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2章
10話
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翌日――私は目覚めて、部屋でカレンと一緒に聖堂の人が持って来てくれた朝食をとっている。
昼と夜の食事は食堂だけど、朝はこうして部屋で食べることになるらしい。
「今日も最初は集団行動で……ゲオルグの話が終わってから神託が下る七日目までは、自由に動けるはず」
「ゲーム通りいけば、ですね」
テーブル越しに対面しているカレンは、楽しそうな表情を浮かべて。
「リリアンは嬉しそうね」
「ようやく聖堂で魔法を扱えそうですからね。とてつもなく楽しみです!」
「あたしは試練が不安になるけど……魔法や魔力を使えるのは、確かに楽しいわ」
そこから朝食を終えて、私達はレックス殿下とロイの居る部屋へ向かう。
「大陸を移動しましたけど、食事はあまり変わりませんでしたね」
「ちょっと味が濃かった気がするけど、確かにそんな気がするわ」
私がこの世界の料理に慣れたから、あまり気にならなかったのだろうか。
カレンは転生してまだ四カ月ぐらいだから、まだこの世界の料理の味に慣れていないのでしょう。
レックス殿下とロイの部屋に入るけど、部屋の間取りは私達と同じようだ。
「おはよう。朝からリリアンを見れるだけで、いい1日になるとしか思えないな!」
「レックス君は朝からテンションが高いな……おはようリリアンさん、カレンさん」
「おはようございます」
私とカレンは同時に挨拶をして――部屋を出た私達は、聖堂の大広間へ向かっている。
「俺はリリアンの傍にいるつもりだが、昼までは護衛をしている騎士達から剣技を学ぼうと思っている!」
この聖堂には聖魔力を扱う賢者や聖者の他にも、護衛として騎士が居るし、訓練場もあると昨日聞いていた。
そして騎士隊の訓練に朝から昼までの間、レックス殿下は参加してもいいことになったらしい。
昼以降は私の傍にいながら、聖堂内で魔力が強化されるから、魔法の鍛錬もするようだ。
これからの話をしながら大広間に到着して――昨日とは違い、人が多い。
私達は腰に剣を備えた騎士らしき人に案内されて、ゲオルグの正面に向かうけど……私達の周囲を、少し離れて人々が囲む。
周囲には聖堂の魔法士の人や、剣を備えている人……騎士の姿が見える。
どうやら聖堂内に居る人達は、私達に興味を持って見に来た様子だ。
私達を囲むように眺めている人達の他に――初対面の男性が二人、ゲオルグの隣にいた。
一人は知っている。
緑色の短い髪と、少し大きな目をした美少年……間違いなく、彼がアスファだ。
もう一人は灰色の長い髪、眼鏡をかけた長身の美青年だけど……風格がある。
そう考えていると、ゲオルグが私達を眺めながら、少年と青年に目をやって。
「紹介しよう、この子がアスファ。彼がバダムだ」
会わせたい人が二人もいたことに、私とカレンは驚いてしまう。
「お初にお目にかかります。私はアスファです」
「はじめまして……私はバダムと言います」
アスファ――そして、バダムと名乗った人は礼儀正しく、優美な一礼をしていた。
私とカレンはアスファを知っていたけど、バダムと名乗った人は知らない。
名前が不明だっただけのゲオルグと違い――最初から一切知らない人が現れたことに、私とカレンは驚くしかなかった。
昼と夜の食事は食堂だけど、朝はこうして部屋で食べることになるらしい。
「今日も最初は集団行動で……ゲオルグの話が終わってから神託が下る七日目までは、自由に動けるはず」
「ゲーム通りいけば、ですね」
テーブル越しに対面しているカレンは、楽しそうな表情を浮かべて。
「リリアンは嬉しそうね」
「ようやく聖堂で魔法を扱えそうですからね。とてつもなく楽しみです!」
「あたしは試練が不安になるけど……魔法や魔力を使えるのは、確かに楽しいわ」
そこから朝食を終えて、私達はレックス殿下とロイの居る部屋へ向かう。
「大陸を移動しましたけど、食事はあまり変わりませんでしたね」
「ちょっと味が濃かった気がするけど、確かにそんな気がするわ」
私がこの世界の料理に慣れたから、あまり気にならなかったのだろうか。
カレンは転生してまだ四カ月ぐらいだから、まだこの世界の料理の味に慣れていないのでしょう。
レックス殿下とロイの部屋に入るけど、部屋の間取りは私達と同じようだ。
「おはよう。朝からリリアンを見れるだけで、いい1日になるとしか思えないな!」
「レックス君は朝からテンションが高いな……おはようリリアンさん、カレンさん」
「おはようございます」
私とカレンは同時に挨拶をして――部屋を出た私達は、聖堂の大広間へ向かっている。
「俺はリリアンの傍にいるつもりだが、昼までは護衛をしている騎士達から剣技を学ぼうと思っている!」
この聖堂には聖魔力を扱う賢者や聖者の他にも、護衛として騎士が居るし、訓練場もあると昨日聞いていた。
そして騎士隊の訓練に朝から昼までの間、レックス殿下は参加してもいいことになったらしい。
昼以降は私の傍にいながら、聖堂内で魔力が強化されるから、魔法の鍛錬もするようだ。
これからの話をしながら大広間に到着して――昨日とは違い、人が多い。
私達は腰に剣を備えた騎士らしき人に案内されて、ゲオルグの正面に向かうけど……私達の周囲を、少し離れて人々が囲む。
周囲には聖堂の魔法士の人や、剣を備えている人……騎士の姿が見える。
どうやら聖堂内に居る人達は、私達に興味を持って見に来た様子だ。
私達を囲むように眺めている人達の他に――初対面の男性が二人、ゲオルグの隣にいた。
一人は知っている。
緑色の短い髪と、少し大きな目をした美少年……間違いなく、彼がアスファだ。
もう一人は灰色の長い髪、眼鏡をかけた長身の美青年だけど……風格がある。
そう考えていると、ゲオルグが私達を眺めながら、少年と青年に目をやって。
「紹介しよう、この子がアスファ。彼がバダムだ」
会わせたい人が二人もいたことに、私とカレンは驚いてしまう。
「お初にお目にかかります。私はアスファです」
「はじめまして……私はバダムと言います」
アスファ――そして、バダムと名乗った人は礼儀正しく、優美な一礼をしていた。
私とカレンはアスファを知っていたけど、バダムと名乗った人は知らない。
名前が不明だっただけのゲオルグと違い――最初から一切知らない人が現れたことに、私とカレンは驚くしかなかった。
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