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37話
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ザロクと聖女レミルが行方不明になってから、数ヶ月が経っていた。
ルアリサ国には新しい聖女が現れたみたいで、ラギン王子が言うには私が戻る場合の準備によるものらしい。
私が戻る場合はザロクを排除する予定で、それをレミルが拒んだ場合は同じように消すつもりでいたようだ。
今日は城の部屋でハロルドと一緒に報告を受けるけど、用件はそれだけではない。
すぐに来て欲しかったみたいで、本題に入ろうとしていた。
「冒険者がダンジョンの最終階層に到達したことで、ダンジョン内のモンスターが活性化して外に出ている」
ラギン王子が話すけど、大変なことになっている。
ダンジョンは王都の近くにあるから、外にモンスターが出たら人々を襲いそうだ。
「それは、すぐに対処しなければならないのではありませんか?」
「今は冒険者達が抑えているけど、リラとハロルドも協力して欲しい」
「わかりました」
「わかった。そろそろ、ダンジョンが踏破されそうだ」
私とハロルドはダンジョンの近くに向かい、外に出ようとしているモンスターを倒せばいい。
敵はかなり強力のようだけど、私なら何も問題ないようだ。
◇◆◇
私とハロルドはダンジョンの入口に到着して、モンスターを倒していく。
敵はグループになって現れるようだけど、私一人で問題なく全て対処できていた。
数時間に一度ぐらいのペースで現れると聞き、今は休憩となっている。
拠点となっている大きなテントで休むことにして、私はハロルドに尋ねたいことがあった。
「ここまでの事態になることがわかっていても、王家はダンジョンを冒険者に踏破させるのですね」
「ダンジョンのモンスターを倒さないと、増えたモンスターが今日のように外へ出てしまうようだ」
「なるほど……冒険者達は、危険でもダンジョンに向かうものなのですか」
それだけ利益があるからだと思うけど、何も聞いていなかった。
「ダンジョンを踏破した者は願いが叶うとされている。実際に昔のダンジョンを踏破して願いを叶えた者がいるから間違いない」
「ダンジョンって、エリオス国しか存在しないのではありませんか?」
「昔は世界三大迷宮と呼ばれていたようだ。一つは数百年前に踏破されて、もう一つは三年ほど前に攻略されている」
世界には三つのダンジョンがあったけど、二つは踏破されたようだ。
今ではエリオス国にしかダンジョンは存在していないようで、世界中から人々が集まっているらしい。
歴史から最後の階層に到達すると何が起こるかわかっていたらしく、私とハロルドの力も必要とラギン王子は考えたようだ。
ハロルドの話を聞き、私は漫画での出来事を思い返す。
今は漫画の出来事が終わり本来なら私が討伐された後で、レミルは聖女の力が目覚めていた。
討伐した後は後日談で、レミルとザロクは隣国で起きた異変を解決したらしい。
詳細は詳しく書かれていなかったけど、状況から今起きている異変の可能性が高そうだ。
ルアリサ国には新しい聖女が現れたみたいで、ラギン王子が言うには私が戻る場合の準備によるものらしい。
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