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27話 セローナ視点
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聖女候補の姉シャロンとセローナは、聖女として国を守るために、冒険者の一部しか知り得ないことを教わっていた。
そこには魔法や魔道具を扱う犯罪者集団のこともあり……堕将衆が一番恐ろしい集団だった。
自らを魔将衆と名乗ったカーラに対して、セローナは後ずさり。
「せ、聖女である私を……暗殺に来たのですか!?」
セローナは恐怖して、自分の言動がおかしいことを自覚する。
さっきまで命を絶とうとして失敗したのだから、暗殺されるのなら喜ぶべきだ。
「あはは。僕はさっきまでの貴女の言動を見ていましたけど、暗殺なら喜ぶのが道理ですよね」
「っっ……」
カーラに笑われたことでセローナは顔を赤くして、これ以上は聞きたくないと考えている。
そして――カーラは、言って欲しくなったことを口にする。
「怯えた表情で理解できましたよ……セローナさん、貴方は死ぬ気はなく、自傷したかったんですね」
「だ、黙ってよ……」
図星を突かれてセローナは焦るも、カーラは黙らない。
「そうですね「聖女の私がが死ぬほど追い詰められているわよ」「これ以上追い詰めずに優しくしてよ」と……心の声は、そんな感じでしょうか?」
「黙りなさいよ!!」
思っていたことをいきなり言われたセローナは、叫ばずにはいられない。
そんなセローナに対して、カーラは微笑みながら。
「落ち着いてください。貴女は深く傷ついているのに、この国は自業自得だと蔑む……間違っているのは、ルオドラン国です」
それは、セローナが一番欲しかった発言だった。
自分が間違っていると自覚しつつあるも……本質は変わらず、自分以外のせいにしたい。
そこを漬け込まれたセローナは、カーラの話を真剣に聞くようになっていた。
「そんな滅ぼすべき国を滅ぼす集団が、僕達です……僕達は、貴女を助けに来たのです」
「……えっ?」
ルオドラン国を滅ぼし、セローナを助けに来た。
国を滅ぼすという発言よりも……セローナとしては、助けるという部分が重要だった。
そこには魔法や魔道具を扱う犯罪者集団のこともあり……堕将衆が一番恐ろしい集団だった。
自らを魔将衆と名乗ったカーラに対して、セローナは後ずさり。
「せ、聖女である私を……暗殺に来たのですか!?」
セローナは恐怖して、自分の言動がおかしいことを自覚する。
さっきまで命を絶とうとして失敗したのだから、暗殺されるのなら喜ぶべきだ。
「あはは。僕はさっきまでの貴女の言動を見ていましたけど、暗殺なら喜ぶのが道理ですよね」
「っっ……」
カーラに笑われたことでセローナは顔を赤くして、これ以上は聞きたくないと考えている。
そして――カーラは、言って欲しくなったことを口にする。
「怯えた表情で理解できましたよ……セローナさん、貴方は死ぬ気はなく、自傷したかったんですね」
「だ、黙ってよ……」
図星を突かれてセローナは焦るも、カーラは黙らない。
「そうですね「聖女の私がが死ぬほど追い詰められているわよ」「これ以上追い詰めずに優しくしてよ」と……心の声は、そんな感じでしょうか?」
「黙りなさいよ!!」
思っていたことをいきなり言われたセローナは、叫ばずにはいられない。
そんなセローナに対して、カーラは微笑みながら。
「落ち着いてください。貴女は深く傷ついているのに、この国は自業自得だと蔑む……間違っているのは、ルオドラン国です」
それは、セローナが一番欲しかった発言だった。
自分が間違っていると自覚しつつあるも……本質は変わらず、自分以外のせいにしたい。
そこを漬け込まれたセローナは、カーラの話を真剣に聞くようになっていた。
「そんな滅ぼすべき国を滅ぼす集団が、僕達です……僕達は、貴女を助けに来たのです」
「……えっ?」
ルオドラン国を滅ぼし、セローナを助けに来た。
国を滅ぼすという発言よりも……セローナとしては、助けるという部分が重要だった。
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