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105話

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 全身を真っ黒にした異形の巨人、黒い獣巨人は私の料理を食べたエルフ達の力で倒していく。

 一番強い人はそれでも押し切ろうとして、エルフの人達が怪我を負うも……私とウォルが覚醒することで対処していた。

 どうやらガシムには調律魔法という他者を同調させて力を強める魔法が使えるみたいで、契約と調律による二重同調によって倒すことに成功する。

 この人だけは、他の人と違って……完全に獣人の肉体を取り戻していた。

「こいつ……リアークに雇われていた盗賊団のリーダーだ」

 ガシムがそう告げると、リアークの声に獣人が反応して。

「リアーク……俺は、俺達は奴に騙されていた! ただ結界を攻撃するだけの仕事だったのに、急に体がおかしくなって、暴れ出しちまうとは、な……」

 そう言いながら、盗賊団のリーダーらしき獣人は、体を崩壊されて消えていく。

「これで、終わり?」

「そうですね……問題があるとすれば、アカネ様のこれからです」

「えっ?」

 レーリアが困惑しながらも、続きを話す。

「アカネ様は族長と契約しました。これによってエルフの支配者となったも同然です……エルフは全て、アカネ様の命令を聞かなければなりません」

「レーリアの言った通りです……アカネ殿」

 急にガシムが膝をついて頭を下げてくるけど、昨日までのままの方がいい。

「あの、いつも通りでいいわよ」

「承知した」

 すぐいつも通りになる辺り、私の命令が族長の命令と同じなのは本当のようだ。

 そう考えていると……私、レーリア、ウォル、ガシムの前に族長が現れて。

「さて……今回の襲撃者の理由を話すとしよう。だが、その前に1つ、言っておかねばならないことがある」

 族長の発言には威圧感があって、私達が息を呑んでいると。

「なんでしょうか?」

 今回の問題を引き起こしたのはリアークで、弟であるレーリアが挙手をして尋ねると。

「今回の件で、リアークの目的を確信した……どうやら奴は、この世界の大半を滅ぼすつもりのようだ」

 レーリアの兄リアークが、この世界の大半を滅ぼす?

 自分の故郷どころではなく、世界を滅ぼそうとするリアークに、私は恐怖するしかなかった。
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