38 / 58
38話
しおりを挟む
私は魔馬のレーマに乗りながら、ゼスタの乗っている魔馬と並走していた。
前には魔馬に乗っているロギオンとエグニースがいて……ロギオンは場所を知っていて、エグニースは連携について話し合っている様子だ。
会話は私達の耳にも入り、ゼスタが呟く。
「エグニースの奴、ロギオンに俺を前に出すべきではないと言っているな」
王子という立場上当然のことだと思うし、騎士長のロギオンも賛同するに決まっている。
エグニースが聖女の騎士に相応しいか確認すると言いながら提案する辺り……私はゼスタに尋ねる。
「もしかしてエグニースは、本気で私の騎士になろうとしているのでしょうか?」
「間違いないだろう。聖女の騎士になるということはその国に所属すること……冒険者も辞めるつもりだ」
エグニースがもし私の騎士になるのなら、冒険者を辞める必要がある。
冒険者を辞めるとは思えなかったから、さっきの発言はゼスタに発破をかけたいと思っていた。
それでも……エグニースのロギオンとの会話を聞いていると、自分がここで活躍して、騎士になろうとしていそうな気がしてくる。
「エグニースの強さは有名で、悪い評判も一切ない……これは俺が、シーファの騎士の座から降りたくないというだけだ」
もし陛下にエグニースが騎士になると進言すれば、ロウーラ国にとって有益だから認める気がする。
それでも王子のゼスタが反対すると推測したのか、エグニースは白龍との戦いで見定めると告げたのでしょう。
「これに関しては、俺がシーファを守り切ればいいだけだ……それより、シーファが不安になっていることの方が気になる」
「えっ?」
どうやらゼスタとしては、私が不安になっていることの方が優先らしい。
そこに驚いていると、ゼスタは私を眺めて。
「最初はエグニースの発言のせいかと思ったが、どうやら違うようだな……サリナのことか?」
ゼスタは私に関することは鋭くて、だからこそ――騎士はゼスタでなければ嫌だ。
ゼスタなら私を守ってくれていると確信しているけど、エグニースが納得するかは別になりそう。
もしエグニースが白龍との戦いでゼスタを認めてくれなくても、私は反対しよう。
そう決意しながら……私は頷いて。
「そうなるわね……まさかまだ、サリナのせいで迷惑をかけられるだなんて思わないもの……」
こうなったお陰で、今ゼスタと一緒に居られるから構わないけど……不満もある。
私は気付くと、ゼスタに前に話したこともあるも……モルドーラ国で聖女になった時のことを、話そうとしていた。
前には魔馬に乗っているロギオンとエグニースがいて……ロギオンは場所を知っていて、エグニースは連携について話し合っている様子だ。
会話は私達の耳にも入り、ゼスタが呟く。
「エグニースの奴、ロギオンに俺を前に出すべきではないと言っているな」
王子という立場上当然のことだと思うし、騎士長のロギオンも賛同するに決まっている。
エグニースが聖女の騎士に相応しいか確認すると言いながら提案する辺り……私はゼスタに尋ねる。
「もしかしてエグニースは、本気で私の騎士になろうとしているのでしょうか?」
「間違いないだろう。聖女の騎士になるということはその国に所属すること……冒険者も辞めるつもりだ」
エグニースがもし私の騎士になるのなら、冒険者を辞める必要がある。
冒険者を辞めるとは思えなかったから、さっきの発言はゼスタに発破をかけたいと思っていた。
それでも……エグニースのロギオンとの会話を聞いていると、自分がここで活躍して、騎士になろうとしていそうな気がしてくる。
「エグニースの強さは有名で、悪い評判も一切ない……これは俺が、シーファの騎士の座から降りたくないというだけだ」
もし陛下にエグニースが騎士になると進言すれば、ロウーラ国にとって有益だから認める気がする。
それでも王子のゼスタが反対すると推測したのか、エグニースは白龍との戦いで見定めると告げたのでしょう。
「これに関しては、俺がシーファを守り切ればいいだけだ……それより、シーファが不安になっていることの方が気になる」
「えっ?」
どうやらゼスタとしては、私が不安になっていることの方が優先らしい。
そこに驚いていると、ゼスタは私を眺めて。
「最初はエグニースの発言のせいかと思ったが、どうやら違うようだな……サリナのことか?」
ゼスタは私に関することは鋭くて、だからこそ――騎士はゼスタでなければ嫌だ。
ゼスタなら私を守ってくれていると確信しているけど、エグニースが納得するかは別になりそう。
もしエグニースが白龍との戦いでゼスタを認めてくれなくても、私は反対しよう。
そう決意しながら……私は頷いて。
「そうなるわね……まさかまだ、サリナのせいで迷惑をかけられるだなんて思わないもの……」
こうなったお陰で、今ゼスタと一緒に居られるから構わないけど……不満もある。
私は気付くと、ゼスタに前に話したこともあるも……モルドーラ国で聖女になった時のことを、話そうとしていた。
49
お気に入りに追加
6,609
あなたにおすすめの小説
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。
それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。
婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。
これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。
【完結】我儘で何でも欲しがる元病弱な妹の末路。私は王太子殿下と幸せに過ごしていますのでどうぞご勝手に。
白井ライス
恋愛
シャーリー・レインズ子爵令嬢には、1つ下の妹ラウラが居た。
ブラウンの髪と目をしている地味なシャーリーに比べてラウラは金髪に青い目という美しい見た目をしていた。
ラウラは幼少期身体が弱く両親はいつもラウラを優先していた。
それは大人になった今でも変わらなかった。
そのせいかラウラはとんでもなく我儘な女に成長してしまう。
そして、ラウラはとうとうシャーリーの婚約者ジェイク・カールソン子爵令息にまで手を出してしまう。
彼の子を宿してーー
心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~
待鳥園子
恋愛
若き侯爵ジョサイアは結婚式直前、愛し合っていたはずの婚約者に駆け落ちされてしまった。
急遽の結婚相手にと縁談がきた伯爵令嬢レニエラは、以前夜会中に婚約破棄されてしまった曰く付きの令嬢として知られていた。
間に合わせで自分と結婚することになった彼に同情したレニエラは「私を愛して欲しいなどと、大それたことは望んでおりません」とキッパリと宣言。
元々結婚せずに一人生きていくため実業家になろうとしていたので、これは一年間だけの契約結婚にしようとジョサイアに持ち掛ける。
愛していないはずの契約妻なのに、異様な熱量でレニエラを大事にしてくれる夫ジョサイア。それは、彼の元婚約者が何かおかしかったのではないかと、次第にレニエラは疑い出すのだが……。
また傷付くのが怖くて先回りして強がりを言ってしまう意地っ張り妻が、元婚約者に妙な常識を植え付けられ愛し方が完全におかしい夫に溺愛される物語。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)
虐げられていた姉はひと月後には幸せになります~全てを奪ってきた妹やそんな妹を溺愛する両親や元婚約者には負けませんが何か?~
***あかしえ
恋愛
「どうしてお姉様はそんなひどいことを仰るの?!」
妹ベディは今日も、大きなまるい瞳に涙をためて私に喧嘩を売ってきます。
「そうだぞ、リュドミラ!君は、なぜそんな冷たいことをこんなかわいいベディに言えるんだ!」
元婚約者や家族がそうやって妹を甘やかしてきたからです。
両親は反省してくれたようですが、妹の更生には至っていません!
あとひと月でこの地をはなれ結婚する私には時間がありません。
他人に迷惑をかける前に、この妹をなんとかしなくては!
「結婚!?どういうことだ!」って・・・元婚約者がうるさいのですがなにが「どういうこと」なのですか?
あなたにはもう関係のない話ですが?
妹は公爵令嬢の婚約者にまで手を出している様子!ああもうっ本当に面倒ばかり!!
ですが公爵令嬢様、あなたの所業もちょぉっと問題ありそうですね?
私、いろいろ調べさせていただいたんですよ?
あと、人の婚約者に色目を使うのやめてもらっていいですか?
・・・××しますよ?
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる