが作ったようで、お揃いの物が欲しく作るようケイトに命令した。
その後は本当の愛を知ったからか、徐々に成績がよくなっていく。
ゴルドーは愛の力だと確信して、この時から本格的にケイトからギーナに婚約者を変えたくなっていた。
◇◆◇
婚約から数ヶ月が経ち、ゴルドーとケイトは魔法学園の3年生となってギーナが入学してくる。
入学してからギーナは様々な問題を起こしてしまい評判が悪いようだが、実力が高すぎるせいだろう。
嫉妬により罪を捏造されているのだと思い込み、ゴルドーはギーナに優しく接する。
それから更に数ヶ月が経って2学期になると、屋敷にギーナがやって来た。
部屋に入ってすぐに抱きついてきたが、今日は明らかに様子がおかしい。
「ゴルドー様、このままだと私はアリオス様と婚約することになりそうです! 助けてください!」
話を聞いてみると、ゴルドーと同じクラスの公爵令息アリオスがギーナを婚約者にしたいらしい。
アリオスの親がミアラナ伯爵家に頼んだようで、相手の方が立場が上だから聞くしかない。
婚約を破棄することはできるようだが、しばらくの間ギーナはアリオスの婚約者として危険な目に合うだろう。
同じクラスで噂を聞いたことがあり、ゴルドーはギーナを守りたくなっていた。
部屋で抱きしめながら、ゴルドーは提案する。
「それならギーナは、俺と婚約すればいい」
「なるほど! ケイトお姉様が代わりにアリオス様の婚約者になれば、全て解決しますね! 流石はゴルドー様です!!」
目論見を把握している辺り、ギーナも同じ考えだったようだ。
こうして婚約者を変えることに決めるが、ケイトの見た目は悪くない。
今までギーナを嫉妬させないよう、婚約者だとしても迫ることはなかった。
アリオスに捨てられた後なら――傷心したケイトを、愛人にできそうだ。
◇◆◇
婚約者を変えた翌日、今日まで魔法学園は休日だからギーナを屋敷に呼んでいる。
ミアラナ伯爵家から「ギーナが次に問題を起こせば家族の縁を切り、責任をロルアド侯爵家が負う」という契約を結んでいるが、この契約は婚約者を変えた後に破棄されたくないかららしい。
契約に関しては問題を起こさないようギーナを教育すればいいだけで、ゴルドーは家族を説得した。
今日は屋敷に泊まるようだから、これからについて部屋でギーナと話すことにしている。
「ケイトはこれからアリオスと関わり傷心して婚約を破棄するだろう。そのケイトを俺が拾い、愛人にでもしてやろうか」
「それはいいですね! お姉様は私より劣っていますけど、奴隷の適性はありそうです!」
提案にギーナが賛同してくれたから、後はケイトがアリオスとの婚約を破棄すれば全て上手くいく。
それよりも――自分の姉に奴隷の適性があると言い出すギーナに、ゴルドーは恐怖してしまう。
明日からの魔法学園の日々が不安になってしまう程で、ギーナには言っておきたいことがあった。
「何度も言ったが、ギーナはこれから問題を起こさないで欲しい。もう俺の婚約者となったのだからわかるだろ?」
「わかっています。ゴルドー様なら問題ありません!」
ギーナを信じることにして……明日はケイトと学園で会うことになり、どれほど辛そうな顔をしているのか楽しみだった。
そんなゴルドーの予想とは違い、翌日のケイトはアリオスと楽しそうにしている。
その姿を目にして、ゴルドーは話しかけずにはいられなくなっていた。
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