婚約破棄されたので、愛さないと決めました

22話

　学園に登校して、明日は終業式で三学期が終わろうとしている。
　私達は昼休みになり、理事長室に呼び出されていた。

　レイン理事長が、私とハネスを眺めて。

「放課後でもよかったけど、報告だけだから昼休みに話しておきます……三学期に間に合わせることができませんが、レヴァル公爵家を調査することが決まりました」
「ここ最近は、生徒達のトラブルが多かったようだな」

　レイン理事長の報告を聞き、ハネスが聞く。
　生徒達に異変が起きて、その対処に忙しくレヴァル公爵家の調査が遅れているようだ。

「学園に侵入した悪魔の行動でしょう。いい迷惑ですが、それだけ焦っているのかもしれません」
「ドレークが言うには、レヴァル公爵家には人の心を操る魔法があるらしい」
「使われたことはないみたいですね……心を弱らせる必要があるらしく、それも調査しておきましょう」

　三学期が終わればレヴァル公爵家は調査され、それで全て解決するはず。
　それでも……ハネス王子やフィリス王女の心を操れば、調査を止めさせることができる。
　マリザの発言もあり、今日か明日に行動する可能性は高そうだ。

　　　◇◆◇

　報告を聞いた後は教室に戻ると、昼休みなのに担任のルニム先生とマリザしか教室にいなかった。
　
　何が起きたのかわからないでいたけど……教室の扉や窓が消えていることに、私は驚いてしまう。

「どうやらここは、教室と似ているが別の空間らしい……人に変わった悪魔は、ルニム先生ということか」
「フィリス様に私の監視をさせていたから、分断することができたわ！」

　困惑していると私達に対して、マリザが叫ぶ。
　恐らく教室に入った人を、ルニム先生が用意した空間に飛ばせるのでしょう。
　閉じるのに時間がかかるのか、私とハネスを分断することはできなかったようだ。

　教室に似た謎の空間に閉じ込められたようだけど、ルニムを倒せば問題ない。
　人の姿をした悪魔のルニムは契約により戦えないのか、力を得たマリザが私達と戦うようだ。