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2章
18話
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私は広場で、バダムと距離を空けて対面していた。
そこから少し離れてレックス殿下達がいるけど、他にも私達を眺めている魔法士や騎士が多い。
昨日バダムに魔法を披露したことで、どうやら私は注目されているようだ。
あまり目立たないようにしよう……そう考えていると、バダムが話を始める。
「ネーゼからリリアン様は自分を越える素質があると聞いていましたが、聖魔力をここまで扱えることに驚くしかありませんよ」
ネーゼは私が回復魔法を使うことを隠してくれていたからこそ、聖魔力が扱えることを教えていなかったのでしょう。
ゲオルグに聖魔力による魔法を見せ、そして昨日の出来事によって、バダムは私の魔力量の高さを理解している様子だ。
どんな魔法を教えてくれるのだろうかと考えていると、バダムは私を眺めて。
「ゲオルグ様に魔法を披露した時……リリアン様は聖魔力による爪型の武器を作り出したと聞いています」
「はい」
「それでも十分素晴らしく、右腕にとてつもない力が宿ったはずですが……リリアン様なら、それ以上のことができるはずです」
そう言って……バダムの全身が、白く光り始める。
「聖魔力は、このように光に変えることができます。それを体内に宿し、聖魔力を全身に纏うことで……聖魔力以外の魔法を弾くことが可能となります」
白く薄い光を見せるバダムに対して周囲からは歓声の声があがる。
この魔法がどれほど凄いのか……私は理解することができていた。
使いこなせないと魔力の消費が激しそうで、これはきっと聖魔力の素質があるカレンの方が向いている。
それでも、この聖堂という聖魔力に溢れた空間なら――私にも、今すぐできるかもしれない。
そう考えた瞬間に、私は試してみたくなってしまう。
目の前のバダムを参考にして、私は聖魔力の光を魔法で作り、体内に宿す。
最初は失敗して体内から消えるけど……回復魔法の応用なら可能だと、私は体感した感覚で理解することができていた。
そんな私を見て、レックス殿下が驚きながら呟く。
「リリアンでも、無理なのか?」
「いえ……光を体内に宿すだけで何ヶ月もかかり、できない人は一生かかってもできないほど高難易度な魔法ですから、ここまでできることが凄いですよ」
レックス殿下が魔法の難易度に驚いているけど、バダムは別のことに驚いている。
バダムは私が回復魔法を使えないから、今日は全て失敗に終わると考えていそう。
普通なら、失敗して終わるべきだと思うけど――何度かすれば成功しそう!
そう考えてしまうと、もう止まることはできなくなっていた。
何度も試し、体内に維持できる時間が長くなってきて、私は維持するための魔力の流れを理解する。
それが理解できれば何も問題なく、聖魔力の光を体内に宿し、膨大な力を全身で感じ取る。
これは――聖堂内だからこそできたことだから、二学期に使うことはできない。
そう考えながらも、この魔法を使っていけば体内の魔力が増加すると確信して、更に光が強まっていく。
聖堂の力によるものなのか――限界が見えない。
魔力をつぎ込めばつぎ込むほど、体内の光が強くなっていく気がしていた。
光の強さは変わらないから、外見はただ全身が白く少し光っているだけにしか見えないでしょう。
それでも……体内から溢れる膨大な魔力を感じ取ったのか、周囲が呆然としている。
この魔法で感覚が更に鋭くなっているから、広場の人達の反応が解るようにもなっていた。
――まだいける。
どこまでもいけると考えた時――私は急激に頭に血が上る感覚を受け、意識が薄れていく。
この感覚は魔力が切れたようで、やってしまった。
「――リリアン!?」
最近は魔力切れで倒れたことがなかったから懐かしさを感じていると、レックス殿下の声が聞こえる。
レックス殿下が傍にいるのなら安心だと考えて――私は意識を失っていた。
そこから少し離れてレックス殿下達がいるけど、他にも私達を眺めている魔法士や騎士が多い。
昨日バダムに魔法を披露したことで、どうやら私は注目されているようだ。
あまり目立たないようにしよう……そう考えていると、バダムが話を始める。
「ネーゼからリリアン様は自分を越える素質があると聞いていましたが、聖魔力をここまで扱えることに驚くしかありませんよ」
ネーゼは私が回復魔法を使うことを隠してくれていたからこそ、聖魔力が扱えることを教えていなかったのでしょう。
ゲオルグに聖魔力による魔法を見せ、そして昨日の出来事によって、バダムは私の魔力量の高さを理解している様子だ。
どんな魔法を教えてくれるのだろうかと考えていると、バダムは私を眺めて。
「ゲオルグ様に魔法を披露した時……リリアン様は聖魔力による爪型の武器を作り出したと聞いています」
「はい」
「それでも十分素晴らしく、右腕にとてつもない力が宿ったはずですが……リリアン様なら、それ以上のことができるはずです」
そう言って……バダムの全身が、白く光り始める。
「聖魔力は、このように光に変えることができます。それを体内に宿し、聖魔力を全身に纏うことで……聖魔力以外の魔法を弾くことが可能となります」
白く薄い光を見せるバダムに対して周囲からは歓声の声があがる。
この魔法がどれほど凄いのか……私は理解することができていた。
使いこなせないと魔力の消費が激しそうで、これはきっと聖魔力の素質があるカレンの方が向いている。
それでも、この聖堂という聖魔力に溢れた空間なら――私にも、今すぐできるかもしれない。
そう考えた瞬間に、私は試してみたくなってしまう。
目の前のバダムを参考にして、私は聖魔力の光を魔法で作り、体内に宿す。
最初は失敗して体内から消えるけど……回復魔法の応用なら可能だと、私は体感した感覚で理解することができていた。
そんな私を見て、レックス殿下が驚きながら呟く。
「リリアンでも、無理なのか?」
「いえ……光を体内に宿すだけで何ヶ月もかかり、できない人は一生かかってもできないほど高難易度な魔法ですから、ここまでできることが凄いですよ」
レックス殿下が魔法の難易度に驚いているけど、バダムは別のことに驚いている。
バダムは私が回復魔法を使えないから、今日は全て失敗に終わると考えていそう。
普通なら、失敗して終わるべきだと思うけど――何度かすれば成功しそう!
そう考えてしまうと、もう止まることはできなくなっていた。
何度も試し、体内に維持できる時間が長くなってきて、私は維持するための魔力の流れを理解する。
それが理解できれば何も問題なく、聖魔力の光を体内に宿し、膨大な力を全身で感じ取る。
これは――聖堂内だからこそできたことだから、二学期に使うことはできない。
そう考えながらも、この魔法を使っていけば体内の魔力が増加すると確信して、更に光が強まっていく。
聖堂の力によるものなのか――限界が見えない。
魔力をつぎ込めばつぎ込むほど、体内の光が強くなっていく気がしていた。
光の強さは変わらないから、外見はただ全身が白く少し光っているだけにしか見えないでしょう。
それでも……体内から溢れる膨大な魔力を感じ取ったのか、周囲が呆然としている。
この魔法で感覚が更に鋭くなっているから、広場の人達の反応が解るようにもなっていた。
――まだいける。
どこまでもいけると考えた時――私は急激に頭に血が上る感覚を受け、意識が薄れていく。
この感覚は魔力が切れたようで、やってしまった。
「――リリアン!?」
最近は魔力切れで倒れたことがなかったから懐かしさを感じていると、レックス殿下の声が聞こえる。
レックス殿下が傍にいるのなら安心だと考えて――私は意識を失っていた。
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