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46話

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 エグニースは、私とゼスタに神龍の目的を話そうとしている。

「神龍は元の世界に戻るため、大魔導士に力を与えて龍の世界を再構築しようとするも……そこで問題が起こります」

 今のエグニースの話だと……神龍達はただの被害者、いえ被害龍でしかない。

「何が起きた?」

「龍の世界を協力して作った時、神龍から受けた力を返すことになると恐れた大魔導士は、神龍を封印しようとしました」

 手に入れた強力な力を手放したくなかったから、神龍達を無力化しようとしていた。

 大昔にそんなことがあったからこそ、次は協力関係ではなく、犠牲にするつもりなのかもしれない。

「神龍は当然抵抗して……神龍と人による戦いが始まりました」

 恐らくとてつもない被害が出たからこそ、理由をつけるために恐怖心と魔力を取り込むと神龍の伝承に残したのでしょう。

 封印には成功して――大魔導士のとてつもない力から、封印を解いた者に力を与えると伝承ができていた。

「そして今――神龍としては争う気はないも、封印を解いた時に「力を与えろ」とモルドーラ王と王子に言われたようです」

 エグニースはそこまで調査しているようだけど、今のモルドーラ国は神龍に支配されている。

 バトルドラゴンがモルドーラ国の周辺で暴れていたのも、猶予を与えていたのかもしれない。

 説明と推測を話してくれたエグニースは、私を真剣な眼差しで見つめて。  

「神龍達が配置させている杭の調査をした結果、大地の膨大な魔力、龍脈の力を魔道具の杭で利用して、聖女を生贄にすることで龍の世界を作ることが判明しています」

 そしてサリナでは失敗すると考えて……サリナより優秀な私を狙っているのでしょう。

「これは全て推測なので、陛下の前では言えませんでしたが……白龍の行動から間違いないはずです」

 私達が知っている神龍の伝承とは全然違う、神龍がこの世界に存在している真実。

 それを知って――私が犠牲になれば全てが解決すると、私は思うようになっていた。
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