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17話

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 私がこの国に居たくないことを伝えると、ルオドラン王は激高して叫ぶ。

「せ、聖女があんな使えないセローナとなったこの国がどうなるか、予測できないのか!?」

 予測できているからこそ、陛下がここまで焦っている理由が解る。

 この国の聖女は大した力のないセローナで、国が亡ぶほど絶体絶命な状況だ。

 流石にセローナを聖女にするのは無理があると言ったのに、この国の人は誰も聞き入れなかった。

「私は前にセローナを聖女にすべきではないと言いました。それを否定したのは貴方達です」

「ぐっ……そ、それなら、この国はどうなる!? 最悪滅ぶぞ!!」

「私の妹セローナを聖女に任命したルオドラン国の責任です。自業自得だと言うしかありません」

 何を言われてもこの国から出る気でいた私は、断言する。

 これで後は空を飛んで訓練場を後にするだけだと考えていると……私の頭上に広大な網が落ちてきた。

 どうやら訓練場の上に飛龍隊が飛んでいたようで、魔道具による大きな網を投下してくる。

 網が檻のような形になって私を閉じ込め、周囲の貴族達が驚いている中、魔道具に長けた貴族の1人が私を指差しながら告げる。

「はははっ! その網は貴様を幽閉していた檻と同じ性質の魔道具、魔法を使えなくする魔道具だ!」

 勝ち誇りながら貴族が叫んだことで、訓練場に居た人達が安堵していた。

 どうやら、今この場で私に出て行かれる最悪の事態を回避したと、貴族達は思い込んでいるようね。

「呪いでこの国のために働くよう従わせてやる! 陛下、それでよろしいですか?」

「そうだな……出て行くことは許されない。貴様は一生、ルオドラン国に尽くしてもらうぞ!」

 陛下がそんなことを言い出して、貴族達が安堵しているのが不愉快だった。

 自分のことしか考えていない……それに、この人達は、未だに私のことを侮っている。

 私が聖魔力で生やしている白い翼が消えていない時点で、この魔道具よりも私の力の方が上だ。

「先ほど言いましたが、この程度の魔道具なら、私の力で破壊できます」

 そう言ってから……私は背中に生やした白く輝く翼を動かして伸ばすことで、網を破壊することができていた。
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