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54話

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 禁魔法で強化されているモンスターを、冒険者の人達の協力もあって捕獲に成功する。

 目的を達成した私達は、屋敷まで戻っていた。

 冒険者達は馬車を使っていたから荷台にモンスターを乗せて、領地の研究施設に運ぶらしい。

 倒した禁魔法を受けているモンスターを調査することで、体内に宿っていた禁魔法の力を把握して、詳細を知ることができるらしい。

 ジャック様の部屋で私とジャック様は2人きりになって、今日の出来事を話していると……イレック様がやってくる。

「兄上……なんのようですか?」

 警戒している様子のジャック様に対して、イレック様は微笑みながら。

「調査は優秀な人たちに任せて、現状について話をしておこうと思ったんだよ」

 どうやらイレック様も調べていたようで、情報共有がしたいようね。

 そう考えていると、イレック様が私を眺めて。

「パトリシアさんは凄い活躍だと聞いている……ジャックには勿体ないな」

「兄上。本題に入ってください」

「わかったよ……モンスターの体内に禁魔法が宿っていたのは確認できたから調査させているけど、時間はかかりそうだ」

「禁魔法に関する情報がないからですね」

「そうなる。そしてそれは禁魔法を伝えている元凶も解っていると思うから……調査して元凶の位置を特定される前に、総力をあげてローウォン家を潰しに来る可能性が高い」

 このまま調査が進むと、禁魔法を貴族達に伝えている元凶の場所が解る。

 それでも、私達が調査をしていることは元凶も知っているだろうから、きっと何か手を打ってくるはずだ。

 そう考えていると、イレック様は私とジャック様を眺めて。

「兄上は調査を協力してくれているし……冒険者も居るから問題ないと思うけど、2人とも気をつけてくれ」

「さっきの襲撃は警告のつもりなのかもしれないが……むしろ望むところだ」

 仕掛けてくれたら、調査より早く元凶を特定できるかもしれない。

 ジャック様は間違いなくそう考えていて……ジャック様の力になりたいと、私は強く決意していた。
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