56 / 109
2章
37話
しおりを挟む
聖堂に来てから十日目になって――今日はロイとカレンが、聖堂内で行われる試練を受ける日だ。
私とレックス殿下、試練が終わったロイとカレン。そしてゲオルグの五人は何もない真っ白な大部屋にいた。
試練が問題なく終わって安堵していたけど、私達はゲオルグの発言に驚くこととなる。
「試練が終わった今、話しておくことがある――バダムがロウデス教団員だった。優秀すぎる故に、力を求めてしまったと話してくれた」
「……えっ?」
警戒はしていたけど、今までバダムは怪しい行動していなかった。
どうやら私の行動によりバダムは改心して、ゲオルグに邪神に従っていたことを話したらしい。
「バダムもリリアンさんと同じように闇魔力の素質があり、試練を受けられなかった。闇魔力を制御する方法を探し続けた結果、邪神に協力するようになったようだ」
今までの言動的に、バダムは私と同類――魔法に夢中となる人だ。
私は試練が受けられなくても割り切って聖堂で学び、その姿が堕ちる前のバダムと重なったらしい。
試練をできなくするか私を捕えるよう命令されていたけど、昔を思い出したことで邪神に従いたくなくなったようだ。
ゲオルグは、これからバダムからロウデス教について聞き出すらしい。
魔道具で記憶から全て調べようとするみたいだけど、自白した際に倒れたから記憶が消えている可能性が高いようだ。
報告を聞き――試練を終えたロイとカレンは、とてつもなく魔力が強化されている。
「これで夢に近づけたけど……魔力が高くなると、リリアンさんとの差を更に実感して驚くしかないね」
「そうですね。私も同じ気持ちです」
カレンがロイに賛同するのは、ゲームでは試練を受けた後の主役カレンがとてつもない強さを得たからでしょう。
二学期に発生するロウデス教との戦いで、攻略対象が治ったばかりのロイだから、主役のカレン一人で問題を対処しなければならない。
ゲームのバランスを保つためか、ロイとのイベントでは他の攻略イベントとは別格なほどに、主役カレンが強化されていた。
そんな今のカレンでも――私の方が魔力が上なことに対しては、同じ転生者でも驚くしかないようだ。
◇◆◇
試練が終わった翌日、私達は休むことにしていた。
昨日の夜カレンと話したけど、流石に他のロウデス教団員は聖堂内にいないと考えている。
ゲオルグが魔法を使えない試練の日が絶好の機会で、もし誰かいるのならバダムの代わりに動くはずだけど、誰も現れることはなかった。
朝食を終えて私達は部屋に集まり、レックス殿下、ロイ、カレンと話をしている。
「試練は大変だったけど……僕とカレンさんは、膨大な聖魔力の力を得ることができたよ」
「ここまでとは思いませんでしたけど、これでもリリアン様には敵わないことに驚きます」
ロイの夏休みイベントは試練の力によって、主役カレンはゲームで一番強くなれる。
本来ゲームで攻略キャラが助けてくれるけど、ゲームでのロイは病弱だった。
その分だけ主役カレンが頑張る必要があって、そのために聖堂で試練があるのだとゲームをした時の私は思ったものだ。
今は聖魔力の素質が僅かしかなかったロイでも魔法学園トップクラスの魔力になって、カレンは世界規模でトップクラスの魔力を備えている。
それでも私の方が強いけど……ロウデス教だったバダムは、聖魔力だけなら私を凌駕していた。
バダムがあれだけの魔力を持ちながら、ゲームでは最後まで登場しなかったというのが気になってしまう。
この世界はゲームの世界としか思えないほど似たような出来事が発生したけど……私が関与しなくても、違う点がありそうだ。
「魔法の成績はレックス君より間違いなく強くなっているから、僕はリリアンさんに相応しくなれただろうね」
「俺もこの聖堂に来て強くなった……お前がどれだけ相応しくなろうと、俺の方が上だ」
レックス殿下がロイに対して余裕そうなのは、魔法剣技を学んでいるからだ。
自信満々に告げたレックス殿下に対して、ロイが微笑みを浮かべる。
「凄い自信だね……本当に、レックス君は凄いよ」
「な、なんだ? どうした?」
今までは煽る発言ばかりしていたロイが褒めたことで、レックス殿下は動揺している。
そしてロイは私とレックス殿下を眺めて、頭を下げる。
「ありがとう……二人がここに来てくれたから、僕は夢に近づけた」
もし私達が来ていなかったら、バダムに妨害されていたかもしれない。
その可能性を考えたロイはお礼が言いたかったようで、試練を受けたかったのがよくわかる。
手の平を白く発光させて……聖魔力の光を発生させるロイは、とても嬉しそうだ。
「俺とリリアンは何もしていない。ロイなら、人々を守る聖人になれるさ」
「そうだね……僕も、そのつもりだよ」
レックス殿下が本心を伝えて、ロイが微笑みを浮かべていた。
そんな二人を眺めながら……私は今後について考える。
これから魔法学園での二学期は、様々なイベントが発生して――ゲームは二学期で全ての決着がつく。
そこから各攻略キャラに応じて年月が経って、一気にエンディングに進む。
二学期を終えれば平和になると考えているけど、ロウデス教が仕掛けてくるのは間違いない。
バダムは改心したけど、これからの邪神教はゲーム以上の戦力で向かってくるはず。
それが不安になっていると、レックス殿下が私を見て。
「リリアン。大丈夫か?」
「えっ?」
「俺は力をつけた……何か困っていることがあれば、俺を頼ってくれ」
「そうですね。レックス殿下達の力を、頼ることにします」
私が本心を伝えると……レックス殿下、ロイ、カレンの表情が変わった。
嬉しそうな様子で、ロイが呟く。
「リリアンさんが、僕達を頼るって言ってくれたんだね」
「俺の名前が真っ先に出たことが重要だろう! 俺はリリアンからそこまで想われているからな!!」
そういえば……今まで全て、私が問題を対処しようと行動していた気がする。
こうして皆を頼ると伝えたのは、はじめてだった。
レックス殿下の発言を聞いて、ロイとカレンが不満そうに呟く。
「婚約者だから、思わず口から出たとかじゃないかな……僕も、名前を呼ばれるほど力をつけるよ」
「そうですね。私も同じ気持ちです」
思わずレックス殿下の名前だけを出したことを、二人はちょっと気にしている様子だ。
私はここから破滅したとしても、問題なく生きられるほどの魔力をつけ、魔法も覚えている。
国外追放を受けた後は、冒険者になって自由に生きればいいと――今まで考えていた。
今はただ――レックス殿下と離れたくないと、私は強く想っている。
試練が終わった今になって、ロウデス教がこの国で動くとは思えない。
それなら今は――魔法を楽しめるこの日常を、満喫するべきでしょう。
その後、私達は何も問題なく聖堂内で楽しい夏休みを送る。
平和なまま聖堂の日々を終えられると思っていたのに――数日後、私は驚愕することとなっていた。
私とレックス殿下、試練が終わったロイとカレン。そしてゲオルグの五人は何もない真っ白な大部屋にいた。
試練が問題なく終わって安堵していたけど、私達はゲオルグの発言に驚くこととなる。
「試練が終わった今、話しておくことがある――バダムがロウデス教団員だった。優秀すぎる故に、力を求めてしまったと話してくれた」
「……えっ?」
警戒はしていたけど、今までバダムは怪しい行動していなかった。
どうやら私の行動によりバダムは改心して、ゲオルグに邪神に従っていたことを話したらしい。
「バダムもリリアンさんと同じように闇魔力の素質があり、試練を受けられなかった。闇魔力を制御する方法を探し続けた結果、邪神に協力するようになったようだ」
今までの言動的に、バダムは私と同類――魔法に夢中となる人だ。
私は試練が受けられなくても割り切って聖堂で学び、その姿が堕ちる前のバダムと重なったらしい。
試練をできなくするか私を捕えるよう命令されていたけど、昔を思い出したことで邪神に従いたくなくなったようだ。
ゲオルグは、これからバダムからロウデス教について聞き出すらしい。
魔道具で記憶から全て調べようとするみたいだけど、自白した際に倒れたから記憶が消えている可能性が高いようだ。
報告を聞き――試練を終えたロイとカレンは、とてつもなく魔力が強化されている。
「これで夢に近づけたけど……魔力が高くなると、リリアンさんとの差を更に実感して驚くしかないね」
「そうですね。私も同じ気持ちです」
カレンがロイに賛同するのは、ゲームでは試練を受けた後の主役カレンがとてつもない強さを得たからでしょう。
二学期に発生するロウデス教との戦いで、攻略対象が治ったばかりのロイだから、主役のカレン一人で問題を対処しなければならない。
ゲームのバランスを保つためか、ロイとのイベントでは他の攻略イベントとは別格なほどに、主役カレンが強化されていた。
そんな今のカレンでも――私の方が魔力が上なことに対しては、同じ転生者でも驚くしかないようだ。
◇◆◇
試練が終わった翌日、私達は休むことにしていた。
昨日の夜カレンと話したけど、流石に他のロウデス教団員は聖堂内にいないと考えている。
ゲオルグが魔法を使えない試練の日が絶好の機会で、もし誰かいるのならバダムの代わりに動くはずだけど、誰も現れることはなかった。
朝食を終えて私達は部屋に集まり、レックス殿下、ロイ、カレンと話をしている。
「試練は大変だったけど……僕とカレンさんは、膨大な聖魔力の力を得ることができたよ」
「ここまでとは思いませんでしたけど、これでもリリアン様には敵わないことに驚きます」
ロイの夏休みイベントは試練の力によって、主役カレンはゲームで一番強くなれる。
本来ゲームで攻略キャラが助けてくれるけど、ゲームでのロイは病弱だった。
その分だけ主役カレンが頑張る必要があって、そのために聖堂で試練があるのだとゲームをした時の私は思ったものだ。
今は聖魔力の素質が僅かしかなかったロイでも魔法学園トップクラスの魔力になって、カレンは世界規模でトップクラスの魔力を備えている。
それでも私の方が強いけど……ロウデス教だったバダムは、聖魔力だけなら私を凌駕していた。
バダムがあれだけの魔力を持ちながら、ゲームでは最後まで登場しなかったというのが気になってしまう。
この世界はゲームの世界としか思えないほど似たような出来事が発生したけど……私が関与しなくても、違う点がありそうだ。
「魔法の成績はレックス君より間違いなく強くなっているから、僕はリリアンさんに相応しくなれただろうね」
「俺もこの聖堂に来て強くなった……お前がどれだけ相応しくなろうと、俺の方が上だ」
レックス殿下がロイに対して余裕そうなのは、魔法剣技を学んでいるからだ。
自信満々に告げたレックス殿下に対して、ロイが微笑みを浮かべる。
「凄い自信だね……本当に、レックス君は凄いよ」
「な、なんだ? どうした?」
今までは煽る発言ばかりしていたロイが褒めたことで、レックス殿下は動揺している。
そしてロイは私とレックス殿下を眺めて、頭を下げる。
「ありがとう……二人がここに来てくれたから、僕は夢に近づけた」
もし私達が来ていなかったら、バダムに妨害されていたかもしれない。
その可能性を考えたロイはお礼が言いたかったようで、試練を受けたかったのがよくわかる。
手の平を白く発光させて……聖魔力の光を発生させるロイは、とても嬉しそうだ。
「俺とリリアンは何もしていない。ロイなら、人々を守る聖人になれるさ」
「そうだね……僕も、そのつもりだよ」
レックス殿下が本心を伝えて、ロイが微笑みを浮かべていた。
そんな二人を眺めながら……私は今後について考える。
これから魔法学園での二学期は、様々なイベントが発生して――ゲームは二学期で全ての決着がつく。
そこから各攻略キャラに応じて年月が経って、一気にエンディングに進む。
二学期を終えれば平和になると考えているけど、ロウデス教が仕掛けてくるのは間違いない。
バダムは改心したけど、これからの邪神教はゲーム以上の戦力で向かってくるはず。
それが不安になっていると、レックス殿下が私を見て。
「リリアン。大丈夫か?」
「えっ?」
「俺は力をつけた……何か困っていることがあれば、俺を頼ってくれ」
「そうですね。レックス殿下達の力を、頼ることにします」
私が本心を伝えると……レックス殿下、ロイ、カレンの表情が変わった。
嬉しそうな様子で、ロイが呟く。
「リリアンさんが、僕達を頼るって言ってくれたんだね」
「俺の名前が真っ先に出たことが重要だろう! 俺はリリアンからそこまで想われているからな!!」
そういえば……今まで全て、私が問題を対処しようと行動していた気がする。
こうして皆を頼ると伝えたのは、はじめてだった。
レックス殿下の発言を聞いて、ロイとカレンが不満そうに呟く。
「婚約者だから、思わず口から出たとかじゃないかな……僕も、名前を呼ばれるほど力をつけるよ」
「そうですね。私も同じ気持ちです」
思わずレックス殿下の名前だけを出したことを、二人はちょっと気にしている様子だ。
私はここから破滅したとしても、問題なく生きられるほどの魔力をつけ、魔法も覚えている。
国外追放を受けた後は、冒険者になって自由に生きればいいと――今まで考えていた。
今はただ――レックス殿下と離れたくないと、私は強く想っている。
試練が終わった今になって、ロウデス教がこの国で動くとは思えない。
それなら今は――魔法を楽しめるこの日常を、満喫するべきでしょう。
その後、私達は何も問題なく聖堂内で楽しい夏休みを送る。
平和なまま聖堂の日々を終えられると思っていたのに――数日後、私は驚愕することとなっていた。
0
お気に入りに追加
7,367
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
乙女ゲーム攻略対象者の母になりました。
緋田鞠
恋愛
【完結】「お前を抱く気はない」。夫となった王子ルーカスに、そう初夜に宣言されたリリエンヌ。だが、子供は必要だと言われ、医療の力で妊娠する。出産の痛みの中、自分に前世がある事を思い出したリリエンヌは、生まれた息子クローディアスの顔を見て、彼が乙女ゲームの攻略対象者である事に気づく。クローディアスは、ヤンデレの気配が漂う攻略対象者。可愛い息子がヤンデレ化するなんて、耐えられない!リリエンヌは、クローディアスのヤンデレ化フラグを折る為に、奮闘を開始する。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。