36 / 58
36話
しおりを挟む
私達の居るロウーラ国にやって来た人の言葉を話せるバトルドラゴンの白龍は、私をモルドーラ国に戻そうとしている。
そして……白龍は、私が前に聖女として居た国、モルドーラ国の先輩聖女サリナの命令を受けているらしい。
私が動揺していると、ゼスタが陛下に尋ねる。
「どういうことですか? モルドーラ国を神龍が支配しているのはわかりますが、白龍に命令を出している?」
そう考えていると、ロギオンが私達を見て。
「推測するに聖女サリナと協力関係にあるか……神龍にとって聖女が必要だから、サリナ以外の聖女を集めているか」
確かに、神龍が聖女を必要としているのなら、サリナの性格なら私を連れてこようと考えるでしょう。
サリナは自分のためなら、私がどうなろうと構わない……むしろシーファは酷い目に合うべきだと考えている。
「全然変わってなさそうね……私はどうすればいいですか?」
サリナに苛立ちを覚えながらも、私は陛下に尋ねると。
「さっきも言ったが、まずは話し合う……どんな条件を出されたとしても、シーファを引き渡すつもりはない。恐らく戦闘になるだろう」
それなのに話し合うのは、モルドーラ国がどうなっているのかを知るためでしょう。
私をモルドーラ国に戻す理由も何かあるに決まっているから、それも話し合いで知っておきたい。
そう考えていると、陛下の発言が続く。
「どうやら白龍は、威圧しただけで伝達に使った兵士は以外気を失うほどの強さらしい……ゼスタ、ロギオン、エグニースの3人に、シーファが加護を与える。これしかないだろう」
加護の力は与える人が少なければ少ないほど、効果が増す。
普通の兵士や冒険者は威圧されて倒れてしまうほどだから、陛下の言った通りにするべきでしょう。
「倒した場合、神龍を敵に回すこととなりますが……」
ロギオンは不安に陛下に告げると、エグニースがロギオンを見て。
「その時は冒険者ギルドも総力をあげて協力致します。戦う理由ができますからね」
ここ最近、バトルドラゴンの被害は皆無だった。
今まではモルドーラ国にしか被害が出ていなかったのに、今回は他の国を狙った行動だ。
国にとって必要な聖女を攫おうと言うのなら対立するのは当然で……冒険者ギルド側も納得できる理由らしい。
そこまで考えてから――とにかく私達は、待っている白龍の元へ向かうべきでしょう。
話し合いで終わるのが一番だと言っていたけど、そうなるとはまったく思えなかった。
そして……白龍は、私が前に聖女として居た国、モルドーラ国の先輩聖女サリナの命令を受けているらしい。
私が動揺していると、ゼスタが陛下に尋ねる。
「どういうことですか? モルドーラ国を神龍が支配しているのはわかりますが、白龍に命令を出している?」
そう考えていると、ロギオンが私達を見て。
「推測するに聖女サリナと協力関係にあるか……神龍にとって聖女が必要だから、サリナ以外の聖女を集めているか」
確かに、神龍が聖女を必要としているのなら、サリナの性格なら私を連れてこようと考えるでしょう。
サリナは自分のためなら、私がどうなろうと構わない……むしろシーファは酷い目に合うべきだと考えている。
「全然変わってなさそうね……私はどうすればいいですか?」
サリナに苛立ちを覚えながらも、私は陛下に尋ねると。
「さっきも言ったが、まずは話し合う……どんな条件を出されたとしても、シーファを引き渡すつもりはない。恐らく戦闘になるだろう」
それなのに話し合うのは、モルドーラ国がどうなっているのかを知るためでしょう。
私をモルドーラ国に戻す理由も何かあるに決まっているから、それも話し合いで知っておきたい。
そう考えていると、陛下の発言が続く。
「どうやら白龍は、威圧しただけで伝達に使った兵士は以外気を失うほどの強さらしい……ゼスタ、ロギオン、エグニースの3人に、シーファが加護を与える。これしかないだろう」
加護の力は与える人が少なければ少ないほど、効果が増す。
普通の兵士や冒険者は威圧されて倒れてしまうほどだから、陛下の言った通りにするべきでしょう。
「倒した場合、神龍を敵に回すこととなりますが……」
ロギオンは不安に陛下に告げると、エグニースがロギオンを見て。
「その時は冒険者ギルドも総力をあげて協力致します。戦う理由ができますからね」
ここ最近、バトルドラゴンの被害は皆無だった。
今まではモルドーラ国にしか被害が出ていなかったのに、今回は他の国を狙った行動だ。
国にとって必要な聖女を攫おうと言うのなら対立するのは当然で……冒険者ギルド側も納得できる理由らしい。
そこまで考えてから――とにかく私達は、待っている白龍の元へ向かうべきでしょう。
話し合いで終わるのが一番だと言っていたけど、そうなるとはまったく思えなかった。
47
お気に入りに追加
6,609
あなたにおすすめの小説
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
【完結】我儘で何でも欲しがる元病弱な妹の末路。私は王太子殿下と幸せに過ごしていますのでどうぞご勝手に。
白井ライス
恋愛
シャーリー・レインズ子爵令嬢には、1つ下の妹ラウラが居た。
ブラウンの髪と目をしている地味なシャーリーに比べてラウラは金髪に青い目という美しい見た目をしていた。
ラウラは幼少期身体が弱く両親はいつもラウラを優先していた。
それは大人になった今でも変わらなかった。
そのせいかラウラはとんでもなく我儘な女に成長してしまう。
そして、ラウラはとうとうシャーリーの婚約者ジェイク・カールソン子爵令息にまで手を出してしまう。
彼の子を宿してーー
【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。
マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。
そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。
そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。
どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。
2022.6.22 第一章完結しました。
2022.7.5 第二章完結しました。
第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。
第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。
【完結】婚約破棄された私が惨めだと笑われている?馬鹿にされているのは本当に私ですか?
なか
恋愛
「俺は愛する人を見つけた、だからお前とは婚約破棄する!」
ソフィア・クラリスの婚約者である
デイモンドが大勢の貴族達の前で宣言すると
周囲の雰囲気は大笑いに包まれた
彼を賞賛する声と共に
「みろ、お前の惨めな姿を馬鹿にされているぞ!!」
周囲の反応に喜んだデイモンドだったが
対するソフィアは彼に1つだけ忠告をした
「あなたはもう少し考えて人の話を聞くべきだと思います」
彼女の言葉の意味を
彼はその時は分からないままであった
お気に入りして頂けると嬉しいです
何より読んでくださる事に感謝を!
妹に全てを奪われるなら、私は全てを捨てて家出します
ねこいかいち
恋愛
子爵令嬢のティファニアは、婚約者のアーデルとの結婚を間近に控えていた。全ては順調にいく。そう思っていたティファニアの前に、ティファニアのものは何でも欲しがる妹のフィーリアがまたしても欲しがり癖を出す。「アーデル様を、私にくださいな」そうにこやかに告げるフィーリア。フィーリアに甘い両親も、それを了承してしまう。唯一信頼していたアーデルも、婚約破棄に同意してしまった。私の人生を何だと思っているの? そう思ったティファニアは、家出を決意する。従者も連れず、祖父母の元に行くことを決意するティファニア。もう、奪われるならば私は全てを捨てます。帰ってこいと言われても、妹がいる家になんて帰りません。
戦いから帰ってきた騎士なら、愛人を持ってもいいとでも?
新野乃花(大舟)
恋愛
健気に、一途に、戦いに向かった騎士であるトリガーの事を待ち続けていたフローラル。彼女はトリガーの婚約者として、この上ないほどの思いを抱きながらその帰りを願っていた。そしてそんなある日の事、戦いを終えたトリガーはフローラルのもとに帰還する。その時、その隣に親密そうな関係の一人の女性を伴って…。
君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。
みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。
マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。
そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。
※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる