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41話

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 魔将ドレアノと対峙していると、ドレアノは私達を動揺させる発言をしてくる。

「仕留めた冒険者に成り代わったマールが「異常はありませんでした」とギルドに報告する。その後に消えれば、捜索していた場所は疑われないってことよ」

 どうやら幹部のマールという人は他人に変化できるようで、かなり暗躍していそうだ。

「組織の中でも一番隠しておくべき情報を話すとは……相当頭が悪そうね」

 リマが呆れた様子で呟いているけど……これから仕留めるからと理由をつけているも、ドレアノの発言は理解できない。

 捕えた部下の人を尋問しても知らなかった重要な情報を、幹部とはいえドレアノが普通に話していた。

 嘘の可能性もあるけれど、それは捕らえてからアゼルの魔道具で判明する。

 ここまで教えたのが私達には理解できないでいると、ドレアノは全身を震わせながら。

「オレはオレが絶対に勝つと確信しているし、この程度は秘密ですらない……行くぞ!」

 ドレアノは叫びながら、右の剛腕を振るう。
 その攻撃は、ドレアノが絶対に勝つという自信を証明するような一撃だった。

 どうやら魔力を拳圧に乗せたようで――ただ腕を振るった行動が、魔力による大砲の一撃と化している。

「っっ!?」

 それをリマが剣で受けるも、剣が砕けて骨の折れる音が周囲に響く。

 リマがドレアノの一撃で致命傷を受けて吹き飛び――背後に居たアゼルが、なんとか受け止めた。

「ぐッッ!?」

 吹き飛んだリマを受けただけで、アゼルの体が悲鳴をあげている。

 とてつもない衝撃と、体内で受けたドレアノの魔力を流しきれなかったから……アゼルも魔力による攻撃を受けたのでしょう。

「リマ! アゼル!」

 即座に回復魔法でリマを治すけど――私が回復魔法を使えていなかったら、間違いなく全滅していた。

「た、助かったよ……あのドレアノとかいう奴、言うだけの強さはある……」

 リマがアゼルから離れて前に出るも……恐怖からか、全身が震えている。

 ドレアノはそれほどまでの強さをしているけど……私の聖魔力と皆の力なら、問題なく倒せる相手だった。
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